ドミニカ共和国で平和部隊のボランティアをしていたとき、マリアに出会いました。彼女は3歳で、笑顔が愛らしく、ふっくらとしていて、楽しい子でした。私は彼女の祖父母の家に住んでいました。私たちは一緒に多くの時間を過ごし、かくれんぼや鶏追いなどの遊びをしました。彼女のお気に入りは、私のまねをすることでした。ラ・グリンガ。
ある木曜日、マリアは亡くなりました。人間の排せつ物で汚染された汚い水を飲み、下痢を起こしたのです。
毎日、5歳未満の子ども1,500人が下痢で亡くなっています。年間では約50万人、フットボールスタジアム約7つ分に相当します。
マリアの死は私の人生を変えました。水が、生と死の危うい均衡において果たす重要な役割を知りました。私は清潔な水のために人生を捧げることを決めました。今、私はWater For Peopleという組織を率いています。私たちの使命は、清潔な水とトイレを、すべての人に、いつまでも届けることです。
私たちの多くは清潔で安全な水を使えており、そのことを気にも留めず、当たり前だと思っています。しかし、世界人口の4分の1は清潔な水を利用できず、3分の1以上はトイレを利用できません。これは世界規模の水と衛生の危機です。世界中の何十億もの男性、女性、子どもたちに影響を及ぼしています。
しかし、水と衛生の問題は、主に女性の問題です。この危機の影響を最も強く受けるのは女性です。その理由は3つあります。
第一の理由は時間です。女性には水を集めて家まで運ぶ負担がのしかかっています。これは開発途上国の大半の世帯で起きています。女性たちは毎日何時間も、何マイルも歩いて、小川や共同井戸、あるいは最も恵まれた場合でも共同水栓まで行きます。赤ちゃんを背負い、娘たちの手も借りながら、水をくんで運びます。
くんできた水は、きれいなことも、汚れていることも、その中間であることもあります。それを飲んで自分や家族が病気になるかどうか、彼女たちには分かりません。
ルワンダで出会った母親、ジゼルのことを考えてみてください。彼女は毎日、ほこりっぽく汚れた道を裸足で歩きます。片道1マイルを1日2往復。水を得るために4時間歩くのです。井戸で5ガロン入りのポリタンクに水を満たし、帰りには誰かに手伝ってもらって、約40ポンドの荷を頭に載せます。

人々が暮らす場所の近くに水を届ける必要があります。理想的には、私たちと同じように、家や学校で使えるようにすることです。誰も、それより不便な暮らしを強いられるべきではありません。
水の問題が女性の問題である第二の理由は、教育です。もし娘さんが来る日も来る日も水くみに歩かなければならないとしたら、こうした環境が娘さんの教育にどんな影響を及ぼすか、想像してみてください。
マラウイで私たちのプログラムを運営するケイトは、幼い頃、毎朝水くみに歩かなければなりませんでした。1日3時間です。多くの同世代の子どもたちが教育を受けられなかった中、彼女は幸運にも教育を受けることができました。今、ケイトは娘のタクやマラウイのほかの少女たちが、二度と水くみに歩かなくて済むよう願っています。水を運ぶためではなく、考えるために頭を使ってほしいのです。
タクのような少女たちが学校に通い続けられるようにできれば、娘には自分よりさらに良い人生を送ってほしいという母親たちの夢が、現実になります。
水の問題が女性の問題である第三の理由は、トイレがないことです。開発途上国の学校の大半にはトイレがありません。そのため、少女たちは思春期を迎えて月経が始まると、生理用品を交換する場所がなく、学校を中退することがよくあります。

世界の3分の1の人々はトイレを利用できません。では、人々はどこで用を足すのでしょうか。できる場所ならどこでもです。茂みや畑、線路脇などで、屋外排せつを強いられています。
そして雨が降ると、こうした人間の排せつ物が地域の水源に流れ込みます。その水で体を洗い、料理をし、飲むことになります。
まさにこれがマリアの命を奪いました。私にとって、この話で最も腹立たしいのはそこです。さらにひどいのは、母親が自分の行為の結果を知らなかったために、マリアを死に至らせた汚染水を飲ませてしまった可能性が高いことです。
トイレが重要である理由は、もう一つあります。安全です。トイレのない女性は、用を足すために一日中待つことがあります。夜になると、暗闇に紛れて外へ出て用を足しますが、その際にレイプされる危険にさらされます。誰もが、トイレによって安全と尊厳を得る権利があります。女性は特にそうです。
時間、教育、そしてトイレ。これが、水の問題が女性の問題である3つの理由です。では、この危機をどう解決すればよいのでしょうか。解決策は、啓発し、建設し、投資することです。
トイレがなぜ重要なのかを、世界中の人々に伝える必要があります。不足している水と衛生のインフラを整備するとともに、何世代にもわたってそれを運営・維持できる制度も築かなければなりません。
過去200年間、私の国である米国でまさにそれを実現してきました。その恩恵を次の人々へつないでいくべきだと思います。皆さんにも賛同していただけることを願っています。
恩恵を次の人々へつなぐには、投資が必要です。その額は年間500億ドルで、今から2030年まで続ける必要があります。世界の国々は、国連の持続可能な開発目標の一環として、すべての人に水とトイレを届ける期限をこの年と定めています。
現在、水と衛生への政府、企業、慈善団体による投資は、年間合計で約100億ドルにすぎません。投資を大幅に増やす必要があります。この不足を埋めるため、私たち全員が取り組まなければなりません。
500億ドルは大金に聞こえるかもしれませんが、そうではありません。米国で毎年、感謝祭の時期に行われる国を挙げての買い物の祭典、ブラックフライデーに消費者が使う金額です。水とトイレへの投資のほうが価値があると、私は思います。
Water For Peopleが活動する国々では、水と衛生に投資する価値が人々に確かに理解されています。ウガンダの村で、娘2人と孫4人と暮らすエリザベスの例を紹介しましょう。私たちは彼女の家からかなり離れた場所に給水システムを整備していました。彼女は村をそのシステムにつなぐため、多額のお金を貯めました。
私はエリザベスに会いに行き、なぜ水にそれほどお金をかけるのか尋ねました。彼女は、清潔な水がなければ成り立たない養鶏場を営む構想があると話してくれました。今では村全体に卵を供給しています。村の子どもたちは水くみに歩かずに済み、衛生状態も良くなり、学校に通い続けています。清潔な水は、一人ひとりの暮らしと地域社会を変えます。
世界的な水と衛生の危機を解決するため、あなたは何をしますか。
この問題を広めてほしいと思います。トイレや水道栓が人々の生活の質を高め、命を救い、生計を支えることを伝えてください。下痢で亡くなったマリアのことを。水を求めて長い道のりを歩くジゼルのことを。少女たちに清潔な水と教育へのアクセスをもたらすケイトのことを。そして、清潔な水が家族を貧困から抜け出させる助けとなったエリザベスのことを。
すべての人に水とトイレを届けると世界が合意した期限、2030年は、もう遠くありません。この危機は解決できると私は信じています。そのためには、啓発し、建設し、投資する強い決意が必要です。
私たちの目標はシンプルです。トイレと水道栓を、そして女性の躍進を。すべての人のために、いつまでも、力を合わせて実現しましょう。

