チョコレートがアマゾン熱帯雨林の保護に貢献。その方法とは

The renewed planting could make Brazil one of the world's top three cocoa growers again after the sector was decimated in the 1990s.Image: Reuters Staff
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長年、ヴァウドミロ・ファッキはアマゾン熱帯雨林を切り開いた土地で牧畜を営み、生計を立ててきた。世界最大級の環境破壊の一端を担う、小さな存在だ。

しかし今、牛が牧草地を踏み荒らして砂ぼこりの立つ土地に変え、新たな土地の開墾を禁じる法律も施行されたため、新しい収入源を見つけなければならなくなった。

「収入源を多様化したい」と、68歳の牧場主は語り、ブラジルのパラー州にある300ヘクタールの土地にカカオの木を植える計画を明かした。「牧畜の利益が落ち込んだときも、カカオの収入を得たい。」

ファッキの事例は、アマゾン盆地の荒廃した地域を再び緑に変え、農業界と保全活動家の間に異例の連携を生み出している潮流を示している。ブラジルの牧場主たちは、使い古された牧草地にカカオを植えており、国際的な環境団体から資金援助を受けている。

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これは大きな変化だ。何十年もの間、牧場主たちはアマゾン熱帯雨林の大規模な皆伐を進める原動力となり、スペインにほぼ匹敵する面積の森林が失われた。環境保護活動家たちは、この慣行が野生生物の生息地を破壊し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収する地球の能力を損なうと主張してきた。

国際環境団体ザ・ネイチャー・コンサーバンシーはウェブサイトで、「森林破壊を防ぐ手段であるだけでなく、カカオ農園は地域、州、そして国の経済にも恩恵をもたらす」と述べた。

若木は世界のカカオ市場にも変化をもたらすだろう。ブラジル・カカオ加工産業協会(AIPC)は、植樹の急増により、チョコレートの原料となるカカオの同国の生産量が2028年までに倍増し、年間40万トンに達すると見込んでいる。この増加により、世界の生産量は約5%増えることになる。

植樹の再開により、1990年代に「ウィッチズブルーム」と呼ばれる病害菌で産業が壊滅的な打撃を受けた後、ブラジルは再び世界有数のカカオ生産国トップ3に入る可能性がある。

保全活動家とカカオ業界の関係者は、この潮流が、1980年代以降にアマゾンの約43万平方キロメートルを奪った大規模な皆伐の影響を和らげると期待している。

カカオ生産の伸びの50%はアマゾンからもたらされると、AIPCのエドゥアルド・バストス専務理事は述べ、現地のカカオ農園を「チョコレートの森」と呼んだ。

ザ・ネイチャー・コンサーバンシーやアマゾン基金などの環境団体は、新たなカカオ農園への資金提供を支援してきた。ブラジル政府が設立し、森林破壊対策のため国際的な寄付を受け入れているアマゾン基金は、カカオ栽培に1,700万レアル(509万ドル)の助成金を投入した。

AIPCのバストス氏によると、ブラジルではすでに、劣化した牧牛用牧草地約1,700平方キロメートルがカカオ農園に転換されている。

経済的な動機

カカオ栽培を主に後押ししているのは、牧畜業に対する新たな規制であり、それによって牧場主の経済的な動機が変わった。アマゾンでは、適切に管理しなければ牧草地はわずか3年で劣化することがあり、新たな土地を確保せずに牛の群れを健全に育てるのは難しい。

ブラジルは2014年、アマゾン地域の土地所有者が自分の土地の20%までしか開墾できないとし、一部の土地所有者に劣化した土地の再植林を義務づける法律を制定した。

この法律は、2004年に年間2万7,000平方キロメートルのペースでピークに達した森林破壊を抑えることを目的としている。2017年には、ブラジル領アマゾンで6,624平方キロメートルの熱帯雨林が失われた。

牧畜と比べると、カカオは絶えず土地を拡大する必要がなく、比較的小さな土地から収入を得られる。利益は最大で5倍になる可能性があると、ブラジルの環境団体イマフローラでプロジェクトマネジャーを務めるエドゥアルド・トレヴィザン・ゴンサルヴェス氏は述べた。同団体はこの地域で牧畜とカカオ栽培の収入を比較する調査を実施した。

環境面にも恩恵がある。カカオ農園は自然林を模倣でき、在来の植物や野生生物の種の回復、水資源の増加、二酸化炭素の吸収に役立つと、ゴンサルヴェス氏は述べた。

「これは多年生作物です」と同氏は言う。「何十年もそこに残ります。」

環境団体からの資金援助には、農園の生態学的な恩恵を高めるための指針が付されていると、パラー州中央部でアマゾン基金の助成金を受けている農家のジョゼ・ガルシア氏は語る。

その条件により、マホガニーやイペーなど、背の高い在来種と一緒にカカオを植える必要があるという。

「日陰の恩恵を受けられるよう、カカオはほかの木、つまりもっと背の高い木と一緒に植えることが推奨されています」と、同氏はパラー州メディシランジアの農場で語った。

「カカオ買います」

メディシランジア地域では、変化の兆しが至るところに見られる。不毛の牧草地に代わり、黄色やルビー色のさやをつけたカカオの木が日陰をつくる農園が広がっている。さやはカカオ豆を包む繊維質の保護膜だ。

パラー州の低地にある、未舗装道路が走る町メディシランジアでは、農家が乾燥カカオ豆の袋をトラックで運び、「カカオ買います」と看板を掲げた倉庫へ持ち込む。

近くの店では、果実の果肉から作った、濃厚で甘いカカオジュースをキンキンに冷やして提供している。

ブラジルは農業大国で、大豆、トウモロコシ、砂糖、コーヒー、オレンジの生産量は世界でもトップクラスだ。しかし、ウィッチズブルームによって生産量が激減し、1990年代初頭にはカカオ生産で世界第2位だった地位を失った。

しかしパラー州では、ウィッチズブルームが木に被害を与えるほど長く生き残ることはまれだ。この菌は湿潤な環境を必要とし、毎年の乾季に大部分が死滅する。その結果、パラー州のカカオの木の収量は世界平均のほぼ2倍だと、AIPCのバストス氏は述べた。

ブラジルがこの追加生産分の一部を吸収できることを示す証拠もある。ユーロモニター・インターナショナルによると、ブラジルのチョコレート消費量は1人当たり年間わずか1.2キログラムで、スイスの8.8キログラムと比べて少なく、ブラジル国内のチョコレート市場には成長の余地があることを示唆している。

カカオ豆をバターや粉末、チョコレートに加工するブラジルの加工会社は、工場向けの国内供給が増えて輸入を減らせる見通しを歓迎する一方、懐疑的な見方も示している。

たとえば、オラム・インターナショナルのブラジル担当カカオ副社長キダンビ・スリニヴァサン氏は、市場価格の上昇と、資金調達、研修、資材などの分野で生産者への支援が増えない限り、年間40万トンという目標は「実現の可能性が低い」と述べた。

ニューヨークの指標カカオ価格は現在、1トン当たり約2,500ドルで推移している。世界的な供給過剰への懸念から2017年に記録した10年ぶりの安値、1トン当たり1,756ドルから反発した。

ブラジルの大手加工会社には、イリェウスに年間8万5,000トンの工場を持つカーギルや、工業用チョコレートの世界最大手で、2010年にブラジルで南米初のチョコレート工場を開設したバリー・カレボーもある。

牧場主から農家に転じた人々の中には、牧畜がアマゾンに与えた被害の一部を修復できる機会を、カカオで得られる収入と同じくらい大切に考える人もいる。

「ここに来るべきではなかったと思った時期がありました」と、エリド・トレヴィザン氏は語った。1972年に牧畜を営むためパラー州に移り、土地のほぼ100%を切り開いたという。

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