世界保健機関(WHO)が、健康を保つために必要な身体活動量に関する新たなガイドラインを公表しました。
推計によると、成人の4分の1超と青少年の約81%が、2010年のWHO勧告を満たしていません。
妊婦や障害のある成人に向けた新たな指針も加わりました。
ソファに座ってこの記事を読んでいるなら、WHOの最新ガイドラインをきっかけに、今の姿勢を見直したくなるかもしれません。
今年、世界各地で人々が例年より多くの時間を自宅で過ごすなか、WHOは私たちに改めて呼びかけています。身体と心の健康を保つうえで、運動はこれまで以上に重要になっています。
WHOによると、年間400万~500万人の死亡は、世界の人々がもっと身体を動かせば防げる可能性があります。推計では、成人の27.5%と青少年の81%が現在も2010年のWHO勧告を満たしておらず、過去10年間でほとんど改善が見られません。
格差も存在し、多くの国で女子や女性は男子や男性より活動量が少なくなっています。また、経済的に豊かな層と貧しい層、国や地域の間でも、身体活動の水準には大きな差があります。
身体活動を通じて体力と健康を保つためのWHOの新ガイドラインは、年齢層別に示されています。
今回初めて、座りがちな行動と健康リスクとの関連にも言及するとともに、妊娠中および産後の女性、慢性疾患や障害のある人に向けた指針も示しています。
主なポイント
座っている時間を減らすことから筋力トレーニングを取り入れることまで、すべての人が知っておきたいWHOの主なポイントを紹介します。
子ども:5~17歳
最新のガイドラインによると、5~17歳の子どもは、毎日少なくとも60分、中強度から高強度の身体活動を行うべきです。これには有酸素運動のほか、筋肉や骨を強化する活動も含まれます。
身体的な体力、心血管代謝の健康(血圧、血糖、インスリン抵抗性)、骨の健康が改善するほか、学業成績やメンタルヘルスを含む認知機能の向上も期待できます。
ガイドラインは、子どもや青少年の座りがちな行動、とりわけ娯楽目的のスクリーン利用時間を制限する必要性を強調しています。活動不足が続くと、体力の低下、睡眠不足、心血管代謝の健康状態の悪化につながります。
成人:18~64歳
18~64歳の成人は、毎週、中強度の有酸素運動を少なくとも3~5時間、または高強度の有酸素運動を少なくとも75~150分行うべきです。
さらなる健康上のメリットが得られるため、筋力トレーニングも週2日以上行うことが強く推奨されています。
ガイドラインは、成人の座りがちな行動によって、全体的な死亡リスクが高まり、心血管疾患、がん、2型糖尿病の発症率も上昇する可能性があると指摘しています。
65歳以上の成人への勧告も上記と同じで、高齢者が体力を維持することの重要性を強調しています。
妊娠中および産後の女性
妊娠中および産後の身体活動は、母親と子どもに良い影響をもたらします。WHOは、妊娠中および産後の女性に、一般的なストレッチや筋力トレーニングも含め、中強度の身体活動を週に少なくとも3時間行うよう勧めています。
これにより、子癇前症、妊娠高血圧症、妊娠糖尿病のリスクが低下するほか、分娩時の合併症、産後うつ、新生児の合併症や死産のリスクも減らせる可能性があります。
慢性疾患のある成人
WHOの勧告は、高血圧、2型糖尿病、HIVなどの慢性疾患のある人や、がんを克服した人にとって、身体活動が重要であることを強調しています。
週あたりの推奨量は他の成人と同じで、中強度の有酸素運動を少なくとも3~5時間、または高強度の有酸素運動を少なくとも1時間15分~3時間です。
障害のある人
障害のある子どもは、毎日少なくとも60分、中強度から高強度の身体活動を行うことが推奨されています。その大半は有酸素運動とし、筋力トレーニングも取り入れるべきです。
障害のある成人は、週に中強度の有酸素運動を3~5時間、または高強度の有酸素運動を75~150分行うべきです。
前述のメリットに加え、定期的な運動は障害のある人にも良い影響をもたらし、認知機能、身体機能、筋力、生活の質の向上につながります。

