希少疾患の診断にはあまりにも長い時間がかかっています。その状況を変える方法をご紹介します

The waiting game: a 'diagnostic odyssey' means patients can suffer for years before a diagnoses
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  • 希少疾患は、世界中の3億人以上に影響を及ぼしています。

  • 子どもは通常、診断されるまでに6~8年待たされます。

  • テクノロジーが、より迅速な治療への新たな希望をもたらす

希少疾患は、世界的な公衆衛生上の新たな優先課題となっており、世界中の3億人以上の患者に深刻な影響を与えています。希少疾患は6,000種類以上あり、そのうち72%は遺伝性で、遺伝性の希少疾患の70%は小児期に発症します。

近年、希少疾患の治療は進歩しており、この分野の治療の未来は明るいと確信しています。患者の人生を真に変える可能性を持つ革新的な治療法が進められています。

しかし、どの疾患でも同じように、患者が人生を大きく変える治療を受けるには、まず診断を受ける必要があります。希少疾患の患者にとって、これは特に大きな課題となり得ます。残念ながら現実には、患者、家族、医師の疾患に対する認識が限られていること、そして医療従事者がその疾患に接したことがない場合には症状が必ずしも明らかにならないことから、希少疾患は長期間にわたって診断されないままになることが多すぎます。

診断までの長い道のりは、希少疾患の影響を受ける人々とその家族の健康、生存、ウェルビーイング、そして自分らしさそのものに影響を与える、最大の課題の一つです。診断の遅れは、不適切な疾患管理につながるだけでなく、疾患の進行を招く可能性もあります。症状が他の疾患と似ている場合、患者は誤診されることが多く、誤診は基礎疾患に対して不適切な介入につながる可能性があります。希少疾患の子どもにとって、平均6~8年に及ぶ診断までの道のりを短縮することが、より長く健康な人生への鍵となるかもしれません。

2018年、武田薬品工業、マイクロソフト、EURORDIS-Rare Diseases Europeは協力して、小児希少疾患の診断の長い道のりを終わらせるためのグローバル委員会(以下「グローバル委員会」)を立ち上げ、希少疾患とテクノロジーの各コミュニティを結集して、この複雑な地球規模の課題の解決に取り組みました。

グローバル委員会の共同議長として、私たちは、長年にわたる診断の道のりを強いられている人々を含め、希少疾患とともに生きる人々が直面する独自の課題について認知度を高めることが不可欠だと考えています。患者の40%以上で、誤診を複数回受けています。医療従事者にとって「希少」とは「視野に入らない」ことを意味することがあまりにも多いためです。グローバル委員会は、テクノロジーが「希少」という障壁を乗り越えるための、これまで十分に注目されてこなかった機会をもたらすと考えています。

この課題は、一つの組織や業界だけで対処できるものではありません。希少疾患の患者とその家族が直面する診断の長い道のりを終わらせるには、官民パートナーシップを取り入れ、革新的なテクノロジーのソリューションを活用することが不可欠です。グローバル委員会は、患者団体、医師、テクノロジー専門家、その他この分野の専門家など、多様なメンバーを集めています。彼らは、患者の診断を遅らせる課題を解決するための専門知識を提供しています。

昨年、私たちは実行可能な提言を発表しました。これは、テクノロジーが特に解決に適している、希少疾患内の個別の課題に対処するものです。提言では、具体的な政策および技術的な対策を明らかにし、遺伝学およびデジタルの進歩を基盤として、多様な関係者を動員しています。

3つのパイロットプロジェクト

グローバル委員会は、希少疾患の診断における個別の障壁に対処する、3つの最先端テクノロジーのパイロットプロジェクトを実施しています: 1) 希少疾患に共通するパターンや症状を認識する多因子機械学習システム。2) 患者やかかりつけ医に対して遠隔で遺伝学的評価およびカウンセリングを提供するバーチャルツール。3) 患者とその家族が自身の健康記録を管理できるようにする、ブロックチェーンベースの患者登録システム。これらの革新的なプロジェクトを合わせることで、希少疾患患者の診断プロセスを再定義し、患者に診断を下し、最終的に今後の道筋を示すまでの時間を大幅に短縮する可能性があります。

さらに、グローバル委員会は、パイロットプロジェクト全体にわたる共通のテクノロジー・フレームワークの開発に取り組んでいます。これは、相乗効果を特定し、さらなる協力を促進するとともに、世界中で同様の課題の解決に取り組む他のプロジェクトの資源となることを目指しています。この分野で活動する他の専門家が知見を共有し、協力して診断の道のりに前向きな影響を与えることができるよう、力づけることが望みです。

実行可能な提言とテクノロジーのパイロットプロジェクトに加えて、希少疾患に関する世界的な政策の枠組みが、国際的な公衆衛生上の優先課題として認識されることが不可欠だと考えています。グローバル委員会は、医療の卓越拠点、データ共有、遺伝学的スクリーニング、プライバシーなど、解決への道筋を支え、可能にする具体的な政策措置を提言しています。グローバル委員会は、2019年9月に採択された「国連のユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する政治宣言」に希少疾患を盛り込むことを強く支持します。これは、そのような国連の政治宣言において希少疾患が初めて言及されたものです。確立された世界的な政策により、効率性が向上し、コストが削減され、正確な診断に至るまでの時間を短縮するために必要な資源への患者のアクセスが高まるでしょう。

グローバル委員会の活動は、世界中の患者にとって希少疾患の経過に影響を与える可能性をもたらすだけでなく、私たちは、これがすべての疾患、さらには一般的な健康に対する現在のアプローチを変革する道しるべとなることを期待しています。

私たちの目標は、保健分野の内外を問わず多様な関係者の結束した行動を促し、動員することです。希少疾患の患者の診断までの時間を短縮するという共通の目標に向けて、協働することを目指します。2020年5月中旬、EURORDISが主催する「欧州希少疾患・オーファン医薬品会議(ECRD)2020ストックホルム」、およびクリーブランドで開催される、米国希少疾患財団(NORD)の「2020 Living Rare, Living Stronger 患者・家族フォーラム」において、最近の進捗状況と調査結果を共有することを楽しみにしています。

希少疾患とともに生きる人々の擁護者として、私たちとともに、患者とその家族のために声を上げ、診断の長い道のりを終わらせ、世界中の何百万人もの子どもたちとその介護者の人生を変えるための活動にご参加いただけることを願っています。

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