100万人の科学者と1億時間が政策決定を変革する可能性

Mobilizing scientists and forging relationships between the scientific community and policymakers will be key in building resilience to, and preventing, future global crises.
Mobilizing scientists and forging relationships between the scientific community and policy-makers will be key in building resilience to, and preventing, future global crises.Image: REUTERS
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  • 世界経済フォーラムのヤング・サイエンティストは、100万人の科学者が世界のリーダーと連携し、年間1億時間を活動に充てるよう呼びかけています。

  • 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、現在および将来の課題に対応するうえで科学がいかに重要かを示しています。

  • しかし、科学者と政策立案者の間に、信頼と透明性に基づくネットワークを通じた継続的な対話が引き続き必要です。

危機が起きる前に備え、さらには危機そのものを防ぐことができたらどうでしょうか。

科学はそれを実現するうえで欠かせません。しかし、将来のあらゆる危機への備えとレジリエンスを高めるには、科学者と政策立案者の対話をどのように促すかを見直すことが不可欠です。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、世界はその必要性を痛感しました。

科学者は必ずしも評価されているとは限らず、政策立案者との橋渡しや関係構築に時間を割く動機づけも十分ではありません。そうした取り組みがネットワークを生み、信頼を築きます。その結果、将来がどのような姿であろうと、それにどう向き合うかを話し合う場から、科学と科学者があまりにも頻繁に取り残されています。

100万人の科学者を動員し、これを解決するために年間1億時間を生み出すことができたらどうでしょうか。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、変化し、不確実で、進展し続ける状況のなかで難しい決断を担う人々にとって、科学と協働することがいかに重要かを示しました。政策決定に科学が必要だという認識は広がりつつありますが、それは一夜にして実現するものではありません。

優れた科学、すなわちそのデータ、理論、知見に基づく意思決定には、科学者と世界のリーダーとの対話が必要です。関係やネットワーク、そして何よりも信頼を築き、確立するには、そうした対話を長期にわたって継続する必要があります。

科学への信頼を築く

しかし、科学者がこれを実践するのは、さまざまな理由から難しいことが少なくありません。なかでも、現在の研究の卓越性を測る指標の要件を満たすよう、すでに大きな圧力を受けていることが挙げられます。

その結果、政策決定に生かされる科学的知見の幅が、その潜在力に届かない未来に直面しています。また、世界が抱える最も困難で複雑な課題に取り組むために可能であり、議論の余地はあるものの必要でもある、科学界の多様な視点を得られない未来にも直面しています。

こうした状況に至る道のりは、短くも簡単でもありません。関係構築には時間がかかり、状況にも左右されます。また、科学的知見や視点がもたらす影響は、直接的かつ測定可能な成果として現れないこともよくあります。

これは世界で最も信頼されている職業です
これは世界で最も信頼されている職業です
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前進するには、科学の卓越性を測り、評価する方法を変える必要があります。DORAイニシアチブとプロジェクトTARAは、硬直的で限定的な指標に依存することの課題を明らかにしてきました。その取り組みは、今後どのように進むべきかをめぐる世界的な議論を始動させました。この議論を継続し、主導し、さらに多くの注目を集める必要があります。

どのような議論でも、科学が現実世界にもたらす直接的・間接的な影響に加え、現状をどう変え、次世代の科学者が、科学的知見に基づく意義ある政策につながる意見交換に参加できるよう後押しするかを検討することが重要です。こうした議論によって、世界をより持続可能で公平な場所にする役割を担う人々が、科学を活用する機会が生まれます。

100万人の科学者、1億時間

私たち世界経済フォーラムのヤング・サイエンティストは、科学の枠を越えて政策につなぐ橋渡しができる世代の科学者が必要だと認識しています。そのため、私たちは次の課題をシステム全体の視点から捉えるよう、呼びかけを発表しました。

もし100万人の科学者が、公共サービスに携わる世界の現役科学者人口の約10%に相当する人々として、社会と社会のための科学への関与に週2時間、つまり労働時間の約5%を充てるなら、毎年1億時間を、政策立案者や世界の意思決定者と有意義に関わる科学の実現に注ぐことができます。

その時間は、世界規模にとどまらず、未来にも波及するバタフライ効果を引き起こす可能性があります。

このビジョンの実現に向けて、卓越性を評価するダッシュボードの作成が役立つかどうか、世界のリーダーや機関のリーダーに検討を呼びかけます。ダッシュボード方式なら、幅広い成果を取り入れ、特定の政策課題に関する主要な科学的知見を統合するスキルを評価できます。また、確立されたネットワークや関係のなかで、個々の課題に合わせた形式で科学のストーリーを伝えることも可能になります。

科学界における多様性

すべての科学者がこうしたスキルを身につけたり、卓越したりする必要はありません。科学や科学界においても、他のあらゆる分野や業界と同じように多様性が重要です。科学界の一員として私たちは、相互補完の価値を認識しています。優れたコミュニケーション能力や人々を巻き込む力を持つ科学者と、研究資金の獲得、魅力的で革新的な教育の開発、起業、経営に長けた科学者が、ともに活躍することが大切です。

それでも、政策立案者と関わる橋渡しや継続的な対話を促す専門性を、科学者が探求し伸ばせるよう奨励し、支援できれば、私たちは将来の課題により確実に備えられるでしょう。

科学を政策に生かすための100万人の科学者と1億時間の可能性を検討するよう、世界の機関とリーダーに呼びかけます。この取り組みを支援し、議論に加わり、必要な変化の一翼を担うよう求めます。

呼びかけの全文はこちらからご覧いただけます。

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