インドの医療に再生可能エネルギーがもたらすもの

A boy dusts off a solar panel installed on the rooftop of his house on the outskirts of the western Indian city of Ahmedabad October 27, 2014.
Image: REUTERS/Amit Dave
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インド中部チャッティースガル州の地区、サルグジャは、同国の農村医療の現状をよく表しています。乳児死亡率は高く(出生1,000人当たり52人)、完全に予防接種を受けた子どもの割合は低い(58%)状況です。人口の大半が農村部に暮らす同州では、定期的に電力が供給されている農村保健センターはごく一部(約3分の1)にとどまります。

しかし、太陽光発電の導入が、貧困地域の農村コミュニティにおける医療提供を大きく改善し得ることを示す証拠が、初めて明らかになりつつあります。

国家保健ミッションとチャッティースガル再生可能エネルギー開発庁は、2012年以降、州内570カ所を超える一次保健センター(PHC)に、蓄電池を備えた2 kWhのオフグリッド太陽光発電システムを提供しました。これらのシステムは、州内の保健センターの3分の1で生じている電力不足への対応を目的に設計されました。ワクチンの保管と予防接種を支えるコールドチェーン設備のほか、分娩室の照明や機器など、「重要負荷」に接続されました。

最近、エネルギー・環境・水評議会(CEEW)は、オックスファム・インディアの資金提供を受け、農村部のチャッティースガル州における電力アクセスが健康アウトカムに果たす役割を評価した独立調査を発表しました。この調査は、15地区の147カ所のPHCを評価したもので、そのうち83カ所には太陽光発電システムが設置されています。

調査によると、太陽光発電を備えた施設は、備えていない施設より大幅に良好な成果を上げました。平均すると、太陽光発電を備えた保健施設は、月ごとの外来患者数が50%多く、施設内分娩数も50%多いほか、入院患者をより多く受け入れ、24時間体制のサービスを提供していました。これは「電力不足」の保健センター(電力供給が1日20時間未満のセンター)でも同様でした。保健センターの職員は、こうしたシステムを肯定的に評価しました。職員の約98%が日常業務の中断が減ったと報告し、80%が電気料金の節約を報告しました。

こうした結果はインドだけでなく、農村部の保健施設に電力がない、あるいは供給が不安定なアフリカやアジアの多くの国々にとっても励みになります。

太陽光発電システムにはいくつもの利点があります。保健センターの電力負荷に合わせてシステムを設計できる柔軟性、安定した稼働、ワクチン用冷蔵庫などの重要負荷への電力供給、そしてアクセス面の課題が特に深刻な遠隔地や災害多発地域でのサービス提供が可能です。ただし、システムの成功を確かなものにするには、十分な運用・保守手順を整える必要があります。

こうしたシステムの拡大は、インドの戦略的利益にかないます。

インドの国家太陽光ミッションは、2022年までに太陽光発電の設備容量を100 GWにする目標を掲げ、そのうち40 GWを屋上太陽光発電で賄うことを想定しています。全国のすべてのPHCに太陽光発電システム(5 kW)を導入すれば、屋上太陽光発電の目標に約160 MWを上積みできます。サブセンター(1 kWシステム)とコミュニティ保健センター(8 kWシステム)にも対象を広げれば、合計の導入可能量は約415 MWになります。

同時に、電力へのアクセスは、国家保健ミッションが掲げるユニバーサル・ヘルスケアの目標を後押しできます。サハラ以南のアフリカ、南アジア、ラテンアメリカの一部でも、同様の利点が期待できます。そこでは何百万人もの人々が、貧困、エネルギーアクセスの不足、疾病負担の大きさが重なる、資源の限られた環境で暮らしています。こうしたシステムによる資源の節約分は、命を救う医薬品や機器の調達に充てることができます。

医療分野で太陽光発電を拡大する動きは、いくつかのマクロレベルの潮流によって後押しされます。第一に、パネル技術の革新により、太陽光発電のコストは大幅に低下しました。第二に、需要側からの前向きなシグナルとなったのが、COP21開催中にパリで発足した国際太陽光同盟(ISA)です。ISAを通じた需要の集約は、イノベーションへの投資を促すとともに、より有利な資金調達条件を引き出し、市場設計の深化につながります。

エネルギーと保健医療の両面で、世界は大きな転換期を迎えています。エネルギー構成に占める再生可能エネルギーの割合はかつてない水準に達し、世界の保健指標もこれまでになく改善しています。保健センターへの再生可能エネルギー導入を加速させることが、今まさに求められています。太陽光などの再生可能エネルギーで保健医療システムに電力を供給すれば、エネルギー(持続可能な開発目標7)と健康(持続可能な開発目標3)の課題に同時に取り組むことができます。

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