旅客は減り、貨物は増える:コロナ禍で航空業界はどう変わりつつあるか

Two airline planes pass each other in the sky going opposite directions
A change of direction?Image: REUTERS/Darrin Zammit-Lupi
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  • パンデミックにより中古機の価値が急落するなか、航空会社各社は旅客機の貨物機への改修を急いでいる。

  • 2021年には、世界で旅客機から貨物機への改修件数が36%増加すると予想されている。

  • eコマースの拡大がこの流れをさらに後押しするとみられている。

エア・カナダから中国のCDBアビエーションまで、航空会社やリース会社は、eコマースの拡大に賭けて、パンデミックで中古機の価値が急落するなか、古い旅客機を貨物機へ恒久的に改修することを急いでいる。

こうした動きは、シンガポール・テクノロジーズ(ST)エンジニアリング、イスラエル航空宇宙産業(IAI)、米国のAeronautical Engineers Incなど、旅客機から貨物機への改修(P2F)を手掛ける企業にとって大きな機会を生み出している。

航空分析会社のCiriumは、世界の旅客機から貨物機への改修件数が36%増加して2021年に90機、2022年には109機に達すると予想している。

「2021年の枠はほぼ売り切れており、2022年も少なくとも40%は販売済みとみている」と、Ciriumのマーケットアナリシス部門責任者であるクリス・シーモアは述べた。「737-800やA321、さらにA330といった新世代機の改修プログラムが増えている。一方で、767のような旧型機も、ここ数年はAmazonが自社機隊を構築していることを背景に、依然として強い需要が続いている」

助言会社Ishkaによると、機種により異なるものの、今年に入ってから築15年の機体の市場価値は20%から47%下落しており、このことが貨物機への改修をより魅力的なものにしている。

エア・カナダはボーイング社製767の複数機を改修することを検討しており、ロシアのS7グループはリース会社GECASから最初の737-800改修貨物機を取得しようとしている。また、リース会社のCDBアビエーションは、ST EngineeringのEFW合弁会社(エアバスとの共同出資)に、エアバス製A330の改修を2機発注している。

作業員が旅客機の内部および周辺で、貨物機への改修作業を行っている。Image: REUTERS/ Ronen Zvulun

P2F改修は、コロナ禍で多くの航空会社が導入した、客席を取り外して貨物をより多く積めるようにする、より安価な一時的改修から一歩進んだものである。

恒久的な改修は、もともと低迷していた航空貨物需要が、消費者がeコマースに移行するなかで、今後数年にわたり堅調に推移するという財務上の賭けである。航空業界は、旅客輸送量が2019年の水準に回復するまで2024年までかかると見積もっている。

ただし、貨物市場は非常に変動が激しく、長期の低迷に見舞われることも多い。アナリストは、供給不足が短期間で供給過剰に転じかねないと警告している。

通常、世界の貨物の約半分は旅客機の貨物室で運ばれているが、需要の落ち込みにより、世界は専用貨物機への依存を強めている。

「2020年は貨物機の稼働率が過去最高を記録した。われわれの見方では、パンデミックはeコマース需要の増加に向けた長期的な構造変化を加速させた」と、CDBアビエーションのパトリック・ハニガン最高経営責任者は述べた。

ボーイングによると、パンデミックに伴う旅客便の混乱により、9月までの貨物の単価(イールド)は40%上昇した。また、同社は今後20年間の貨物機納入の60%超が、777のような新規の大型ワイドボディ貨物機ではなく、改修機になると予測している。狭胴型貨物機はほぼすべてが改修機である。

改修ブームは、旅客便の減少により失った事業の一部を補うことにもつながっており、航空整備・修理・オーバーホール(MRO)事業者にとっても助けとなっている。

こうした改修には、通常、機体の購入費に加えて数百万ドルの費用がかかり、3〜4カ月を要するとST Engineering Aerospaceのジェフリー・ラム社長は述べた。

同社は能力を拡大しており、来年はA321を少なくとも18機改修する計画で、将来的には年間25〜30機程度に増やす予定だ。今年の一桁台から大きく増加することになる。

「2021年の機体改修の枠は、すべて埋まっている」とラムは述べた。「最初に空きが出るのは2022年のかなり先になる」

ST Engineeringは、これまで旅客機を中心としてきたリース事業にも、改修済みの貨物機を追加する可能性があるとラムは述べた。

IAIは年間18機以上の767を改修でき、Amazon.com Incが使用する機体の大半を生産している。

「市場の需要に応えるため、多大な努力を投じている」と、IAI航空部門のゼネラルマネージャーであるヨセフ・メラメッドは述べた。同部門は、GECASとの15機の契約の一部として、大型の777-300ERについても初の旅客機から貨物機へのP2F改修に取り組んでいる。

「新型コロナウイルスの流行により、商業便は大幅に減少し……国際線はほぼゼロにまで落ち込んだ」と彼は述べた。「だから、貨物を運ぶ唯一の手段は貨物機であり、人々が在宅でオンライン注文をする傾向が続いていることからも、それは明らかだ」

米国のAeronautical Engineersでも改修需要が大幅に増加しており、同社の営業・マーケティング担当上級副社長であるロバート・コンベイは、機体価値が30〜40%下落していることを挙げて述べた。

「多数の旅客機が運航停止となり、近い将来に再び運航される可能性は低いため、より若い機体が改修されるようになっている」と彼は述べた。

カナダのKF Aerospaceで企業サービス担当副社長を務めるグラント・スティーブンズは、パンデミック前には同社事業の約10%であったP2F改修の需要が、現在は約半分にまで増加しており、これにより機体整備の依頼の減少を補えていると述べた。

「改修事業のおかげで、ほぼ全社員の雇用を維持できている」と彼は述べた。

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