中国がまもなく世界一の旅行先になる理由

The shadows of spectators are seen through a Chinese national flag during the men's kayak (K1) semifinal at the Beijing 2008 Olympic Games August 12, 2008. REUTERS/Phil Noble (CHINA) - BR2E48C0SY2EC
By 2030 China is predicted to overtake France as the world's top tourist destination.Image: REUTERS/Phil Noble
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ロワール渓谷やエッフェル塔のことは忘れてください。2030年までに、黄山や上海タワーが世界の旅行者の行きたい場所リストの上位を占め、中国はフランスを追い抜いて世界一の観光目的地となるでしょう。

世帯所得の上昇に伴い、今後10年間に海外旅行をする中国人は、他のどの国籍の人々よりも多くなると、ユーロモニター・インターナショナルの「旅行の未来を形づくるメガトレンド」レポートによるといいます。

ロンドンで開催されたワールド・トラベル・マーケットで、ユーロモニター・インターナショナルの旅行部門責任者キャロライン・ブレムナー氏は、「中国のような目的地は、インバウンド観光で好調な実績を上げる態勢にあり、中国は2030年までにフランスを追い抜いて世界有数の目的地になる見通しです」と述べました。

同レポートは、次の10年の終わりまでに中国への年間入国者数は1億2,700万人に達し、フランスの1億2,600万人、米国の1億1,600万人を上回ると推計しています。

中国は2030年までにフランスを追い抜き、最大の観光目的地となるImage: ユーロモニター・インターナショナル

アジアの観光が拡大

レポートの執筆者であるウォウター・ヘールツ氏によると、今年は世界で14億回の旅行が見込まれ、昨年比で5%増となり、旅行の総売上高は約2兆5,000億ドルに達する見通しです。

アジア各地の旅行は特に急成長しており、東京オリンピックや北京冬季大会など今後のスポーツイベントが地域の魅力を高めることで、インバウンド、アウトバウンドの双方が増加しています。さらに、「急速に成長する経済と拡大する中間層が、増加する可処分所得を旅行に使おうとしている」ことも追い風となっています。

ヘールツ氏は、技術がこの成長を大きく後押ししていると述べています。「CtripやFliggyなどのオンライン旅行仲介業者は、現在、中国の旅行を支える存在です。一方、日本や韓国ではJTBやHanatourなどの従来型の旅行仲介業者が、常時接続している消費者の需要に応えるため、オンラインチャネルに積極的に投資しています。」

デジタル技術がアジアの旅行・観光を後押しImage: ユーロモニター・インターナショナル

「ビザ規制が段階的に緩和され、地域内の旅行が容易になりました。アジアへの到着者の80%は域内からです」と同氏は付け加えます。

魅力的な目的地であると同時に、旅行者の送り出し元としても拡大する新興観光市場としてのアジアの位置づけは、世界経済フォーラムの2017年旅行・観光競争力レポートにも表れています。

同レポートは、2016年から2026年にかけてレジャー旅行支出が最も急速に伸びる上位10の目的地として、インド、アンゴラ、ウガンダ、ブルネイ、タイ、中国、ミャンマー、オマーン、モザンビーク、ベトナムを予測しました。

中国の観光誘致力

アジアの中でも、中国では観光が最も大きく成長しており、海外旅行者数は2030年までに2億6,000万人に達する見通しです。2030年までに最大のインバウンド市場となるだけでなく、国内旅行も急増しています。国内旅行は2023年までに67億回となり、2018年の47億回から増加する見込みです。

中国人の海外旅行が今後10年で急増する見通しImage: ユーロモニター・インターナショナル

ヘールツ氏は、「観光は中国経済の重要な柱です。観光に配慮した政策や取り組みに加え、インフラと基準の改善に多額の投資が行われてきました」と述べました。

フォーラムの2017年指数で、中国は順位を2つ上げて15位となりました。その背景には、際立った自然・文化資源に加え、国際社会への開放性が高まったことがあります。

ただし同レポートは、「環境の持続可能性への対応」(中国の順位は132位)を強化し、「独自の自然資源を確実に保全する」ことで、競争力を高められるとも指摘しました。

その後、中国は旅行産業への取り組み方を変え、持続可能な観光へと移行しています。

2017年、中国国家観光局は「全域観光」モデル地区に関する指針を定め、地域経済の活性化に向けて、地方政府に観光競争力とサービス品質の向上を促しました。

ヘールツ氏は、「中国は方針を転換し、保全、文化の多様性、自然環境を、一体感のある観光サービスを構成する重要な要素として捉えています」と述べています。

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