政府がデータイノベーションを農業分野の活性化にどう活用しているか

Quality datasets are increasingly valued as part of agriculture innovation.
Quality datasets are increasingly valued as part of agriculture innovation.Image: Reuters/Anindito Mukherjee
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  • 高品質なデータセットは、農業イノベーションの一部として価値が高まっている。

  • 政府は、必要なデータエコシステムを発展させるうえで独自の立場にある。

  • インド、UAE、バングラデシュは、公共部門が農業におけるデータ活用を推進している事例である。

データおよびそこから導かれるインサイトは、農業および食料システムにとって極めて重要なものとして、ますます認識され活用されつつある。世界経済フォーラムのAI4AI イニシアチブの一環として、コミュニティの関係者は、ラウンドテーブルやワークショップを通じて、農業分野のイノベーションを可能にするうえで、わずかな高付加価値データセットでも重要であることを改めて強調した。評価の全体像は以下の図に示すとおりである。線が太いほど、データセット(右側)と提供されるデジタルサービス(左側)との依存関係および結びつきが強いことを示す。

堅固なデータは、農業サービスの提供拡大につながる。Image: PwC

国際連合食糧農業機関(FAO)は、2050年までに世界の食料生産需要の90%が、農業研究の進展に基づく耕地の収量増加によって満たされると予測している。デジタル農業とイノベーションは、この解決策の一部となる。政府は、政策・法律を制定し、標準策定を可能にし、資源を配分する能力を有しているため、この変革を主導するうえで独自の立場にある。オープンデータやその他のデータセット、そしてAIなどの新興技術を活用するにあたり、いくつかの政府は民間部門と緊密に連携しながら、責任あるエコシステムを発展させるための取り組みを積極的に進めている。これには次の国々における取り組みが含まれる。

インド

インドにおける身分証明および決済に関するデジタル公共インフラからの知見を踏まえ、インド政府は現在、Agri Stack(農家向けデジタルサービスを促進するためのデジタル農業エコシステム)の開発に取り組んでいる。質が高く検証されたデータセットの重要性を認識し、このイニシアチブでは、農家、農地、作物に関する3つの中核的なレジストリを構築している。想定されているユースケースには、クレジット・金融サービスへのアクセス改善、効率的なサプライチェーン管理、市場とのつながりの強化、そして天候、最適な収穫時期、作物や農薬の選択などの変数に関する精緻な助言へのアクセス改善などが含まれる。

インド農業省の最高ナレッジ責任者であるRajeev Chawla氏は、次のように述べている。「農業は複雑なエコシステムである。課題に対処するには、多くの関係者が協働する必要がある。Agri Stackは、データ、政策・規制、データ交換、および同意の仕組みで構成される一連の基盤であり、民間部門の関係者がデータセットにアクセスし、イノベーションを創出できるようにすることを目的としている。当初は次の3つの基本的な問いに対応している。あなたは農家ですか。あなたはどの農地を所有していますか。あなたはどの作物を栽培していますか。」

国の政府の取り組みを補完する形で、インドの複数の州政府は、オープンデータ農業ポータルを運営するとともに、データ共有に関する取り組みも進めている。

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アラブ首長国連邦

アブダビ農業食品安全局は、農業および食品分野で50のAIソリューションを導入する過程にあり、土壌、天候、作物などに関わる250以上の重要な指標を測定している。これにより、先手を打って行動し、是正措置を講じ、農業および食品分野におけるデータの効果を最大化することを目指している。

アンケートによる手作業でのデータ収集、リアルタイムデータの収集が限定的であること、複数の公共・民間部門の主体にまたがるデータの分断、そして実測値ではなく推定値を予測に用いる場合があることなどが、真のデジタルシステムへの移行における大きな障壁として挙げられた。これらの課題に対処するとともに、データおよびAI倫理に重点を置き、強固な官民パートナーシップを構築することが極めて重要であると考えられている。

「本イニシアチブによって想定される成果は、生産性の向上、内部効率の改善、資源(土壌、水、種子、農薬、労働力を含む)の最適化、環境への負の影響の低減、家畜の健康の改善、そして農家の生計の向上である」と、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ農業食品安全局でデータおよびAI担当ディレクターを務めるAisha Alshamsi氏は述べている。

バングラデシュ

農業はバングラデシュにとって重要な分野であり、政府は、同分野のデジタル変革のためにデータを活用すべく、第4次産業革命(4IR)技術の導入を積極的に推進してきた。国家データガバナンスの枠組みの整備から、複数の省庁が連携して30を超えるデータセットの基礎レジストリを構築することまで、政府はモジュール型で相互運用可能なスマート農業スタックの開発に取り組んできた。デジタル公共インフラを整備することで、バングラデシュは、技術とイノベーションの恩恵が、生産性の向上、コストの削減、そして農家の所得増加につながることを確実にしたいと考えている。

デジタル公共インフラの開発・展開から、農業分野を変革するための新興技術への積極的な投資に至るまで、世界各国の政府は、イノベーションを実現するために民間部門と緊密に連携している。政府は、データレジストリを構築し、データの責任ある収集、共有、活用に関する政策を立案するうえで最適な立場にある。同時に、すべての関係者に公平な利益をもたらすため、技術への適切なアクセス、データガバナンスへの認識、そして農家および農業テック産業によるデジタルサービスの導入についても検討する必要がある。

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