米国はイタリアを抜き、コロナウイルス関連の死者数が世界最多となった。
感染拡大の開始以来、国内の死者数は2万人を超えている。
しかし、保健専門家は、入院率や集中治療室(ICU)への入室者数の低下を、ソーシャルディスタンス措置が効果を上げている兆候として挙げている。
ロイターの集計によると、米国は土曜日、報告されたコロナウイルスによる死者数が最も多い国となり、イタリアを上回った。感染拡大が始まって以来、死者数は2万人を超えている。
この痛ましい節目は、感染者が50万人を超えた米国で、ドナルド・トランプ大統領がいつ通常の生活に戻り始められるかを検討するなかで訪れた。
米国では流行開始以来、死者数が最も多い日が続いており、直近4日間は1日あたり約2,000人の死亡が報告された。最多の死者はニューヨーク市とその周辺で確認されている。この数字でさえ過少とみられている。ニューヨーク州は、自宅での死亡急増を公式統計にどう反映するのが最善か、なお検討している。(図表:tmsnrt.rs/2w7hX9T)
公衆衛生の専門家は、企業を閉鎖し、米国民の大半を屋内にとどめてきた前例のない外出自粛命令が、月末の期限切れに伴って解除されれば、米国の死者数は夏の間に20万人に達する可能性があると警告している。
しかし、学校閉鎖や、必要不可欠でない労働者をおおむね自宅にとどめる緊急命令など、制限措置の大半は、大統領ではなく州知事に与えられた権限に基づいている。
それでもトランプ氏は、できるだけ早く生活を正常に戻したいと述べている。また、新型コロナウイルスが引き起こすCOVID-19の拡大を抑えるための措置には、それ自体に経済面と公衆衛生面のコストが伴うとしている。
土曜夜、フォックス・ニュースとの電話インタビューで、トランプ氏は「かなり近いうちに」判断を下すと述べ、「非常に聡明な人々、多くの専門家、医師、経営者」の助言に基づくとした。
「直感」も判断に影響すると述べた。
「人々は戻りたがっている。仕事に戻りたがっている。国を立ち直らせなければならない」と同氏は述べた。
トランプ氏の通商顧問ピーター・ナバロ氏はフォックス・ニュースに対し、ウイルスを「根絶」するまで経済と社会を停止することだけが人命の損失を最小限にする方法だとする「純粋主義的な医療専門家」の主張は、「半分は正しい」と述べた。
同氏は「それによってウイルスによる直接の死者は最小限に抑えられる」と述べた一方、経済的ショックも、うつ病や自殺の増加、薬物乱用を通じて人々の命を奪うと付け加えた。
「ですから、この大統領が下そうとしている非常に難しい決断は、どちらの道がより大きな損害をもたらすのか、バランスを見極めることです」
ニューヨークでは、州知事とニューヨーク市長が、いまや世界的な感染の中心地となった同市でのウイルス対策をめぐり、再び対立した。今回は学校閉鎖をどれほど続けるかが争点となった。
ニューヨーク州は、特にカリフォルニア州など他の地域よりソーシャルディスタンスの制限導入が遅れることもあった。また、ニューヨーク州の最も有力な2人の公職者は、ともに民主党員だが、管轄権や特定の措置を表す適切な用語をめぐって意見が食い違うこともあった。
2人が公の場に一緒に姿を見せたのは、3月2日が最後となっている。
土曜朝、ビル・デブラシオ市長は、ニューヨーク市の公立学校は4月20日に再開せず、学年度末まで休校を続けると発表し、「そうするのが正しいことだ」と述べた。
しかしその後、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、注目を集める毎日の記者会見で、市長の決定を単なる「意見」として退け、学校閉鎖については自ら判断すると述べた。
広範なソーシャルディスタンス措置を推奨する現行の連邦指針は、4月30日まで続く。11月の再選を目指すトランプ氏は、その後、措置を延長するか、人々に仕事への復帰と、より通常に近い生活を促し始めるかを決めなければならない。
トランプ氏は、新たな諮問委員会を、おそらく火曜日に発表すると述べた。州知事の一部も参加し、経済再開の手順に焦点を当てるという。
過去3週間に失業給付を申請した米国民の数は1,600万人を超えた。先週の新規申請は、週間で2週連続の600万人超となった。
政府によると、3月に経済から失われた雇用は70万1,000人分に上った。これは大不況以来、最大の雇用喪失であり、2010年後半に始まった米国史上最長の雇用拡大に終止符を打った。
人影のない教会
国土の90%以上が外出自粛命令下にあるなか、キリスト教暦で最も重要な週末の礼拝の大半は、家庭の信者に向けたライブ配信や放送となった。すでに資金難に陥っている教会も多く、例年なら献金が集まる時期に献金皿が使われないことが、財政をさらに圧迫している。
公衆衛生上の警告より礼拝の権利を優先するとして、営業を続ける一部の米国の教会は、イースターの日曜日に対面式の礼拝を行う予定だった。
しかし、希望の兆しも見えている。
政府の感染症対策の最高専門家であるアンソニー・ファウチ医師ら保健当局者は、特にニューヨーク州で、ウイルスによる入院率や集中治療室への入室率が低下していることを、ソーシャルディスタンス措置が効果を上げている兆候として挙げている。
ここ数週間に42州で導入された外出自粛命令は、商業活動に大きな打撃を与え、企業閉鎖や移動制限をどれほど長く続けられるのかという疑問を生んでいる。
影響力のある大学の研究モデルが、ソーシャルディスタンス措置の継続を前提に、8月4日までの米国の死者数予測を少なくとも10万人から6万人に引き下げたことを受け、トランプ政権は経済の早期再開を改めて論じた。
しかし、わずか30日で外出自粛命令を解除した場合、夏に感染者が急増することを新たな政府データが示している。これはニューヨーク・タイムズが最初に報じた予測で、国土安全保障省当局者も確認した。
金曜日、サンフランシスコで新たな感染拡大が報告された。ホームレス用シェルターの入居者68人と職員2人が陽性となり、国内のこうした施設で確認された感染クラスターとしては、これまでで最大級の一つとなった。
食肉加工会社JBS USAによると、コロラド州グリーリーの牛肉生産工場で従業員36人がウイルスに感染した。工場の労働者を代表する労働組合によると、従業員2人が死亡した。

