たばこは健康と環境に害を及ぼす。どうすれば食い止められるのか

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  • たばこにより、世界で毎年800万人以上が亡くなっています。そのうち700万人は直接的に、120万人は間接的に命を落としています。

  • インドでは、たばこの消費と、それによって生じる廃棄物が深刻な問題となっています。

  • 人々の禁煙を支援し、環境への影響に対する責任を業界に負わせるには、政府の行動が必要です。

たばこは使用者の最大半数の命を奪います。毎年800万人以上が亡くなっています。そのうち700万人以上はたばこの直接使用が原因で、約120万人は非喫煙者が受動喫煙にさらされたことが原因です。

インド成人たばこ調査によると、インドでは約2億6,700万人(15歳以上の成人全体の29%)がたばこを使用しています。インドにおいて、2017~18年に35歳以上の人々の各種疾患についてたばこ使用に起因するとされた経済的損失の総額は、275億ドルに上りました。

口腔外科医として、臨床現場で最もよく見られる習慣はたばこの使用です。インドで最も広く使われているのは無煙たばこで、一般的な製品にはカイニー、グトカ、たばこ入りベテル・キンマ、ザルダがあります。喫煙するたばこにはビディ、紙巻きたばこ、水たばこがあります。形態を問わず、たばこの使用は社会経済的地位の低い層でより一般的です。噛みたばこ製品は一日中、時には一晩中、口の中(頬側前庭や頬袋)に入れておきます。

たばこ使用による健康リスク

私たちが診る患者の大半には、虫歯、歯の喪失、歯周病の兆候や症状が見られます。一方、たばこを長期間噛む人には、一般に「白斑」と呼ばれる白板症などの前がん状態が現れ、後に口腔がんへ進行することがあります。

噛みたばこには、少なくとも28種類のがんを引き起こす化学物質、すなわち医学的に発がん物質と呼ばれる物質が含まれていることが知られています。無煙たばこは、口腔、食道、膵臓など、さまざまながんと関連しています。たばことアルコールの摂取に起因する口腔がんの寄与リスクは、80%を超えると推定されています。

世界の口腔がん発生数のほぼ3分の1をインドが占めています。この割合は過去20年間で68%上昇し、インド人男性に最も多いがんとなりました。さらに、2030年には約26%増加すると予測されています。低・中所得国(LMIC)の口腔がん患者のおよそ10%は、治療できないほど進行した病状にあり、緩和ケアのみを受けることができます。

インドは2020年に口腔がん治療に約3億2,200万ドルを費やしました。今後10年間で、これは同国に32億ドルの経済的負担をもたらすことになります。

噛みたばこによるその他の健康リスク

噛みたばこによる口腔内の兆候や症状は顕著ですが、この習慣には同様に命に関わる健康リスクも伴います。妊娠中に無煙たばこを使用すると、早産や死産のリスクが高まる可能性があります。妊娠中に使用する無煙たばこ製品に含まれるニコチンは、出生前の赤ちゃんの脳の発達に影響を及ぼすことがあります。また、無煙たばこは心疾患や脳卒中による死亡リスクを高め、子どもにニコチン中毒を引き起こす可能性もあります。

たばこが環境に及ぼす影響

たばこ産業が環境に及ぼす有害な影響は甚大で、拡大し続けています。地球のすでに乏しい資源と脆弱な生態系に、不必要な負荷を加えているのです。たばこの栽培、製造、使用は、化学物質、有害廃棄物、マイクロプラスチックを含む吸い殻、電子たばこの廃棄物によって、水や土壌、海岸、街路を汚染します。たばこ栽培のために、毎年約350万ヘクタールの土地が損なわれています。たばこの栽培は、特に開発途上地域で森林破壊の一因となっています。

たばこ産業が環境に及ぼす有害な影響。Image: WHO

たばこの消費を防ぐために何ができるでしょうか?

たばこの使用を抑制する取り組み、啓発活動、早期発見に向けたあらゆる努力を、早急に強化する必要があります。

2007年、世界保健機関(WHO)は、需要削減に関する主要規定の現場での実施を拡大するため、実用的で費用対効果の高い方法として、たばこの規制に関するWHO枠組条約(FCTC)に基づくMPOWERを導入しました。MPOWERの6つの対策は次のとおりです。

たばこの使用と予防政策をモニタリングする。人々をたばこの使用から守る。たばこをやめるための支援を提供する。たばこの危険性を警告する。たばこの広告、販売促進、後援を禁止する。たばこ税を引き上げる。

世界経済フォーラムは、包摂的なグローバルヘルス・エコシステムの実現をどのように支援しているのでしょうか?

ヘルス・アンド・ヘルスケア・センターは、アクセス、公平性、レジリエンス、備えなど、世界各地の保健医療システムが直面する課題への理解を深めるため、リーダーたちをつなぎます。

信頼に基づく対話と官民連携を通じて、同センターはパートナーが共通の優先課題に足並みをそろえ、健康成果の向上に向けた共同の取り組みを進められるよう支援します。

同センターの取り組みを見る

禁煙は口腔がんのリスク低減につながり、5年以内にリスクが50%低下します。特に子どもや青少年を対象とする予防策を、早急に開始する必要があります。これは、インドのような発展途上国にとって重要です。こうした国々は、多国籍たばこ企業による広告や販売促進の宣伝活動の主な標的となっています。

たばこ産業と農家についてはどうでしょうか?

たばこ産業は環境を破壊しながら利益を上げています。環境破壊について責任を問われるべきであり、廃棄物や損害に対する費用を負担し、廃棄物の回収費用も含めて支払う必要があります。

また、たばこ栽培、乾燥、製造による環境への影響を減らしつつ、たばこ規制策の実施を継続するため、政府や政策立案者がたばこ農家を支援し、より持続可能な別の生計手段へ移行できるようにすることも重要です。

AIを活用した禁煙支援

フローレンスは、WHO初のバーチャル・ヘルスワーカーです。利用者との一連の対話形式の質問を通じて、フローレンスはその人とたばこの関係を理解し、応答を調整します。利用者の意見を取り入れて「個別の禁煙計画」を作成し、利用可能な最良の科学的知見に基づいて、禁煙の過程を通じた支援と助言を提供します。

禁煙による健康上の利点。出典:WHO。

たばこ消費の削減は、健康に直接関係する目標だけでなく、すべての持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた重要な手段として位置づける必要があります。主な責任は政府や政策立案者にあり、たばこ製品の廃棄物に伴う環境・経済コストを生産者に負担させるため、既存の制度の実施と強化を含め、法整備を進めなければなりません。

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