食生活を変えれば、世界の動物を絶滅から救えるかもしれない

Hors D'Oeuvres, Mini Burgers, with aged Cheddar and Remoulade are pictured during the 86th Oscars Governors Ball press preview in Hollywood, California February 20, 2014. REUTERS/Fred Prouser (UNITED STATES - Tags: ENTERTAINMENT FOOD) - RTX197TX
Laura Kehoe discusses how to eat well in order to protect wildlife from going extinct.Image: REUTERS/Fred Prouser
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熱帯地域の広大な土地を農地に転換すれば、そこに生息する野生生物のほぼ3分の1が絶滅しかねないことが、新たな研究で示された。

アマゾンの熱帯雨林からザンベジ川の氾濫原に至るまで、集約的な単一栽培農業は、野生生物に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある。その影響は世界中に及ぶ。

野生生物が最も大きく姿を消すのは、ラテンアメリカとサハラ以南アフリカに残る森林や草原だろう。最も多くの種が失われるのはペルーのアマゾン流域で、農業開発によって最大317種が姿を消す可能性がある。

フンボルト大学ベルリンの博士課程研究者として、私は人間の食料消費や土地利用、それらが野生生物に与える影響を研究した。私たちの研究は7月17日付で『Nature Ecology and Evolution』に掲載された。

1970年以降、世界人口が倍増する一方で、鳥類、哺乳類、爬虫類、両生類の数は半分以上減少した。この広範な環境破壊の根底には、種としての人類の増加と、生活を支えるための食料消費の拡大がある。

気候変動が今後の自然保護活動に影を落とすなか、農業は野生生物にとって最大の脅威となっている。私たちはすでに、地球上の氷に覆われていない陸地の約75%を改変してきた。現在の道を進み続ければ、肉や乳製品など、より多くの資源を要する食品を求める世界人口の増加に食料を供給するため、作物の生産量を倍増させる必要がある。

危機にさらされるアフリカ

私たちの研究によると、サハラ以南アフリカは有害な農業開発のリスクが特に高い。この地域は経済、人口、農業の成長が交差する場所であり、農業の変化による潜在的な影響を最小限に抑えることが喫緊の課題となっている。

現在リスクにさらされている土地(つまり、自然の状態にあるが耕作可能な土地)のうち、将来の開発から保護されていない割合を考えると、懸念はさらに高まる。サハラ以南アフリカで農地拡大のリスクがあると特定した地域の5分の4は保護されていない。これはラテンアメリカで保護されている43%の半分にも満たない。

農地開発から土地を守ることは、地域の人々を飢えさせながら野生生物の生息地を保全することだと誤解する人もいるかもしれない。しかし、二者択一ではない。目指すべきは、地球上で最も生物多様性に富み独自性のある場所を保全しながら、栄養価の高い食料を十分に供給することだ。努力すれば実現できる。リスクが最も高い地域を事前に把握すれば、より持続可能な未来に向けた計画を立てやすくなる。

土地を保護することに加え、生物多様性への犠牲をほとんど伴わずに食料を生産することもできる。例えば、小規模農家による農業生態学的農法は、多様な作付け技術を用い、化学肥料や農薬を減らして、野生生物への影響をほとんど伴わずに、栄養価の高い食料を大量に生産できる。

農業生態学的な農法への理解を広め、地域の人々が土地を保有する権利を確保する必要がある。これは、大規模な外国企業が単一栽培農業のために土地を買い占めるのを防ぐ重要な一歩となる。

地域社会が農業生態学的な手法を取り入れることは、野生生物を絶滅に追いやることなく世界に持続可能な食料を供給するうえで、大きな効果をもたらす双方に利のある解決策だ。

政策立案者にできること

現在の大規模な自然保護計画は、過去の生息地の喪失や種の絶滅危惧状況などを考慮しているが、将来の土地利用の変化の可能性は考慮していない。野生生物の生息地に今後かかる圧力を、より適切に予測する必要がある。特に、早期に保全措置を講じる方が、農業による被害を修復しようとするよりも安価で効果的だからだ。私たちの研究は、そのための一歩となる。

Image: The Conversation

また、土地を保護し、持続可能な食料生産の方法を見つけるための自然保護活動に、より多くの支援を必要とする国々も明らかにした。スリナム、ガイアナ、コンゴ共和国はその一例にすぎない。ラテンアメリカやサハラ以南アフリカには、農業成長率が高く、自然保護への投資が少なく、農業開発によって失われる可能性のある種が非常に多い国が複数ある。

農業需要の大半は富裕国から生じているため、そうした国々は持続可能な農法や地域主導の自然保護活動に関する教育と支援を提供すべきだ。

あなたにできること

こうしたことを踏まえると、野生生物を傷つけずに健全な食生活を送るにはどうすればよいのか、という問いが浮かぶ。子どもの数を減らすことを除けば、今すぐ誰もができ、ほかのどんな行動よりもはるかに大きな影響をもたらす簡単な一歩がある。穀物で育てた牛の肉を食べるのをやめることだ。

家畜に穀物を与えて人間の食事にすることの非効率さは、動物性食品に偏った食生活が地球の資源に特に大きな負荷をかける一因だ。例えば米国では、牛肉1キログラムを生産するのに穀物25キログラムが必要だ。豚肉では穀物と肉の比率が9対1、鶏肉では3対1となる。

質の良い食べ物を皿25枚分捨てて、牛肉を皿1枚分得ることを想像してほしい。ばかげた話であり、もし大規模に行われればニュースになるだろう。しかし、資源を大量に要する肉を食べることで、私たちはまさにそれを知らず知らずのうちに行っている。人気の高い肉の多くで穀物と肉の比率が異常に高いことを考えると、食品廃棄に関する記事は論点が中途半端に思える。

農家が環境にほとんど損害を与えずに家畜を飼育する方法はある。特に、土地を過放牧せず、景観に樹木を残すことが重要だ。実際、遠隔地の中には、放牧牛が食料と栄養の重要な供給源となっている地域もある。残念ながら、穀物に大きく依存する工業型の肥育場モデルが、スーパーで売られる肉の圧倒的多数を占めている。私たちの研究が調査しているのは、こうした農業だ。

家畜と森林破壊

さらに問題なのは、家畜に与える穀物が熱帯地域の森林破壊を引き起こす最大の要因であることだ。そして、家畜は大食漢だ。私たちの飼育する牛、豚、家禽は、栽培される作物の3分の1以上を食べている。実際、米国だけで家畜に与えている穀物を人間が直接食べれば、さらに8億人を養える。これは、現在飢餓に苦しむ人々の数を上回る。

家畜はひそかに、パーム油産業の10倍の森林破壊を引き起こしているにもかかわらず、メディアで取り上げられる機会はおよそ10分の1に見える。持続可能でないパーム油を避けるのが賢明なのは確かだが、穀物で育てられた動物の肉を食べないことは、さらに効果的な自然保護策だ。

自然を損なわずに世界へ食料を供給することは、人類が直面する最大級の課題の一つだ。しかし、少し先を見通し、土地管理を改善し、食事を少し変えるだけで、解決策の多くは手の届くところにある。

野生生物のために、さあ、ベジバーガーを楽しもう。

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