新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行を受けてリモートワークが広がり、同僚と気軽に話す機会が減りました。
オンライン会議は、気軽な交流には場違いだと感じられることがよくあります。
しかし、オンライン会議の使い方を変えれば、職場での交流を取り戻せるでしょうか?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、世界中の職場で対面のやり取りがオンライン会議に置き換わりました。その過程で、かつて職場の日常だった気軽なおしゃべりが失われました。どうすれば取り戻せるのでしょうか?
それが、マイクロソフトが同社の英国ケンブリッジにある研究所のチームに投げかけた問いでした。オーストリア、アイルランド、オランダの人々に聞き取りを行った結果、パンデミックの間に同僚同士の個人的な関係がどれほど損なわれたかが明らかになりました。
また、オンライン会議は独自の会話規範を生み出していることも分かりました。そこには礼儀やエチケットに関する規範があり、組織内に以前からある人間関係や階層構造の影響も受けています。
また、給湯室での立ち話のように、人々が自然に交わす雑談をオンラインで再現するのは難しいものです。そこで研究チームは、同僚との大切な業務外の交流を取り戻すためのヒントをまとめました。
1. 気軽な集まりを予定する
オンライン会議での交流は、思いついたときにいつでもできるわけではありません。人々には仕事があり、目の前の業務に集中するため通知を一時停止することもあるので、気軽な交流が妨げられます。
そこで研究者らは、お茶やコーヒーの休憩時間、昼休みなど、職場の習慣に合わせて交流の時間を設けることを提案しています。在宅勤務では、同居する人と昼食を取りたい人もいますが、昼食会を企画すれば、とりわけ新入社員の人間関係づくりに役立ちます。
「同僚は食事をしながら会話に加わったり、いったん抜けたりして、会話への参加と離脱を自由にできます」と研究者らは述べています。また、交流の時間を定例化すれば、生産性が落ちるのではないかという上司の懸念を和らげ、従業員の業務の流れも妨げにくくなるといいます。
2. 遊び心を取り入れる
オンライン会議は多くの人にとって新しい経験ですが、従来の振る舞いは今も続いています。特に上級職の社員がいる場ではその傾向が顕著です。研究者らによると、若手のチームメンバーはオンライン会議でも、依然として他の人に発言を譲りがちです。
そこでケンブリッジのチームは、誰もが気軽に発言できるよう、遊び心のある方法を取り入れることを提案しています。たとえば、絵文字や、ビデオフィルターなどの拡張現実ツールを使って、話されている内容に反応できます。
クイズやゲームなど、みんなで取り組む活動も交流の促進に役立つと研究者らは述べています。クイズボットは楽しい活動の進行だけでなく、予定の設定にも活用するよう勧めています。
3. ながら作業を受け入れる
Zoom会議に参加しているはずの時間に別のことをする誘惑に、多くの人が負けたことがあるでしょう。当然ながら、会議の主催者やチームメートには、失礼だったり気が散ったりする行為だと思われることがあります。
しかし、ケンブリッジのチームによると、オンラインでの交流会では、ながら作業が実際に役立つこともあります。「私たちの結果は、雑談中のながら作業が一般的であり、話し手と聞き手の双方から受け入れられていることも示唆しています。」
従業員は研究者らに、交流の場では集中力を保つのが難しく、特に話題が自分に関係ない場合はそうだと話しました。ながら作業をすると、いわゆる「Zoom疲れ」を軽減でき、自分に関係する会議の部分に集中しやすくなりました。
4. 大人数になりすぎないようにする
研究者らによると、オンラインでの交流なら、対面よりも大人数の集まりに参加しやすくなりました。テクノロジーによって、別のチームや場所にいる社員と会う際の物理的な障壁を乗り越えられます。
しかし、大人数では会話の話題が必然的に一般的になり、参加者一人ひとりにとって具体性が薄れます。その結果、少人数で集まった場合に比べ、会議に参加する価値が低いと感じる人もいるでしょう。
職場での雑談の多くは、1対1で行われます。グループで話しているときも、誰かが輪を離れて別の人と話すのはよくあることです。しかし、既存のオンライン会議ツールでは、こうした個別の会話ができないとチームは指摘しています。
結論
在宅勤務は、孤独感や精神的な不調を引き起こす原因だとされてきました。マイクロソフトの別の報告書によると、パンデミックの開始以降、オンライン会議に費やす時間は2倍になり、在宅勤務をする従業員は疲弊しつつあります。
ケンブリッジの報告書は、オンラインツールによって同僚と会う際の障壁を減らし、日々の交流を保ち、職場でのつながりを深めることさえできるとしています。一方で、かつて職場で交わしていた何気ない会話に代わるものとしてオンラインツールを活用できるようにするには、さらなる取り組みが必要だとも述べています。


