オランダの研究者らは、レーザー技術を使って「ほとんど痛みのない注射」を行う「バブルガン」を開発している。
針への恐怖はよくあるため、この新しい方法によってワクチン接種率が高まる可能性があり、従来の注射に伴う汚染のリスクも防げる。
バブルガンは現在も開発中で、一般に利用できるようになるまでには1~3年かかる可能性がある。
オランダの研究者らは、針を使わずに「ほとんど痛みのない」注射を可能にするレーザー技術を開発している。恐怖を和らげ、ワクチン接種への心理的なハードルを下げる画期的な技術だという。
「バブルガン」はレーザーを使って微小な液滴を皮膚の表層に押し通す。発案者であるトゥウェンテ大学教授で、マサチューセッツ工科大学の研究協力者でもあるデービッド・フェルナンデス・リバス氏が語った。
この処置は蚊に刺されるよりも速く、皮膚の神経末端に触れないため「痛みは生じないはずだ」と同氏は述べ、今後さらに研究すると付け加えた。
「1ミリ秒以内に、液体を入れたガラスがレーザーで加熱され、液体の中に気泡ができます。その気泡が液体を押し出し、時速少なくとも100キロ(時速60マイル)の速度で噴射します」と、研究室でのインタビューで同氏は語った。
「これによって皮膚を傷つけずに通過できます。傷も、侵入口も見えません。」
リバス氏は、この発明によってワクチン接種を受ける人が増えるだけでなく、汚れた針による汚染のリスクを防ぎ、医療廃棄物も減らせると期待している。
組織サンプルを使った試験は、欧州連合(EU)からの150万ユーロ(173万ドル)の助成金を受けて無事に実施された。ボランティアを対象とする人体試験を開始するための助成金申請は、今月提出される見込みだとリバス氏は述べた。
新たなスタートアップ企業が製薬業界と協力し、「バブルガン」技術の試験と市場投入を行う予定だと同氏は述べた。
よくある恐怖症
ただし、研究の進展や規制上の課題によっては、この方法が一般に利用できるようになるまで1~3年かかる可能性がある。
オランダ人のおよそ5人に1人は針を怖がると、深刻な症状に悩む人を支援する治療を提供しているヘンク・スヘンク氏は語った。「針恐怖症は、思っている以上によくあります。認めるのを恥ずかしがる人もいます。」
幼少期のつらい入院経験に恐怖の原因をたどる人もいれば、自分で制御できなくなることを恐れる人もいる。およそ1,000人に1人という少数の人は重度の恐怖症があり、注射に備えるために複数回のセッションを必要とする。
「(新型コロナウイルスの)パンデミックの間……、これまで何とか避けてこられた多くの人が、今や追い詰められているのが分かります。今年、COVID-19ワクチンを受ける必要がある人たちは、私にとって重要なグループです。」
スヘンク氏のセッションを10回受けた31歳のミュージカル俳優、患者のアストリッド・ナイセンさんは、針がなくてもワクチン接種には不安を感じるだろうと話す。
「思春期に始まりました。針を見ると、あるいは注射を受けなければならないとなると、その場から逃げ出したくなるんです。注射を避けるためなら、そこをめちゃくちゃにしてでも逃げます」と彼女は語った。
取材:エステル・フェルカイク、執筆:アンソニー・ドイチュ、編集:マーク・ハインリッヒ


