新型コロナウイルス感染症のさなか、石油の未来に何が待ち受けているのか

Crude oil storage tanks are seen in an aerial photograph at the Cushing oil hub in Cushing, Oklahoma, U.S. April 21, 2020. REUTERS/Drone Base - RC2A9G9JL141
The COVID-19 pandemic has had an unprecedented impact on oil prices.Image: REUTERS/Drone Base
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  • 2020年4月20日、米国の原油価格が史上初めてマイナスになった。

  • 石油会社は生産停止を余儀なくされ、事業を続けるために製品を処分せざるを得なくなる可能性さえある。

  • 世界の陸上石油貯蔵施設は現在、容量の約85%が埋まっている。

エネルギー業界の損傷の深刻さは、4月20日に全面的に明らかになった。米国産原油先物CLc1の指標価格は、約40年の歴史で1バレル10ドルを下回ったことがなかったが、かつて想像もできなかった1バレル当たりマイナス38ドルまで急落した。

わずか数カ月で、新型コロナウイルスのパンデミックは、数十億人が移動を控えるなか、燃料需要を大幅に消失させた。金融危機や景気後退、戦争でさえ成し遂げられなかったこと、つまり米国に石油が余り、置き場所がなくなる事態を引き起こした。

2020年4月20日、米国の原油価格が史上初めてマイナスになった。Image: ロイター

原油価格がマイナスになるという異例の事態は繰り返されないかもしれないが、業界関係者の多くは、これが今後さらに厳しい時期の前兆だと述べている。また、何年にもわたる過剰投資は、数週間どころか数カ月で解消されるものではない。

「先日の先物契約で起きたことは、事態が予想より早く悪化し始めていることを示していた」と、米国石油協会の経済・国際問題担当副会長、フレデリック・ローレンス氏は述べた。

「パイプライン会社から、もう原油を引き取れないという通知が届いている。つまり、油井は昨日のうちに閉鎖しなければならないということだ。」

19世紀後半以来、世界社会を支えてきた産品の価値が損なわれている証拠は、先週、世界各地で相次いで見られた。

世界有数の産油国であるロシアでは、業界が石油を市場から取り除くため、燃やすことも検討していると、関係者がロイターに語った。

ノルウェーの石油大手エクイノール(EQNR.OL)は四半期配当を3分の2削減した。来週は、世界最大級の石油会社であるエクソンモービル(XOM.N)、BP(BP.L)、ロイヤル・ダッチ・シェル(RDSa.L)などの業績発表が予定されている。各社は追加の支出削減策を詳しく説明するとみられ、投資家は各社が配当をどう管理する計画なのかを注視するだろう。

米国の億万長者ハロルド・ハム氏が率いるコンチネンタル・リソーシズ(CLR.N)は週半ば、オクラホマ州とノースダコタ州の油田に作業員を派遣し、油井を急きょ閉鎖した。同社は採算が合わないため顧客への原油供給ができないと表明した。

コンチネンタルが、通常は戦争や事故、自然災害の際に限られる不可抗力を宣言したことは衝撃を与え、主要な精製業界団体から厳しい反応を招いた。一方で、裁判で認められない可能性があるとしても、その判断には筋が通っているという見方もある。

「契約は、社会が過去100年間に経験してきた平均的な規範に基づいて締結するものです。その規範で想定されていない新たな事態が起きれば、不可抗力に該当します。ハロルド・ハム氏らが言っているのは、今回の状況は通常の範囲外だということです」と、ダラスを拠点とするエネルギー市場専門家のアナス・アルハッジ氏は述べた。

ホワイトハウスが先週、シェブロン(CVX.N)に対し、約100年にわたって事業を展開してきたベネズエラでの操業を続けられないと伝えたという、以前からうわさされていた決定さえ、ほとんど反応を呼ばなかった。

ベネズエラの西側石油会社に近いある人物は、「世界的な情勢はひどい。操業許可は、もはやほとんど問題ではなくなった」と述べた。

市場はすべての生産者に決断を迫っている。世界各地で政府や企業が生産停止の準備を進めており、すでに停止に踏み切ったところも多い。

石油輸出国機構(OPEC)とその同盟国はすでに、日量1,000万バレルという過去最大規模の供給削減に合意しているが、まだ全面的には実施されていない。この合意でも、原油価格のマイナス転落を防ぐには至らなかった。

サウジアラビアは、自国と他のOPEC加盟国がさらなる措置を講じる用意があると述べたが、新たな約束はしていない。需要がいかに大きく失われたかは、OPECが生産を完全に停止しても供給が需要を上回る可能性があることからも分かる。

米国ではすでに日量60万バレルを超える減産が発表され、カナダでも日量30万バレルの生産停止が加わった。ブラジル国営のペトロブラス(PETR4.SA)は生産量を日量20万バレル削減した。

OPECプラスの一員であるアゼルバイジャンは、BP主導の企業グループに、初めて生産削減を求めている。同国の石油大手はこれまで、政府が課す減産の対象から概して除外されてきた。

「1994年に各社がこの国に進出し、『世紀の契約』に署名して以来、このようなことをしたことは一度もありません」と、アゼルバイジャンの高官はロイターに語った。

世界で石油の置き場所がなくなりつつあるなか、こうした配慮を続けることはできなくなった。木曜日時点で、エネルギー調査会社クプラーによると、世界の陸上貯蔵施設は容量の約85%が埋まっている。

国際エネルギー機関(IEA)は、4月の需要が日量2,900万バレル減少すると推計した。パリに本部を置くIEAは5月に消費が持ち直すと予想しているが、研究者らは、前年同期比で日量わずか1,200万バレルの需要減にとどまるという予測は楽観的すぎる可能性があると警告した。

「需要の消失が日量2,000万から3,000万バレルという同じ数字を耳にしているのは確かです」と、トラディション・エナジーのアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は述べた。1983年に米国産原油先物が上場された当時、同氏はニューヨーク・マーカンタイル取引所に勤務していた。「何らかの緩和が見られるまでは、これから何が起きるのか考えざるを得ません。」

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