ビッグデータ:どこまでが多すぎるのか?

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ビッグデータによって、近い将来、公共政策、金融商品、医療、教育を個人のニーズに合わせられるようになるかもしれません。しかし、自分により関連性の高い製品やサービスのために、プライバシーを犠牲にする覚悟はあるでしょうか? Grupo ExpansiónのCEOであり、情報・エンターテインメントに関するグローバル・フューチャー・カウンシルのメンバーでもあるマヌエル・A・リベラ・ラバ氏が、新たなデジタル時代の可能性と落とし穴について語ります。

現在、デジタル情報をめぐる状況はどうなっていますか?

人々がデジタル情報にアクセスするためのインフラは、誰もが想像していた水準を超えています。誰もがデジタル端末を持つ時代に、少しずつ近づいています。その結果、以前は得られなかった利用者に関する膨大なデータを、今では保有するようになりました。

今後数年で、どのデータを何のために使うのか、問われるようになると思います。体験はリアルタイムで、より個人に合わせたものになっています。ビッグデータを使えば、あらゆるものを状況に即したものにできますが、どこまで推し進めるべきでしょうか。人々が気づかないうちに情報を集めることも多いなか、より本人に合ったものを提供できるとしても、情報収集にはどのような限界があるのでしょうか?

注目すべき主な潮流には、どのようなものがありますか?

一つは自然言語です。オンライン上の会話を聞き取り、それをデータに変換できます。技術はすでに存在しています。怖さもあるため、私たちはまだ本格的に活用していません。今こうしてSkypeで会話をしていると、その後Facebookを開いたときに、話題にしていたものの広告が表示されることがあります。

データの膨大な量についても、引き続き注視する必要があります。これほど大量のデータがあるのに、処理の仕方を知っている人はいません。つい最近聞いた話では、今後2か月間で集める情報の量は、それ以前に存在したあらゆる情報を合わせた量を上回るそうです。

もう一つの潮流は機械学習です。あなたの端末は、あなたがどんな人で、何を大切にしているのかを日々学習しています。あなたの人生がダウンロードされているのです。もちろん、これには大きなリスクがあります。いつか技術的な不具合が起き、私たちの生活が端末内の情報に依存しているとしたら、非常に危険な事態になりかねません。

この「デジタル上の不具合」とはどのようなもので、どんな結果を招くのでしょうか?

本来もっと話し合うべきことなのに、あまり話題になっていないのかもしれません。自分の暗証番号、銀行口座番号、電話番号を覚えていますか?私たちは端末が代わりに覚えていると期待しています。端末がすべて把握していると思い込んでいるのです。

不具合が起きれば、画面に表示されていた番号が消えてしまいます。暗証番号は端末に保存していたため思い出せず、電話番号もすべてオンライン上にあるので、誰に電話すればよいのかさえ分からないかもしれません。

保険、医療、貯蓄なども同様です。ペーパーレス化を進める大きな動機があり、そうする人はますます増えています。しかし、ある日すべてのデータが失われたり、漏えいしたりしたらどうなるでしょうか?

Image: REUTERS/Axel Schmidt

この問題に取り組むため、あなたのカウンシルには何ができると思いますか?

私たちのグローバル・フューチャー・カウンシルは、今後10年間に何が起こるかを探り、これから訪れる事態に備えるロードマップをつくる機会を生かすべきです。政府や起業家とともに、こうした技術に関する計画を示せば、それを各自の戦略計画に取り入れることに前向きになるかもしれません。

適切な対策を講じなければ、プライバシーの問題やデジタル・デバイドはさらに深刻化する可能性があります。オンライン上のプライバシーをめぐる議論は今後さらに大きくなるため、この問題に対処することが重要です。人間は、新しいものが必要になるまでは、それにうまく適応できません。

2030年には、どのような状況になっていると思いますか?

私たちの日常生活はまったく違ったものになるでしょう。仕事、教育、そして「その場にいる」ということの定義そのものが変わります。対面での体験の価値は、今よりずっと高まると思います。ライブでの体験は、金銭面だけでなく、人間的な価値という面でも、より価値あるものになるでしょう。

デジタルへのアクセスは、電気のような存在になるでしょう。ほぼ誰もが利用できるようになり、当たり前のものになるため、その重要性は薄れるでしょう。しかし、利用できないごく少数の人々は、以前よりもはるかに多くの機会を逃すことになります。私たちのつながった端末を通じて多くのことが行われるようになり、接続されていないことが問題になるでしょう。

世論調査は大きく変わる可能性があります。最近、世論調査が間違った例をいくつか見てきましたが、オンラインデータを使えば、人々が最終的にどう投票するかを、はるかに正確に把握できるかもしれません。

公共政策もデータを基に形づくられる可能性があります。検索パターンのデータを使えば、人々が理想の住まいをどのように思い描いているかが分かります。それに合わせて、公営住宅プログラムや住宅取得ローンを設計できるでしょう。データを調べれば、人々が本当に大切にしていることを理解し、それに基づく政策をつくることができます。

世界がそれを受け入れる準備ができているかは分かりませんが、そうした予測を極めて高い精度で行うツールは、すでに存在します。

プライバシーについてはどうでしょうか?

人々は自分のプライバシーにあまり注意を払っていません。画面に膨大な法律文書が表示されると、法律用語を読んで眠くなってしまうので、「同意する」をクリックしてしまいます。人々は境界が侵されていないと確かめたいと思っていますが、その境界がどこにあるのかさえ分かっていません。

一つの案は、明確な箇条書きを示すことです。「このネットワークは公開されており、世界中の人が永久に見ることができ、ある意味ではもう自分のものではないと理解していますか?」といった内容です。人々が認識できるようにするのです。インターネット上で自分の情報を公開したくないのであれば、投稿すべきではありません。それが現実です。

2030年に何が実現していてほしいですか?「願い事リスト」には何を挙げますか?

いくつかあります!情報がリアルタイムで、自分に最も関係の深い形で届けられるようになることです。たとえば討論会の翌朝、私のコンピューターが私の関心事項を把握し、討論会のうちその部分だけを選び出してくれるのです。

医療の効率は大きく向上するでしょう。あなたの症例を世界中の何百万もの症例と数秒で比較できれば、より正確な診断と治療が可能になります。

こうした情報がすべて適切に活用、管理されれば、より良い世界をつくることができるでしょう。可能性は無限です!

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