なぜ私たちは悪役を応援してしまうのか?

Members of the 501st Legion Spanish Garrison dress up as "Darth Vader" (C) and "Stormtroopers" from the movie "Star Wars" during a solidarity parade to spread the message of bone marrow donation and the fight against cancer, organized by the Luis Olivares Foundation in downtown Malaga, southern Spain, October 24, 2015. REUTERS/Jon Nazca - RTX1T2GS
“Villains aren’t just immoral. They’re good at being bad”Image: REUTERS/Jon Nazca
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新たな研究が、悪いことをする登場人物に好感を抱くことがある理由を明らかにした。

道徳性は重要だと語るのは、バッファロー大学コミュニケーション学部の助教、マシュー・グリザード氏だ。視聴者は善人を好み、悪人を嫌う傾向がある。しかし、先行研究を踏まえた今回の研究は、ヒーローと悪役を区別するために、必ずしも行動を見る必要はないことも示唆している。

グリザード氏の研究では、登場人物の外見を操作し、観客の受け止め方を測定した。たとえば黒い服と明るい色の服のような単純な外見の違いだけで、観客が登場人物をヒーローか悪役に分類するのに十分なのかを明らかにしようとした。

一方、先行研究では、ヒーローと悪役は道徳性では異なるものの、能力には差がないことが分かっていた。「悪役は単に不道徳なだけではありません。悪事を働くのがうまいのです」とグリザード氏は述べる。

先行研究は、ヒーローや悪役に対する認識を喚起できたのか、それとも物語の登場人物とは無関係な偏見を生み出しただけなのかを判断するための基準を、グリザード氏の研究チームに与えた。

「もし、ヒーローらしい外見の登場人物が悪役より道徳的で、かつ有能という結果になっていたら、単に偏見を作り出しただけだったでしょう。しかし、ヒーローは悪役より道徳的である一方、能力は同等でした。だから、視覚的な要素がヒーローや悪役に対する認識を喚起しうると、より確信しています」とグリザード氏は語る。

視覚的な要素が登場人物の受け止め方に及ぼす影響を理解するだけでなく、今回の知見は、登場人物への評価が観客による登場人物同士の比較に左右され、登場する順番も影響することを示している。

悪役の後に登場したヒーローはより英雄的だと評価され、ヒーローの後に登場した悪役はより邪悪だと評価された。

「ここで起きているのは、何らかの客観的な道徳基準を用いて登場人物を個別に評価しているわけではないということです」とグリザード氏は語る。「私たちは登場人物と、彼らが直面する力関係を絶えず比較しているのです。」

たとえばウォルター・ホワイトの場合、観客はシーズンを追うごとに倫理観が次第に崩れていく人物の変化を目にする。それでも観客は彼を支持し続けた。この忠誠心に驚いたのは、ブレイキング・バッドのクリエイター、ヴィンス・ギリガン氏だった。

ギリガン氏はインタビューで、ある時点で観客がこの人物に反感を抱くようになると思っていたと語った。しかしグリザード氏は、ホワイトと同時に番組の敵役たちもさらに悪くなっていくと指摘する。

「ホワイトだけが悪くなっているわけではないという傾向が見て取れます。他の登場人物との比較が絶えず行われている可能性があります」とグリザード氏は語る。「つまり、ホワイトは観客が行う比較によって、おそらく得をしているのです。」

グリザード氏によれば、これは分極化の効果だ。悪役と比べるとヒーローはより良く見え、ヒーローに照らして見ると悪役はより悪く見える。

しかし、少なくともフィクションの物語の世界では、悪であることがすべて悪いわけではない。グリザード氏によれば、そこには一定の利点がある。

「悪役だと認識されている登場人物は、善行や一見利他的な行為によって、ヒーローよりも大きく評価を高めることが分かりました。『ハリー・ポッター』の本や映画に登場するセブルス・スネイプのような人物です。」

『コミュニケーション・リサーチ』誌に掲載されたこの知見は、特定の行動を促そうとする公共サービスキャンペーンやテレノベラの参考になる可能性がある。「登場人物をどのように描くかが重要だと示しています」と同氏は語る。

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