ソーシャルメディアは本当に命を救える。その方法とは

A man is silhouetted against a video screen with an Facebook logo as he poses with an Samsung S4 smartphone in this photo illustration taken in the central Bosnian town of Zenica, August 14, 2013. REUTERS/Dado Ruvic/File Photo - RTX2IVBO
Social media is leading to efficiency in human development and in global health.Image: REUTERS/Dado Ruvic
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ソーシャルメディアは、娯楽や交流、商取引のためだけのものではない。Twitter上の会話が世界の健康をめぐる議論を前進させたことや、TwitterやFacebookを使って患者の満足度を把握することなど、近年の革新は、私たちの先入観を改めるきっかけとなるはずだ。こうしたデジタルプラットフォームは、コミュニケーションや人命救助に欠かせない手段として、また提言活動やキャンペーンの場として、その価値をますます示している。人間開発と世界の健康において、より大きな有効性と効率性をもたらしているのだ。こうしたプラットフォームは、医療の運営や世界規模での意見交換を促進し、医療従事者、専門家、一般の人々が経験を共有することで、取り組みの成果を高める。

歴史的に、世界各地の農村部に住む人々は、地域社会の境界を越えて意思疎通できる手段を持たないことが多かった。世界の健康をめぐる議論に参加する機会もなく、地理的、社会的、経済的な障壁があまりにも多く立ちはだかっていた。都市部でさえ、世界の健康に関する議論は、学術界、政府、NGO、民間企業、地域社会など、それぞれの縦割りの枠内で行われるのが従来の姿だった。

しかし今日、人気が高まるソーシャルメディアのプラットフォームは、発展途上国の最も農村的な地域にまで徐々に浸透している。インターネットが利用できる場所では、コミュニケーションの透明性と費用対効果がかつてないほど高まっている。人々に力を与え、こうした縦割りの構造を崩し始めた。市民は今、自分たちの地域や中央政府の関係者、自らに関わる可能性のあるプログラムを担当する専門技術者、連絡を取りたい国内外の人物に、直接働きかけて関与できる。

世界規模では、ソーシャルメディアを通じた革新的なコミュニケーション手段が、何百万人もの人々を簡便かつ公平につないでいる。ソーシャルメディアのプラットフォームは、地理的な場所、学歴、性別、社会経済的地位にかかわらず、声なき人々に強力な発言の機会を与える。ソーシャルメディア上の声は、すべて価値を持つ。

Image: Statista

距離がもはや障壁ではなくなり、世界の遠隔地で孤立していた人々も、今では地域社会に影響する世界の健康問題に参加して考えを共有し、情報にアクセスし、議論できる。必要なのは、コンピューター、タブレット、手頃な価格のスマートフォン、またはその他のIT機器だけだ。こうしたコミュニケーション手段は、あらゆるレベルで有効な提言活動のツールとなる。

私は長年小児科医を務め、2016年までルワンダ共和国の保健大臣を務めた。その立場を生かし、ソーシャルメディアを使って、ユニセフとWHOに対し、私の国の健康指標に関する報告を更新するよう提言できた。しかし、一般市民も同じようにソーシャルメディア上で声を上げ、自分にとって大切な問題を話し合い、自らの権利を主張し、望む変化の担い手になれる。

こうした媒体を通じて民主的な力が強まるにつれ、一人ひとりの意見が物理的な居場所をはるかに越えて届くようになり、説明責任、公平性、尊厳が高まる。その影響は、ガバナンス、金融、サプライチェーン、モニタリングと評価、臨床ケア、地域社会の関与、そしてもちろん個人や家庭の場面など、世界の健康が関わる多くの分野で、世界のリーダーたちにも及ぶ。

今日、ソーシャルメディアは、医療や社会サービスを提供する手段として使われる場合などに、健康を直接守ることもある。それによって、遠隔地や医療サービスが十分に行き届かない地域に暮らす人々が直面する、地理的、インフラ面、人材面の障壁も取り除きやすくなる。

一部のソーシャルメディアプラットフォームは、世界各地で無料または低価格の災害警報サービスを開発している。たとえば、Facebookによるこうしたシステムの活用は、インドで近年発生した気象災害で重要な役割を果たした。危険を知らせる重要なメッセージを送り、被害を防ぐ。また、救助活動の把握と調整を支援し、人々の無事を家族や友人に伝える。初期データは、こうしたソーシャルメディアを活用した災害対応技術サービスの有効性をすでに示している。

個人的にも、ソーシャルメディアが開発、教育、医療の運営、患者満足度の把握に役立つことを実感してきた。Twitterで隔週月曜日に「#MinisterMonday」を実施したり、ザルツブルク・グローバル・セミナーとともに終末期の緩和ケアを推進する「#allmylifeQs」を行ったりすることで、世界中に知識を広める一助となった。ソーシャルメディアは創造性を発揮する場となり、起業家精神とイノベーションを促す。その意味で、住民の健康と豊かさの向上に貢献する可能性を秘めている。だからこそ、テクノノミー・ヘルスでの議論が、世界の健康が抱える喫緊のニーズにテクノロジーがどう応えられるかを最優先課題として取り上げたことを称賛したい。

コミュニケーションや意見交換にとどまらず、ソーシャルメディアは世界の健康に関する研究にも有用なツールだ。

限界がなおあることを認識する必要はあるが、こうしたプラットフォームでは、住民を対象とする調査を簡単に実施でき、集団の全体像や人々の見解を、迅速かつ広範に把握できる。

ソーシャルメディアを使えば、キャンペーンや資金調達も簡素化され、費用を抑えて世界中の人々にすぐに届けられる。地域のプロジェクトも、世界の健康分野で最も信頼される大手組織も、ソーシャルメディアのプラットフォームを使ってキャンペーンを展開している。一例として、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の「#RedNose4Kids」キャンペーンや、2015年にアフリカの通信会社が資金を募り、ソーシャルメディアを使ってアフリカ連合を支援し、エボラ出血熱との闘いに資金を提供した取り組みがある。

人命を救うコミュニケーションや医療の運営から、自由な意見交換、研究、資金調達、社会的・人道的活動の組織化まで、ソーシャルメディアが世界の健康にとって価値あるツールとなったことは明らかだ。

適切な規制を整える必要がある。規制がなく、倫理に関する理解も欠けていれば、ソーシャルメディアの力そのものが、私たちが守ろうとする弱い立場の人々を傷つけかねない。

こうしたことを踏まえ、通信手段を利用できるすべての人に、既成概念にとらわれず、ソーシャルメディアを良いことに使う運動に加わるよう呼びかけたい。それはクリック一つでできる。私たちがつながるネットワークを使って、暮らす世界をより良くすることは、道義的な責務だ。

費用対効果が高く強力なこうしたプラットフォームを、医療の運営、前向きな変化、社会活動、起業家精神、連帯、人間開発に役立てる必要がある。そうすれば、場所、社会経済的地位、アイデンティティ、背景にかかわらず、誰もがクリックしてメッセージを投稿し、世界をより良い場所にする一助となれる。

農村の村に住む人から政府部門の長まで、誰もがこうしたプラットフォームを通じて対等に話し合いの場に加われる。独自の視点やニーズ、提案を建設的な議論で共有し、重要な世界的課題を前進させることができる。ソーシャルメディアをツールとして活用すれば、発展途上国の人々に力を与え続け、より健康で豊かな先進国の仲間入りを目指す各国の歩みを加速できる。力を合わせれば、ソーシャルメディアのプラットフォームを使って、誰もが受けるに値する公平な世界に一歩近づける。

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