在宅勤務では、期待したほどエネルギー消費を削減できないかもしれない

Working from home might not be as sustainable as first thought.Image: Unsplash/Luke Peters
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  • 在宅勤務によって通勤を避ければエネルギーを節約できると思われますが、地球環境への効果は当初考えられていたほど大きくないかもしれません。

  • 調査によると、在宅勤務がエネルギー消費に与える影響は不明確で、予測が困難です。

  • 企業が最大の恩恵を得るには、在宅勤務が広く普及し、フルタイムで行われる必要があります。

COVID-19によるロックダウンでエネルギー消費が減り、環境に恩恵をもたらすと期待する人は多くいます。しかし、その効果は私たちが期待するよりはるかに小さいようです。

大規模な在宅勤務が行われているにもかかわらず、エネルギーの総節約量は限られ、多くの場合まったくない可能性が高いとする研究もあります。実際、エネルギー消費はむしろ増えているかもしれませんと、IOPscienceに掲載された新たな報告書は述べています。

研究の著者らは、在宅勤務の影響に関する既存の研究を検討しました。分析した39件の研究のうち26件は、通勤の減少とオフィスでのエネルギー消費の減少を通じて、在宅勤務がエネルギー消費を削減すると示唆していました。影響が中立的またはマイナスだとする研究は8件にとどまりました。

ただし、仕事以外の移動や家庭でのエネルギー消費など、より幅広い影響を含めると、節約効果ははるかに小さく、予測しにくくなります。在宅勤務には省エネ効果があるという前提がある一方で、実際の効果がどれほど大きいのかは、依然として不確かです。

「テレワークがもたらすエネルギー面および環境面の恩恵について合意が得られていないことが、企業や政府によるテレワークの協調的な推進が進まない一因になっていると考えられます。複数の調査が実施された国でも同様です」と、著者らは述べています。

ここ数カ月、ホームオフィスに関連するオンライン検索が急増しています。Image: Statista

節約効果を最大化する

入手可能な研究によると、最大の省エネ効果が得られるのは、従業員がオフィスと自宅を行き来するのではなく、フルタイムで在宅勤務をする場合です。在宅勤務がフルタイムであっても、通勤が子どもの送迎や買い物など、ほかの用事と組み合わされることが多い点など、考慮すべき要因があります。

COVID-19の影響で在宅勤務をする人が増えるにつれ、米国の住宅でのエネルギー消費は最大8%増加すると予測されています。Image: Statista

企業が在宅勤務から最大の恩恵を得るには、オフィスの面積を縮小し、省エネ効果を最大化できるほど広く普及させる必要があります。

あるものを別のものに置き換える

エネルギー消費の減少が予想より小さい理由の一つは、通勤しなくなって浮いた時間が、結局は移動を伴う余暇や社交の活動に使われることが多いためです。

普段から在宅勤務をする人は、オフィスから遠く離れて暮らしていることが多く、通勤する日は移動距離がかなり長くなります。例えば、英国の労働者を対象としたある調査では、在宅勤務をする人の通勤距離は、オフィス勤務のみの人より平均で17.2km長いことが分かりました。

危機が起きる前の調査によると、在宅勤務を選べる労働者は、実際に在宅勤務をすることが多いです。Image: Statista

「このテーマに関する研究を総合すると、テレワークが必然的により持続可能な選択肢だと決めつけるのは単純すぎることが分かります。労働者と雇用主が在宅勤務モデルに全面的に取り組まなければ、省エネの潜在的な効果の多くが失われる可能性があります。」

「新型コロナウイルスの脅威が去った後、労働者が、在宅勤務で得た自由と柔軟性を保ちながら、ロックダウン中に失われたオフィスで働くことの社交的な側面も取り戻すという、両方の良さを求める状況では、世界が必要とするエネルギー節約は実現しないでしょう」と、研究著者でサセックス大学科学政策研究ユニットのエネルギー政策教授であるベンジャミン・K・ソバクール氏は、エネルギー需要ソリューション研究センターに語りました。

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