ポストパンデミック経済を支えるプライベート・エクイティ:3つの理由

Private equity can help SMEs overcome headwinds caused by pandemic.
Private equity can help SMEs overcome headwinds caused by pandemic.Image: Photo by Tim Mossholder on Unsplash
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  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックからの回復が進むなか、意義ある持続可能な経済回復は、再び中小企業(SME)によって牽引されるでしょう。

  • 中小企業は3つの傾向から不均衡に大きな影響を受けました。資材や物品のインフレ、「大量退職」、そして一世代に一度ともいえる投資ニーズです。

  • プライベート・エクイティ企業と提携することで、中小企業は構造的な逆風を乗り越え、公平な競争条件を実現できます。

75年にわたり、中小企業(SME)は世界経済の成長エンジンとなってきました。近年では、米国の新規純雇用の62%を創出し、発展途上国ではさらに多くを生み出しています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックからの回復が進むなか、意義ある持続可能な経済回復が再び中小企業によって牽引されることは疑いありません。

しかし、この危機は近年の歴史に類を見ないものでした。2020年第2四半期にマイナス36%だった米国の実質GDPが、第3四半期にはプラス30%へと急変したことは、現代の経済史に前例がありません。混乱の規模を考えれば、これは経済システムの回復力を示すものです。しかし、中小企業に不均衡に大きな影響を与え、その経済成長エンジンとしての役割を脅かす3つの傾向が際立っています。

中小企業に大きな逆風をもたらす3つの傾向

第一は、頻繁に見出しを飾るようになった、地政学的要因と脆弱な世界のサプライチェーンに起因する資材や物品のインフレです。最近の世界経済フォーラムの記事によると、米国のサプライチェーンの混乱は2020年のピーク水準に戻っており、引き続き大きな懸念となっています。特に大企業よりも仕入先の基盤が小さく、集中している中小企業にとって深刻です。

中小企業が直面する困難に拍車をかけているのが「大量退職」です。パンデミックによって深刻化した複雑な現象であり、労働者は個人的な悲劇、不確実で複雑な職場環境、燃え尽き症候群やメンタルヘルスの問題に対処しなければなりませんでした。中小企業への影響は2つあります。第一に、マーサーの最近の調査によると、最前線の労働者、マイノリティ、低い職位の従業員は退職する可能性が高く、こうした人材構成は中小企業でより一般的です。第二に、事業規模や採用ネットワークが小さい中小企業は、大企業に比べて希少な人材の獲得に苦労しています。

最後に、中小企業は一世代に一度ともいえる投資ニーズに直面しています。第4次産業革命に対応するには、企業は2023年までに推定6.8兆ドルのデジタルトランスフォーメーション投資を行う必要があります。同時に、経済の脱炭素化はすべての企業に影響し、高炭素分野に直接関わっていない企業にも投資が求められます。

この3つの傾向が相まって、中小企業には大きな逆風となっています。まさに中小企業に世界経済を支えてほしいときにです。どうすれば障害を乗り越えられるでしょうか。意外なところ、すなわち民間資本に答えがあるかもしれません。

中小企業の課題への答え

プライベート・エクイティ企業はすでに「ミドルマーケット」、つまり売上高が1,000万ドルから10億ドルの企業に積極的に投資しており、過去10年間で取引量を2.6倍超に増やしました。こうした取引が大きく報道されることはほとんどありませんが、プライベート・エクイティの活動の60%超を占めています。そして、この活動こそ中小企業にとって最も重要です。

Image: 2021年第2四半期米国PEミドルマーケット・レポート、2021年第3四半期米国PEレポート

プライベート・エクイティ企業と提携することで、中小企業は3つの方法で構造的な逆風を乗り越え、公平な競争条件を実現できます。

プライベート・エクイティ企業のネットワークに加わることで、仕入先ネットワークや調達のベストプラクティスを活用でき、収益性を最大10~20%向上させるとともに、より戦略的で強靱なサプライチェーンのパートナーシップを築けます。私自身の会社では、栄養補助食品メーカーと提携し、サプライチェーンを大幅に改善しました。取引上のコスト削減ではなく、長期的な仕入先との関係を構築したことで、パンデミックを通じて生産能力を倍増できました。

プライベート・エクイティ企業は、組織のあらゆる階層で人材へのアクセスを改善することもできます。上級幹部とプライベート・エクイティの所有者との利害がよく一致することは広く知られています。あまり語られていませんが、プライベート・エクイティ企業は採用担当者のネットワークを活用し、より多くの人材を引きつけられるよう会社の位置づけを変える支援もできます。投資先企業の一社では、技術者の配置方法を、単独での作業からペアでの作業へと変更しています。これにより回復力が高まるだけでなく、仲間意識が生まれ、優秀な人材にとって仕事の魅力も増します。この取り組みで数百人に上る欠員を埋めることができ、サービス需要に応じて事業を成長させ続けられています。

最後に、ほぼ定義上のこととして、プライベート・エクイティは中小企業が今日直面している投資課題への支援が可能です。良質なプライベート・エクイティのパートナーは、第4次産業革命や脱炭素化に向けて必要な変革に資金を投じられる、長期的な視点に立つ民間資本へのアクセスを提供します。また、バランスシートを効果的に整える支援もできます。これは、インフレの高進によってバランスシート上で遊休状態にある現金の価値がますます目減りするなかで、重要な差別化要因となります。

プライベート・エクイティの新たなアプローチ

これは、従来プライベート・エクイティとして知られてきたものより、持続性が高く協働的なアプローチです。しかし、ミドルマーケットでは自然な方法です。この分野では、創業者や一族、起業家が経営する企業が多く、短期的な利益ではなく、持続的な価値創出と遺産を求めています。

最新の分析によると、世界のプライベート・エクイティ企業は、投資先を待つ「ドライパウダー」資金を約1.2兆ドル保有しています。この数字は市場の過剰を示す指標としてしばしば挙げられますが、私は別の見方をしています。プライベート・エクイティが、COVID-19のパンデミックによって生じた逆風のなかで、経済の歴史的な成長エンジンを動かし、前向きな変化をもたらす準備を整えていることの表れです。

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