抗生物質へのアクセス拡大で5,000万人以上の死亡をどう防げるのか

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  • 2050年までに、薬剤耐性菌感染症による死亡者数は70%増加し、合計1億6,900万人に達する見込みです。

  • 大多数の人々が有効な抗生物質を入手できないなか、最も治療が難しい感染症の進行が、抗生物質の開発を上回るようになっています。

  • 抗生物質へのアクセスを改善すれば、2050年までに5,000万人以上の死亡を防げます。

抗生物質をより責任ある形で使用し、有効な新薬の開発を続けなければ、薬剤耐性菌感染症がいずれ人類を打ち負かすことになると、80年以上前から認識されてきました。今や、その転換点に達したようです。

新たな研究が「ランセット誌に掲載されました。薬剤耐性菌感染症で亡くなる人は、すでに数百万人に上る一方、30年以上にわたり比較的横ばいでしたが、今後は急増し始めると予測されています。2050年までに死亡者数は70%増加し、薬剤耐性に関連する死亡者の総数は驚くべきことに1億6,900万人に達する見込みです。

これまでは、既存の抗生物質を慎重に使用し、ワクチン接種などによって感染症そのものを防ぐことで、薬剤耐性の拡大を抑えてきました。しかし、この研究が明らかにするように、私たちはすでに最大の成果を上げています。大多数の人々が有効な抗生物質を入手できないなか、最も治療が難しい感染症の進行が、抗生物質の開発を上回るようになっています。

世界経済フォーラムは、医療制度の改善に向けて何をしているのでしょうか。

ヘルス&ヘルスケア・センターは、アクセス、公平性、レジリエンス、備えなど、世界各地の医療制度が直面する課題への理解を深めるため、リーダーたちをつなぎます。

信頼に基づく対話と官民連携を通じて、同センターはパートナーが共通の優先課題について足並みをそろえ、健康アウトカムの改善に向けた協働を進められるよう支援します。

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抗生物質への新たな取り組みが必要

新たな抗生物質の開発方法と使用方法に抜本的な変化がなければ、成果は次第に小さくなると考えるべきです。適切な抗生物質が開発されておらず、開発されても慢性的に十分活用されていないためです。

数十年にわたり、この世界的な薬剤耐性(AMR)危機に対する各国の取り組みは、抗生物質の使用制限を促すことに重点を置いてきました。過剰かつ不適切な使用が薬剤耐性を生む主な要因の一つだからです。しかし、使用不足も同様に要因となります。適切な抗生物質が使われなかったり、感染症が治療されないまま放置されたりすると、細菌が拡散して耐性を獲得する機会を与え、長期的には感染症の治療がより困難になります。したがって、責任ある使用が引き続き重要である一方、その効果は人々が適切な抗生物質を入手できるかどうかに左右されますが、世界の大多数の人々は入手できていません。

世界の大半で第一選択抗生物質を入手できない

世界の国々の80%では、有効な第一選択抗生物質へのアクセスが極めて限られており、最も強い耐性を持つ細菌を標的とする新しい抗生物質はさらに不足しています。その結果、薬剤耐性菌感染症による死亡者よりも、有効な抗生物質を入手できないために亡くなる人の方が多くなっており、これが薬剤耐性の増加と拡散をさらに加速させています。

とりわけ懸念されるのはグラム陰性菌です。抗生物質への耐性が特に強く、既存の治療手段では対応がますます難しくなっています。その理由の一つは、抗生物質の開発が数十年にわたって減少していることです。他の薬剤と比べて収益性が低いためです。しかし、開発されても、大半の人々は入手できません。半数に満たない1999年から2014年に市場に登場した新しい抗生物質のうち、10か国を超える国で入手可能になったものは半数未満で、その多くは富裕国でした。既存の治療薬が十分に使われず、有効な新薬の開発や提供も不足しているため、こうした細菌は蔓延し、薬剤耐性菌感染症に占める割合を増していくでしょう。

その結果、すべての人のリスクが高まりますが、とりわけ脆弱な人々への影響は大きく、かつては治療可能だった感染症もますます治療が難しくなります。人々の寿命が延びるにつれて、薬剤耐性菌感染症で亡くなる高齢者の数は急増すると予測されています。同様に、新生児は引き続き特に脆弱です。5歳未満の子どもでは薬剤耐性菌による死亡が大幅に減少していますが、これは小児予防接種へのアクセス改善を背景に、子どもの生存率が世界的に高まっている傾向を反映しています。死亡率の低下は5歳未満の子どもより新生児で大幅に遅く、ほとんどのワクチンを接種するには幼すぎることから、将来、AMR関連死の大きな割合を新生児が占めると予測されています。

海洋で発見された菌類が、新たな救命抗生物質を生み出す可能性
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抗生物質へのアクセスを改善する方法

こうした事態を防ぐためにできることは数多くあります。この研究が示すように、アクセスの改善がはるかに大きな効果をもたらし、2050年までに5,000万人以上の死亡を防ぎます。そのためには、規制の調和を促し、アクセスを妨げる経済的障壁に対処する世界的な解決策を推進する必要があります。また、各国のAMR国家行動計画に資金を提供し、その実施を支援することで、抗生物質の導入を後押ししなければなりません。

耐性によって失われた薬剤に代わる、グラム陰性菌に有効な新しい抗生物質の開発を継続し、人々がそれらを入手できるようにする必要もあります。産業界へのインセンティブは役立ちますが、それだけでは限界があります。適切な抗生物質を確保し、必要とする人々に届けられる保証にはなりません。そのため、官民パートナーシップも支援する必要があります。官民連携によって、公衆衛生上のニーズを最優先事項とし、抗生物質の開発のあらゆる段階でアクセスを考慮できるようになります。

これらを実現するには、まずAMRを世界的な優先課題として認識しなければなりません。第2回「AMRに関するハイレベル政治宣言」が今週、国連総会で各国の指導者により採択されたことで、私たちはそれを実現する機会を得ました。現在、薬剤耐性による死亡者はHIV/AIDSやマラリアを上回っていますが、投資はそのごく一部にとどまっています。今後の急増を踏まえれば、この状況を緊急に変える必要があります。

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