私たち全員が100歳まで生きるようになったら、何が起きるのか?

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今後数十年で100歳まで生きる人が例外ではなく当たり前になるとの予測があるなか、数週間前のダボス会議で長寿が新たなテーマとして浮上したのは驚くことではありませんでした。

私はその会議に参加し、「100年人生」をテーマにしたワークショップを主導するとともに、長寿時代の繁栄をテーマにしたパネル討論にも加わりました。どちらからも励ましを得ましたが、短期と長期の両方を見据えた計画と行動が極めて重要であることを、これまで以上に強く認識しました。

長寿を祝う

私たちが前例のない機会に直面していることは間違いありません。70歳を超える人が増え、彼らが積み重ねてきた知恵も社会にもたらされます。コロンビア大学公衆衛生学部長のリンダ・フリード氏は、ワークショップの冒頭でこう述べました。「健康で長く生きることで、どれほど多くの可能性が開けるか想像してみてください。働く機会、個人の目標を実現する機会、そして高齢になっても社会に貢献する機会が広がります。」

4世代、あるいは5世代が同時に生きる社会では、世代を超えた協働と結束のすばらしい機会が生まれます。93歳のヘンリー・キッシンジャー氏の深い知恵に耳を傾け、彼が満員の会議場で歴史の軌跡について語るのを聞き、不安や失望に直面する時にこの知恵がいかに大切かを改めて感じました。また、南カリフォルニア大学の医学・工学教授でパネリストのデビッド・アガス氏が指摘したように、40年分の経験を積み重ねた脳は負担ではなく財産です。

60歳以上の人が働き続けられるよう促す

健康長寿とは、引退という概念を引退させることです。実際、アンドリュー・スコット氏と私が試算したように、100歳まで生きる人が当たり前の世界では、80代まで働くことが標準になるでしょう。

ジョー・アン・ジェンキンス氏は、米国で3,800万人の会員を擁するAARPの最高経営責任者です。ワークショップで同氏は、こうした高齢者の多くがより長く働きたいと考え、年を重ねるとはどういうことかを問い直したいと話しました。同氏の印象深い言葉によれば、「70歳は新しい50歳ではありません」。経験、知恵、洞察力の点で、まったく異なるのです。

長く働く人生を支えることは、政府にとって重要な意味を持つと、パネリストでカナダ財務大臣のウィリアム・モルノー氏は指摘しました。カナダの政策は、再訓練を通じた生涯学習を支援する一方で、労働市場や、現在および将来どのような仕事が得られる可能性があるかについて、人々の理解を深めることに重点を置いています。長く働くことの利点が明らかになるにつれ、こうした政策は極めて重要になります。

同じワークショップで、デビッド・アガス氏は、60歳を過ぎて働き続ける年数が1年増えるごとに、アルツハイマー病になる確率が3%低下することを示す研究を紹介しました。医療費が企業支出の現在17%を占める米国のような国では、これは非常に重要です。さらに、異なる年齢層が働くチームが生産性と創造性にもたらす利点は、企業にとって広く実証されています。

個人主義は答えではないと認識する

しかし、長い人生は孤立して送るものではありません。デビッド・アガス氏が指摘したように、あらゆる証拠が、人とのつながりは健康を増進し、孤立は活力を損なうことを示しています。

長い人生において、強く、前向きで、長く続く人間関係は欠かせません。家族という枠組みも同様です。個人主義が強まる世界では、互いに支え合うことの価値を忘れてはなりません。

しかし、国連人口基金(UNFPA)のババトゥンデ・オソティメヒン氏が注意を促したように、家族の形は変化し、私たちの生活では人間関係や人を育む役割の優先度が下がっています。

長寿をめぐる格差に取り組む

多くの人が、長寿をめぐる格差に取り組む必要性を語りました。現在、先進国では富裕層の平均寿命が貧困層より12年長くなっています。置かれた状況にかかわらず、誰もが長寿を機会とするにはどうすればよいのでしょうか。

ウィリアム・モルノー氏によれば、これはカナダ政府の最優先課題です。活力を支え、年金危機に対処し、人々がより長く働けるよう支援するとともに、低所得で年を重ねることへの不安を和らげ、就労を促すにはどうすればよいか。カナダが複数の年金改革を推進してきたのはそのためです。

行動の必要性を訴える

長寿に伴う課題に対処する責任は誰にあるのでしょうか。ワークショップでもパネル討論でも、それは人々が自分の人生をどう生きるかを選ぶことから始まるという見方が示されました。ババトゥンデ・オソティメヒン氏が述べたように、現在、私たちの健康は商業やビジネスに左右されていますが、本来は個人が主導すべきです。同氏は、誰もが基本に立ち返り、自分自身の可能性を自覚すべきだと考えています。この自己決定の考え方は、アジア太平洋国際学園の校長リン・コバヤシ氏も示しました。生涯学習について、同氏が掲げる信条は、自ら責任を持つこと、行動するための計画を立てること(たとえ不安があっても)、そして情熱と目的をもたらす生き方を見つけることです。

行動のきっかけは「ナッジ」から生まれることもあります。日本のみずほフィナンシャルグループの社長兼最高経営責任者、佐藤康博氏は、従業員が運動量を測定し、運動量を増やすと地域で使えるクーポンを受け取れるプロジェクトを同社が開始したと説明しました。

社会、政府、企業が迅速に動き、革新的な解決策を見つけることが極めて重要だという点で、私たちは一致しました。政府は年金危機と急速に変化する労働市場への不安に対処しなければなりません。企業は年齢に関する固定観念を捨て、人生のどの段階でも人々が貢献できる柔軟性を促す必要があります。市民社会は、より強い家族、近隣関係、地域社会を支えなければなりません。イェール大学ガバナンス・ラボを率いるベス・ノヴェック氏は、人間の創意工夫と大規模なデータセットを組み合わせることで、政策の変更と行動が実現しやすくなると考えています。同氏が重視するのは、試行と失敗をより速く繰り返すことです。たとえば、オンライン環境で200人とともに6週間にわたって政策立案の取り組みを行い、機動性と多様性の両方を高めました。

何よりも重要なのは、関係者間、そして世代間の対話を生み出すことです。ダボスのコミュニティは、2017年の対話を始めるのにふさわしい場でした。

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