ボリウッドはハリウッドをはるかに上回る本数の映画を公開しており、その状況は10年以上続いている。
興行収入では米国が首位かもしれないが、チケットの販売枚数が最も多いのはインドだ。
テック大手や動画配信プラットフォームが市場を変える一方、アジア以外ではチケット販売が低迷している。
猫に扮したジェームズ・コーデンとレベル・ウィルソン。エルトン・ジョン、ビリー・アイリッシュ、エミネムがヒット曲を披露。世界的に有名な俳優たちで埋め尽くされたレッドカーペット。第92回アカデミー賞授賞式は、評論家たちに語る話題をたっぷり提供した。
しかし、誰もが話題にしているのはただ一つのようだ。『パラサイト』である。
韓国映画が毎年恒例の授賞式で歴史を作り、英語以外の言語による作品として初めて作品賞を受賞した。実際、この夜の最多受賞作となり、監督賞、国際長編映画賞、脚本賞(オリジナル脚本)を含む計4部門でアカデミー賞を獲得した。
また、K-POPが数十億ドル規模の世界的現象となり、Kアートや、テレビ番組の韓国ドラマなど他の韓国発コンテンツも国際的に評価されていることから、韓国の大衆文化にとって間違いなく新たな勝利といえる。ハリウッドはもちろん世界の映画業界で依然として圧倒的な存在感を保っているが、時代が変わりつつある兆しでもある。
ハリウッドだけが主役ではないことを示す5つの事実を紹介しよう。
1. ボリウッドはハリウッドをはるかに上回る本数の映画を公開
インドは世界有数の映画製作・興行の拠点であり、着実に成長を続けている。実際、10年以上にわたり世界最大の映画製作国である。2018年だけで、同国ではデジタル長編映画が1,800本公開された。対照的に、米国で同年に公開されたのはわずか500本だった。公開本数では中国と日本も米国を上回っている。
中国と韓国の映画製作本数は近年、大幅に増加している。中国では2018年に1,000本を超える映画が製作され、2010年の526本から増加した。韓国でも2018年の製作本数は450本を超え、2010年の152本から増えた。
2. 『パラサイト』は韓国で最も興行収入の高い映画ですらない
『パラサイト』が最近オスカーを受賞したことで、観客動員数は確実に伸びただろう(興行収入は1億8,000万ドル近くに達し、現在も増加中で、その75%は海外での興行収入)が、国内にはほかにも大ヒット作があった。『エクストリーム・ジョブ』は2019年に韓国で最も興行収入を上げた映画となり、1,400億韓国ウォン(1億1,750万ドル)を記録した。
2019年の韓国の興行収入は合計で約1兆9,100億韓国ウォン(16億ドル)だった。
3. ボリウッドの影響力
かつてボリウッドで活躍したプリヤンカー・チョープラー・ジョナスは、数年前には多くの人の注目を集める存在ではなかったかもしれない。しかし、FBIを題材にしたドラマシリーズ『クワンティコ』により、世界の人気俳優の仲間入りを果たした。現在、彼女のインスタグラムのフォロワーは約5,000万人にのぼる。ドウェイン・「ザ・ロック」・ジョンソンの1億7,200万人には及ばないかもしれないが、アイアンマン役で知られるロバート・ダウニー・Jr.やレオナルド・ディカプリオなど、同じソーシャルメディアを積極的に利用するハリウッドスターたちを大きく上回る。
ボリウッドスターのアーリヤー・バット、シュラッダー・カプール、ディーピカー・パードゥコーンも、それぞれフォロワーが4,000万人を超えている。
4. 映画館に人を呼ぶ力
興行収入では米国市場が大差で首位に立つ。米国とカナダでは、2018年の興行収入が119億ドルに達した。しかし、だからといって他の市場を見過ごしてよいわけではない。興行収入で世界第2位の中国は、同年に90億ドルを記録した。
米国を含めても、映画のチケットを最も多く購入したのはインドの人々だった。
5. テック大手が市場を変えている
アジア市場、特に中国では映画チケットの売上が大きく伸びている。WeChatやAliPayといったテック大手も、オンラインのチケット予約市場に多額の投資を行っている。
しかし、世界のその他の地域では、映画のチケット販売が低迷している。2017年、米国のチケット販売枚数は1995年以来最低となった。Netflixなどのサービスを通じて動画や映画を視聴する人が増えるなか、市場は全面的に再編されつつある。
