新たな調査:リモートワークが貧困層、若者、女性にとって機能していない

Remote working
The IMF predicts that 100 million people can't work remotely.Image: Unsplash
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  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、数千万人の労働者が職を失い、さらに数百万人が労働力人口から完全に退出した。

  • IMFは、先進国および新興市場経済国の大規模なサンプルを対象に、在宅勤務の実現可能性を調査した。

  • IMFの推計では、先進国と新興国の35カ国で、約1億人の労働者がリモートで仕事をできないため、高いリスクにさらされる可能性がある。

  • 食事・宿泊業、卸売・小売業の労働者は、リモートワークが最も難しい仕事に就いているため、最も大きな打撃を受けている。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、世界各地の労働市場に壊滅的な影響を及ぼしている。数千万人の労働者が職を失い、さらに数百万人が労働力人口から完全に退出し、多くの職業が先行き不透明な状況に直面している。ソーシャルディスタンス確保の措置により、職場での物理的な勤務や対面でのやり取りが必要な仕事が脅かされている。リモートで働けない人々は、エッセンシャルワーカーとみなされない限り、労働時間や賃金の削減、一時帰休、恒久的な解雇に遭うリスクが大幅に高い。最もリスクにさらされているのは、どのような仕事や労働者なのだろうか。予想どおり、その負担は、最も耐える力の弱い人々、すなわち低賃金の仕事に就く貧困層や若者に最も重くのしかかっている。

「新たな論文」では、先進国および新興市場経済国の大規模なサンプルを対象に、在宅勤務の実現可能性を検証する。IMF加盟国189カ国のうち、先進国と新興国の35カ国で、約1億人の労働者がリモートで仕事をできないため、高いリスクにさらされる可能性があると推計した。これは平均すると、各国の労働力人口の15%に相当する。ただし、国や労働者によって重要な違いがある。

各国における仕事の性質

在宅勤務の実現可能性を測るほとんどの研究では、米国で使われている職業の定義が用いられている。しかし、他国では同じ職業でも、必要とされる対面でのやり取り、生産工程における技術の集約度、さらにはデジタルインフラへのアクセスが異なる場合がある。こうした違いを反映するため、35カ国を対象にOECDがまとめた調査に基づき、各国で実際に行われている業務を用いて、在宅勤務の実現可能性を示す指数を作成した。

同じ職業でも国によって大きな違いがあることが分かった。ノルウェーやシンガポールでは、トルコ、チリ、メキシコ、エクアドル、ペルーよりも、リモートワークがはるかに容易だ。新興国・途上国の多くでは、世帯の半数以上が自宅にコンピューターすら持っていないためだ。

先進国ではリモートワークがより容易。Image: PIAAC調査

最も脆弱なのは誰か

全体として、食事・宿泊業、卸売・小売業の労働者は、リモートワークが最も難しい仕事に就いているため、最も大きな打撃を受けている。つまり、今回のサンプルでは、これらの部門で働く2,000万人以上が、職を失うリスクが最も高い。それでも、脆弱性には個人差がある。

  • 若年労働者や大学教育を受けていない人は、リモートで働ける可能性が著しく低い。このリスクの高さは、ロックダウンやソーシャルディスタンス政策によって最も大きな打撃を受けた部門の労働者の年齢構成と一致している。懸念されるのは、この危機によって世代間格差が拡大しかねないことだ。

  • 女性は特に大きな打撃を受ける可能性があり、ここ数十年で達成されたジェンダー平等の進展の一部が損なわれるおそれがある。女性は、外食・宿泊業など、最も大きな打撃を受けた部門に偏って多く就労しているためだ。さらに、女性は育児や家事の負担をより多く担っている一方で、こうしたサービスの市場での提供は中断されている。

  • パートタイム労働者や中小企業の従業員は、失職のリスクがより高い。パートタイム労働者は、景気が悪化すると真っ先に解雇され、回復時には最後に雇用されることが多い。また、危機を乗り切る助けとなる医療や公的保険制度を利用できる可能性も低い。特に途上国では、パートタイム労働者やインフォーマルな就労者が貧困に陥るリスクが著しく高い。

COVID-19は世代間格差を拡大させる可能性があるImage: PIAAC調査

低所得で雇用が不安定な労働者への影響は特に深刻となり、社会に長く存在する不平等を拡大させる可能性がある。所得分布の下位層にいる労働者ほどリモートで働くことが難しいという私たちの調査結果は、米国や他国の最近の失業データによって裏付けられている。COVID-19危機は、所得格差を拡大させるだろう。

さらに、所得分布の下位層にいる労働者は、すでに食事・宿泊サービスなど、最も大きな打撃を受け、リモートワークになじみにくい部門に偏って多く就労している。低所得の労働者は、日々の生活に追われ、貯蓄や信用へのアクセスといった経済的な備えが乏しい傾向もある。

就労割合。Image: PIAAC調査

最も脆弱な人々をどう守るか

パンデミックにより、多くの部門で働き方が変わる可能性が高い。消費者は電子商取引への依存を強め、小売業の仕事が減るかもしれない。また、テイクアウトの注文が増え、レストラン従業員の労働市場が縮小する可能性もある。

政府にできることは何だろうか。社会保険やセーフティーネットを拡充し、所得や雇用の喪失を和らげることで、影響を受けた労働者とその家族への支援に重点を置くことができる。賃金補助や公共事業プログラムは、景気回復期に人々が生計を取り戻す助けとなる。

格差を縮小し、人々の将来展望を改善するため、政府は教育や訓練を強化し、労働者が将来の仕事によりよく備えられるようにする必要がある。生涯学習の推進には、COVID-19のような経済的ショックで職を失った労働者を支援するため、学校教育や技能訓練へのアクセスを拡充することも含まれる。

この危機は、オンラインに接続できることが、人々が職場で働き続けられるかどうかを左右する重要な要因であることを明確に示した。デジタルインフラに投資し、デジタル格差を解消すれば、不利な立場にある人々も将来の経済に実質的に参加できるようになる。

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