世界貿易機関(WTO)は、COVID-19パンデミックによる景気後退が、金融危機よりも貿易に深刻な影響を及ぼすと予測した。
WTOは、世界貿易が最大3分の1減少する可能性があると警告した。
WTO事務局長のロベルト・アゼベド氏は、各国が協力すれば、早ければ2021年にも国際貿易は回復し得ると述べた。
世界貿易機関(WTO)は、COVID-19パンデミックが収束し、各国が協力すれば、モノの貿易は10年前の世界金融危機の際よりも今年大幅に縮小した後、2021年に回復すると予測した。
WTOは、健康危機が経済に及ぼす影響には不確実な点が多いため、幅を持たせた予測として、世界貿易は今年13%から32%減少すると述べた。金融危機の最中だった2009年には、貿易は12.5%減少した。
「この数字はひどいもので、どうしようもありません」と、WTO事務局長のロベルト・アゼベド氏は記者会見で語った。
金融危機、さらには1930年代の世界恐慌との比較は避けられないと同氏は述べた。しかし当時とは異なり、銀行は資本不足ではなく、経済の原動力もまずまず健全な状態にあった。
「パンデミックはエンジンへの燃料供給ラインを断ちました。燃料供給ラインが適切につなぎ直されれば、急速で力強い回復が可能です」と同氏は続けた。
各国が協力すれば、各国が個別に行動する場合よりも早く回復できる。また、金融政策、財政政策、貿易政策はすべて同じ方向を目指す必要がある。保護主義に転じれば、新たなショックを生むと同氏は述べた。
特に米国と中国の間の貿易摩擦により、昨年の世界のモノの貿易は0.1%減少した。
各国の首脳の中には、危機と医療用品の深刻な不足を理由に、生産を国内に戻すべきだと述べる人もいる。アゼベド氏は、どの国も真に完全な自給自足はできないとし、供給源を単一の地域や事業者に頼らず、多様化することが解決策だと述べた。
ジュネーブに本部を置くWTOは、2021年の世界のモノの貿易について、21%から24%の回復を予測していると述べた。回復の度合いは主に、コロナウイルスの流行期間と政策対応の有効性によって決まる。
今年はほぼすべての地域で貿易が二桁の割合で減少し、北米とアジアからの輸出が最も大きな打撃を受ける見通しだ。電子機器や自動車製品など、バリューチェーンが複雑な分野でも、より大幅な落ち込みが見込まれる。
WTOの予測にはサービスは含まれていないが、輸送や旅行の制限により、この分野の貿易がCOVID-19で最も大きな打撃を受け、モノの貿易にも波及する可能性があるとWTOは述べた。


