タブレットやスマートフォンの普及は、私たちの暮らし方を根本から変え、その多くは良い変化だった。しかし、スクリーンを見る時間が子どもに与える影響は激しい議論の的となっており、長時間の使用は心身の健康を損なうと主張する人も多い。
スマートフォンはある世代を破壊したという人もいる。また、画面に釘付けになることは、子どもにとってジャンクフードを食べるのと同じくらい有害だ、さらには画面は「デジタル・ヘロイン」のようなものだという人もいる。
親が心配するのも無理はない。世界経済フォーラムが最近実施した調査では、回答者の71%が、デジタルメディアの利用は8~11歳の子どもに問題を引き起こす可能性があると考えていると答えた。他の年齢層でも同様に高い割合が報告された。
しかし、新たな研究は、実際には私たちが考えるほど悪くない可能性を示している。スクリーンの見過ぎが10代の若者に及ぼす害は、朝食を抜いたり、十分な睡眠を取れなかったりすることより小さい。

オックスフォード大学とカーディフ大学の研究者らは、英国の15歳の若者12万人がデジタル技術を使った後にどのように感じたかを分析し、さまざまな機器を使った時間も調べた。
驚くことではないが、ほぼ全員(99.9%)が、日常的に少なくとも1種類のデジタル技術を利用していると答えた。映画やテレビ番組の視聴、コンピューターゲーム、インターネットやスマートフォンを使ったソーシャルネットワーキングやチャットなどが含まれていた。
研究者らは、デジタル機器を「適度」とされる時間を超えて使うと、ウェルビーイングに悪影響を及ぼす可能性があると結論づけた。ただし、その影響は小さく、朝食を抜いたり十分な睡眠を取れなかったりした場合に若者のウェルビーイングに及ぼす影響の約3分の1だった。
実際、ある程度までは、スクリーンを見る時間が増えるにつれて10代の若者のウェルビーイングも向上した。しかし、逆の傾向に転じる「転換点」があった。
オックスフォード大学オックスフォード・インターネット研究所の筆頭著者、アンドリュー・プジビルスキ博士は次のように述べた。「全体として、現代のデジタル技術の利用は、それ自体が有害なわけではなく、つながり合う世界において利点をもたらす可能性があることが分かりました。ただし、デジタル機器を使い過ぎたり、学業や放課後の活動を妨げたりしないことが条件です。」
どれくらいが使い過ぎなのか?
では、どれくらいが使い過ぎなのだろうか。子どものスクリーン時間の目安を知りたい親が、戸惑ってしまうのも無理はない。
ケンブリッジ大学の最近の研究では、わずか1時間の超過でも学業成績の低下と関連していた。
この研究で14歳の若者は、毎日、余暇の時間のうち4時間をテレビの視聴やデジタル機器の使用に費やすと答えた。しかし、それをさらに1時間上回る若者は、GCSE(英国の中等教育修了資格試験)の成績が低くなる可能性が高かった。
さらに、幼いうちからテクノロジーを使い過ぎると、脳の発達を損なう可能性があり、社会性の発達を妨げ、快感をもたらす神経伝達物質ドーパミンへの不健全な依存を引き起こすこともある。ドーパミンは、依存性を生み得る高揚感をもたらす。
この発見を受け、米コロラド州のある親が、非営利団体PAUS(未成年者のスマートフォン利用に反対する親の会)を設立した。同団体は州議会議員に働きかけ、13歳未満の子どもへのスマートフォン販売を禁止する法律の起草を求めている。
米国の子どもは、1日平均263分をスクリーンの前で過ごし、10代では1日391分に増える。

米国小児科学会はかつて、2歳未満の子どもにはスマートフォン、タブレット、コンピューター、テレビを使わせず、2歳以上の子どもについては使用を2時間以内に制限するよう親に勧めていたが、昨年、こうしたルールを緩和し、各家庭で独自の「家族のメディア利用計画」を作るよう助言した。
同様に、英国政府が最近出した助言も、時間の目安を定めず、健康的な生活習慣の一部としてスクリーン時間を含める「デジタル版1日5項目」を提案している。
子ども向けデジタル・シティズンシップ推進イニシアチブ「iZ HERO」の責任者、ユヒョン・パーク氏は、7項目からなる家族向けの枠組みを勧めている。これは、親がスクリーン時間を管理し、子どもが自ら自制心を身につけるのに役立つ。

デジタルメディアがもたらす良い影響
プジビルスキ氏は論文で、デジタル技術の利用時間がウェルビーイングに及ぼす悪影響への懸念が広がっている一方、この分野は「厳密に研究されてこなかった」と論じている。
最近、英国政府のサイバーセキュリティ機関の元責任者は、英国の子どもたちにもっとオンラインで過ごすよう促し、それによって「国を救う」ことができると述べた。同氏によると、英国はデジタル分野の競争相手に追いつくのに苦労しており、国がさらに後れを取らないよう、子どもたちは仮想世界を受け入れ、使いこなす必要があるという。
スクリーンを通じた体験はすべて子どもにとって同じように悪影響を及ぼし、良いオフライン活動に取って代わると考えるのは早計だという人もいる。
「子どもたちがデジタルメディアを使ってさまざまな前向きな活動をしていることは分かっています。多くの場合、それらは『現実の』活動を支え、またそうした活動に支えられています。大人と同じような形です」と、南フロリダ大学のサイバーセキュリティ教育助教、ネイサン・フィスク氏は述べる。
「子どもたちは誰もがそうするように、友人と過ごしたり、出来事を把握したり、娯楽や情報を探したりするためにオンラインにアクセスします。」

