無礼な言動への許容度が高い大学生は、政治ニュースへのオンラインコメント、ネット上の政治的議論への参加、政治候補者や争点への支持表明をソーシャルメディアで行う可能性がはるかに高いことが、研究で明らかになった。
「ネット上のコミュニケーションがひどいものになり得ることは、経験的に分かっています。匿名で、人々は言いたいことを何でも言い、したいことを何でもします。その結果を必ずしも考えません」と、アリゾナ大学の社会学博士課程に在籍し、米国社会学会の年次総会で研究成果を発表する予定のジャスティン・ノールは話す。
「それが、オンラインでの参加の仕方を選ぶうえでどう影響するのかに興味がありました。オンライン参加は、政治家と私たちが互いに意思疎通を図る新たな手段になりつつあります。
「結局のところ、社会学者が非常に関心を寄せているのは、私たちが『参加の不平等』と呼ぶものです」とノールは言う。「誰もが対等な立場で声を聞いてもらえる民主主義を望む気持ちは確かにあります。これはまさに米国的な理想です。一方で、理想と現実には常に隔たりがあり、その差は実際に存在することも分かっています。」
この研究結果は、大学生1,000人以上を対象にしたオンライン調査のデータに基づく。回答者は、政治的な対立相手に怒鳴る、争点に関する相手の立場を攻撃するといった23の行為について、「まったく無礼ではない」から「非常に無礼」までの5段階で評価するよう求められた。
回答者はまた、過去12カ月間に、政治ニュースへのコメント投稿から対面での政治集会や演説への出席まで、オンラインとオフラインの政治活動13種類のそれぞれに参加したかどうかを回答した。
この研究では、無礼な言動への許容度が投票に及ぼす影響は調べていない。調査では投票したかどうかも尋ねたが、過去の研究によると、人々は投票しなかったことを認めたがらないため、確認を取らない限り、その質問への回答は信頼できないとノールは言う。
無礼な言動を避ける
分析では、ノールは社会学と法学の教授ロビン・ストライカーが開発した、許容度を測る標準化された尺度を用いた。年齢や人種などの要因を調整した結果、無礼な言動への許容度は、調査対象となったオンライン政治参加7種類のうち5種類に有意な影響を及ぼしていた。
無礼な言動への許容度が高い人は、次のすべての行動を取る可能性が高かった。政治ニュースへのオンラインコメントの投稿、ネット上の政治的議論への参加、ソーシャルメディアでの政治候補者や争点への支持表明、オンラインでの政党や候補者への寄付または寄付の呼びかけ、慈善活動への寄付または寄付の呼びかけである。
影響が見られなかったオンライン参加は、ネット上での署名活動と、政治運動、候補者、争点に関する面白い動画や漫画、芸術作品の共有や転送の2種類だった。
ノールによると、無礼な言動への許容度が低い人は、そうした言動に遭遇しそうなオンライン活動を避けることがある、というのがこの考え方だ。
候補者、政党、あるいは候補者や政党を支持または反対する団体のためにオフラインで資金を集める場合を除き、無礼な言動への許容度は、ほとんどのオフライン政治参加に影響しない。許容度が高い人ほど、寄付をしたり寄付を呼びかけたりする可能性が高かった。
オンラインとオフライン双方の寄付に関する結果は、「寄付」と「寄付の呼びかけ」を分けて検討する追加分析が必要かもしれないとノールは言う。個人的に寄付する場合に比べ、寄付を呼びかける方が無礼な言動にさらされるリスクが高い可能性があるためだ。
「選挙運動にお金を寄付するときに、ひどい無礼な言動に遭遇するとはあまり思えません」とノールは言う。「でも、人々に寄付を呼びかけていて、あまり好意的でない言葉を浴びせられる場面なら想像できます。」
調査で対象となったその他のオフライン政治参加には、無礼な言動への許容度は影響しなかった。政治集会、デモ、演説、夕食会への出席、町議会、市議会、教育委員会、近隣組織の会合への出席、市民、社会、政治の特定の争点について話す人の講演を聞きに行くこと、オフラインで署名することが含まれる。
厚かましい人だけ?
この研究結果は、疑問を投げかける。インターネットの政治関連分野は、厚かましい人だけの場所になりつつあるのだろうか。ノールは、検討する価値があると言う。
これは特に重要だと彼は言う。オンラインでの活動はしばしば「現実世界」での参加につながり、オンラインで政治に関わる若者は、選挙日に投票に行く可能性が最大5倍高いと示唆する研究もあるからだ。
「インターネットに期待を寄せる私たちは、インターネットを、資源や教育へのアクセスが同じではない人々も、それまで参加できなかった会話に加われるようにする、格差をならす力として捉えています」とノールは言う。「人々がオンラインに接続して参加するかどうかの判断に何が影響するのかを見極めることは、極めて重要です。」
ノールは今後、より大規模で、人口をより適切に代表する全国標本を用いた研究を行う予定だ。
「大学のキャンパスでこうした傾向を確認しました。では、大きな問いは、全国レベルでも同じ傾向が見られるのかということです。」
