世界各地の女性や少女は、家族計画サービスやケアを十分に利用できていません。
国連のSDGターゲット3.7は、2030年までに性とリプロダクティブ・ヘルスケアサービスへの普遍的なアクセスを確保することを目指しています。
米国とUAEの取り組みは、家族計画サービスへの制度的障壁の解消を目指しており、世界の他の地域でも同様のプログラムにつながることが期待されています。
世界各地の女性や少女は、家族計画サービスやケアが不十分な状況に直面しています。こうした家族計画サービスへのアクセス不足は、女性や少女に悪影響を及ぼしており、後退的な社会政治的勢力の台頭や、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、地政学的紛争、避難、自然災害、人道上の緊急事態などの世界的危機といった構造的な問題によって引き起こされています。
国連は、2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)を通じて、家族計画への普遍的なアクセスを世界的に重要な課題として位置づけました。患者のニーズを満たし、2030年のSDGsを達成するには、世界的な協力と新たなアプローチが必要です。世界の異なる地域に拠点を置く2つの医療機関、すなわち米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのジェファーソン・ヘルスと、アラブ首長国連邦アブダビに本社を置くブルジール・ホールディングスPLCは、世界的な医療技術企業ホロジック社とともに、国際連携の力を示しています。各組織は、世界経済フォーラムの「女性の健康イニシアチブ」を通じてプロジェクトを共同で推進し、従来、家族計画サービスが提供されてこなかった病院の救急部門やその他の医療施設でサービスを提供する解決策を開発しています。
包括的な概念としての家族計画
家族計画は、女性や少女のリプロダクティブ・ヘルスと性の健康および権利の中核をなす要素です。不妊から母子保健に至るまで、女性の妊娠の時期を含む幅広い課題を扱います。こうしたサービスが重要である理由は数多くあり、女性のエンパワーメントを促し、その力が地域社会に好影響をもたらすこともその一つです。国連人口基金(UNFPA)の報告によると、2022年時点で、開発途上国の家族計画と母子保健に投じられた米ドル1ドルにつき、8.40ドルのリターンが得られます。さらなる投資により、2050年までに6,000億ドルのリターンが見込まれます。
アクセスの改善は、女性の生活の質や社会に貢献する力に壊滅的な影響が及ぶことを防ぐ助けにもなります。ユニセフ(UNICEF)の報告によると、若年での妊娠・出産は、少女がさらなる教育を受ける妨げとなり、経済的な力や身体的、精神的、社会的な健康に影響を及ぼします。2年連続で、ホロジック世界女性健康指数は、19歳未満で初めて妊娠したと回答した女性は、より高い年齢で妊娠した女性と比べ、健康とウェルビーイングの各指標でスコアが低いことを明らかにしました。これらのスコアは、出生時の平均余命と強く相関するため、女性の健康を測る重要な指標です。健康状態が良くない女性や寿命が短い女性は、社会に十分に参加し、その能力を最大限に発揮して貢献することができません。
2030年までに性とリプロダクティブ・ヘルスサービスへの普遍的なアクセスを実現
国連は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」における家族計画の重要性を強調しました。SDGターゲット3.7は、2030年までに性とリプロダクティブ・ヘルスケアサービスへの普遍的なアクセスを確保することを目指しています。これには家族計画、情報提供、教育が含まれます。その実現には、公共、民間、非営利、学術の各セクター間の世界的な連携が必要です。米国を拠点とするジェファーソン・ヘルス、アラブ首長国連邦に本社を置くブルジール・ホールディングス、そして世界的企業のホロジックは、こうした協力のあり方を示しています。
救急部門で家族計画サービスを提供
ジェファーソン・ヘルスは、フィラデルフィア市における家族計画サービスへの構造的な障壁を特定し、対処に乗り出すことを決め、解決策の発見に取り組んでいます。確立された経路を通じてリプロダクティブ・ヘルスや性の医療を受けにくい女性や少女がいる多くの十分な支援を受けられていない地域社会と同様に、救急部門は、誰もが家族計画について相談できる場となります。米国には救急部門が6,000か所あり、出産可能年齢の女性約2,000万人が毎年、救急部門で医療を受けています。これは、特に十分な支援を受けられていない人々や社会的に周縁化された人々のアクセスを広げる大きな機会となります。
フィラデルフィアは、米国でも特に深刻な極度の貧困に苦しんでいます。極度の貧困の根本的な要因の一つは、ひとり親(母親)の世帯が多いことであり、世代を超えて貧困が連鎖する原因となっています。したがって、母親の課題を解決する社会的な取り組みは、その地域社会と社会全体の課題解決にもつながります。ジェファーソン・ヘルスは、救急部門を通じて地域の健康課題に対処してきた過去の成功例や先駆的な取り組みを参考に、家族計画でも同様のことを目指しています。
世界の反対側、アブダビでも、ブルジール・ホールディングスは、自社の医療施設を通じて新たな方法でサービスを提供し、家族計画サービスへのアクセスを広げる機会を見いだしました。同社はUAE、オマーン、インドで複数の医療施設を運営しており、今後数年間でサウジアラビア王国とアフリカにもサービスを拡大することを目指しています。同社の医療施設では、女性の健康や予防医療を含むあらゆる専門分野のケアを提供しています。
アクセス拡大に向けたブルジール・ホールディングスの取り組みを後押しするものとして、2019年の調査がUAEで実施され、家族計画サービスの検討に役立つ知見として、女性参加者の80%が家族計画に関するカウンセリングを不可欠と回答しました。一方、国連のデータによると、UAEの既婚女性の避妊実施率は、1990年の25.9%から2022年には51.4%に上昇しました。この調査では、より良い情報提供と教育、パートナーの関与、保険事業者による信頼性の高い避妊法の適用範囲の拡大も必要だと指摘されました。
独立しながらも同時期に類似の目標を掲げる医療機関は、ホロジックとともに、それぞれ「女性の健康イニシアチブ」の「救急部門における家族計画」プロジェクトを主導することを約束しました。
米国で現在進行中の研究に支えられ、このプロジェクトでは、米国全土で役立ち、可能であれば他国でも活用できるよう、救急部門で家族計画サービスを提供する創造的なプログラムを開発しています。また、UAEで出産可能年齢の女性にケアを提供するモデルプログラムも開発される予定で、インド、オマーン、サウジアラビアへの展開も視野に入れており、対象となる人々は合計で3億7,000万人を超えます。
国際連携が主導するこの新たな家族計画プロジェクトは、女性や少女の生活に、ひいては世界各地の地域社会や社会全体に、好影響をもたらすでしょう。
