次の感染症パンデミックに備えるために各国ができる6つのこと

A World Health Organization worker prepares an Ebola vaccination in the Democratic Republic of Congo
When Johns Hopkins researchers ran a simulation of the next disease outbreak, the results were darkly informative.Image: REUTERS/Kenny Katombe
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パンデミックはどれも、どこかで起きた小規模な感染症流行から始まります。次のパンデミックにつながり得る事態が始まったとき、私たちは早期に検知できるでしょうか。パンデミックに発展する可能性を認識できるでしょうか。限られた流行がパンデミックになるのを防ぐ手段はあるでしょうか。理論上、これらの問いへの答えは「はい」ですが、実際にはおそらく「いいえ」です。少なくとも、現時点ではそうです。

深刻なパンデミックが進行するなか、世界各地の政治指導者は、それに伴う複雑な政策課題にどう対処するのでしょうか。

ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの同僚たちと私は最近、こうした難題を、クレードXという1日がかりの机上演習で検討しました。この演習は、進行するパンデミックへの対応を協議する米国家安全保障会議の一連の会合を模擬するために設計されました。

参加者は、米政府の元高官8人と現職の連邦議会議員1人で、当センターのスタッフは専門家と進行役を務めました。ワシントンD.C.で、政府関係者、研究者、政策専門家150人の聴衆を前に実施されました。インターネットで生中継され、私たちの知る限り、この種の演習が進行中に一般公開されたのは初めてでした。

クレードXの進め方

シナリオは、パンデミックにつながる可能性があり、有効なワクチンも治療薬もない新型呼吸器ウイルスが、フランクフルトとカラカスで限定的な流行を引き起こすところから始まりました。シナリオは、2003年のSARS流行と2009年のH1N1インフルエンザ・パンデミックのデータを参考にした疫学モデルに基づいていました。架空のクレードXウイルスはSARSと同程度の致死性を持ち、インフルエンザとほぼ同程度に感染力が強い一方で、よりゆっくりと広がりました。

海外でのこの流行に、米国はどう対応すべきでしょうか。これらの都市からの渡航を禁止すべきでしょうか。援助を送るべきでしょうか。どのような援助を送れるでしょうか。他国はどう動くでしょうか。地政学的な状況はその判断にどう影響するでしょうか。これらが、参加者が最初に検討すべき課題でした。こうした問いの多くは、2014年に西アフリカで起きたエボラ流行の出来事をもとにしていました。演習を通じ、参加者は最近実際に起きた出来事から取り上げた難題に直面しました。

感染症は当初ゆっくりと広がりましたが、その後、指数関数的に拡大し、ウイルスが自然発生したものではなく、過激派グループが意図的に放出したことが明らかになりました。対応はどう変わるでしょうか。航空機による危険な病原体の国際輸送を検知、あるいは防止できるでしょうか。国際社会は実行犯をどう見つけるでしょうか。同じころ、米国で最初の感染例が小さな大学町で確認されました。大学を隔離すべきでしょうか。隔離措置はどう実施するのでしょうか。大規模な隔離はそもそも有効なのでしょうか。

死亡率が上昇し始める……

パンデミックが止めようもなく勢いを増すにつれ、医療従事者が感染し、病院は対応能力を超え、死亡率が上昇し始めました。商取引や世界経済にも影響が及びました。国際政策にも影響しました。深刻な被害を受けた国々で病院が機能不全に陥り、重症者を搬送する能力もごく限られるなか、米国は影響を受けた国々から軍隊や外交官を先制的に撤退させるべきでしょうか。

やがてワクチンの開発が進むと、参加者は限られたワクチン供給をどう配分するか決めなければなりませんでした。優先すべきなのは、不可欠な職務に就く人々でしょうか。それとも、この病気で死亡する可能性が最も高い人々でしょうか。不可欠な職務に就く人々を優先するなら、誰が「不可欠」なのでしょうか。どこで線を引くのでしょうか。そして、優先されない人々にどう説明するのでしょうか。

悲劇的な結末

6時間にわたり、経験と知識が豊富な政策立案者たちが、こうした問いなどに取り組みました。簡単な答えはありませんでした。最終的な結末は悲劇的でした。何億人もの死者、経済崩壊、社会の激変を伴う、歴史上最も壊滅的なパンデミックでした。

壊滅的な結末は、参加者の判断が誤っていたためではありません。むしろ、世界全体として、こうした流行に対応するために必要な能力への長期的な投資を行ってこなかったことを反映しています。発生確率は低くても影響が甚大なこの脅威には、解決策となり得るものがありますが、それには強力で持続的な政治的意思が必要です。

未来を変える6つの方法

演習の最後に、私たちは6つの長期的な政策目標を提案しました。実行されれば、クレードXと同規模のパンデミックの発生を防ぐ、または少なくとも影響を軽減できる目標です。

1. 新たな病原体に対するワクチン、治療薬、迅速診断法を、何年もかけずに数カ月以内に開発・製造する能力を確立する。

2. 強固で持続可能な世界的な健康安全保障体制を先導する。国際的な感染症緊急事態に対応できる臨床能力を整備し、現地に派遣できるようにする。

3. パンデミック対応の課題に対処できる、強靱で高い能力を備えた国内の公衆衛生体制に、より多く投資する。

4. 壊滅的なパンデミックに際し、米国の医療資源をすべて効果的に活用するための国家計画を策定する。

5. パンデミックのリスクを高める研究に対処するための国際戦略を実施する。

6. 国家安全保障に関わる組織が、感染症の緊急事態を防止、検知し、対応するための十分な備えを整える。

大惨事から得られる教訓

この演習では進行するパンデミックへの米国の対応に焦点を当てましたが、多くの国も同じ課題に直面するでしょう。したがって、演習から得られる教訓は普遍的です。

壊滅的なクレードXのシナリオが、最も起こりやすい感染症の緊急事態、あるいはパンデミックのシナリオだと主張するものではありません。しかし、科学的な根拠に十分裏付けられており、起こり得ることは確かです。

政府が、より起こりやすい小規模な流行の脅威に引き続き最も注意を払うべきことは承知しています。それでも、歴史の流れを大きく変えかねないパンデミック事象など、リスクの極端な領域にも一定の注意を向けるべきです。これまで、最も裕福な国々でさえ、この極端な領域をほとんど顧みてきませんでした。

その結果は、壊滅的なものになり得ます。実際に、そうなるでしょう。

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