インドの科学者300人は、COVID-19に関するフェイクニュースとどう闘っているのか

A doctor in a protective chamber takes a swab from a man to test for coronavirus disease (COVID-19) at a newly installed Walk-In Sample Kiosk (WISK) in a government-run hospital in Chennai, India, April 13, 2020. REUTERS/P. Ravikumar TPX IMAGES OF THE DAY - RC2N3G933Q6L
India remains under lockdown to curtail the spread of the coronavirus among its large population.Image: REUTERS/P. Ravikumar
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  • COVID-19が世界中に広がるにつれ、虚偽や誤解を招く情報も共に広がっている。

  • 400人の科学者が集まり、インド科学者COVID-19対応チームを結成した。ウイルスに関する誤情報の誤りを明らかにすることに取り組んでいる。

  • このグループはオンラインで互いに連絡を取り、連携してきた。

新型コロナウイルスは研究所で作られたのか。菜食でない食べ物を食べるのは危険なのか。牛の尿や糞で身を守れるのか。インド人はコロナウイルスに対する免疫力が高いのか。

違う、違う、違う、そしておそらく違う。

これらは、インドの科学者たちが協力して、病気に関する神話や誤情報と闘う共同の取り組みの一環として、暴いてきた最初のいくつかの有名なデマだ。コロナウイルスがインド全土に広がり、確認された感染者数が5,000人を超え、死者が160人以上に上るなか、ウイルスをめぐる噂やフェイクニュースも広がっている。その内容は、陰謀論から、中国に関するものやインドのナショナリズムに基づく説にまで及ぶ。

「私たちは、広まっているニュースをもとに、病気の起源、拡大、治療法に関する幅広い問題に取り組んできました」と語るのは、ムンバイのホミ・バーバ科学教育センターで科学コミュニケーションを担当し、デマ検証チームにも参加するアニケット・スレ氏だ。「科学コミュニケーションは私の関心分野なので、この取り組みに自ら参加しました。この危機では誰にでも役割があり、それぞれが得意なことを通じて貢献できます。」

フェイクニュースと闘う

デマ検証チームは、インド全土の有志による取り組みとして組織された複数のグループの一つにすぎない。インド科学者COVID-19対応チーム(ISRC)約2週間前に始まったこの取り組みには、国内20を超える科学・研究機関から400人以上の科学者が参加している。ボランティアには、天体物理学者、動物行動学者、コンピューター科学者、数学者、エンジニア、化学者、生物学者、医師、社会科学者などが名を連ねる。目標には、情報の検証と発信に加え、「入手可能なすべてのデータを分析し、根拠に基づく行動を取れるよう、国、州、地方の各政府を支援する」ことが含まれる。

オンラインのグループは、絶えず意見が交わされる活気あふれる場だ。Image: インド科学者COVID-19対応チーム(ISRC)

このため、分科グループは、病気の拡大と感染伝播の数理モデル化、一般市民やメディアに向けた平易な広報・情報発信、地域言語での基礎資料の翻訳、ハードウェアの解決策やアプリの開発に取り組んでいる。

「医療やヘルスケアに携わる人たちが仕事をしている一方で、私たちのような者には何ができるだろう、と考えました」と語るのは、チェンナイの数理科学研究所(IMSc)で理論計算機科学を教え、この取り組みを始めたR・ラマヌジャム氏だ。「対応するのは私たちの責任です。そこでメーリングリストを始め、それがGoogleグループへと発展しました。」

行動計画

各グループはオンラインで連絡を取り、連携してきた。科学者たちは関心や専門性に応じて分科グループに参加している。このような状況で力を発揮できるのは、医療やヘルスケアの専門家だけではない。

「個人がどのように感染するかは、確かに生物学の問題です。しかし私たちが見ているのは、社会の中で感染がどう広がるかであり、大勢の人々を対象にしています」と、IMScの計算生物学者ラフル・シッダールタン氏は語る。

「物理学者は、力学系のモデル化や微分方程式を扱う経験が豊富ですし、コンピューター科学者やデータ科学者は入手可能なデータを分析できます。学際的な取り組みが必要で、人々が話し合い、同じ場に集まる必要があります。」インドでの全面的なロックダウンは、新たな協力関係を生み、科学者が全国の同僚と話すきっかけになるかもしれない。「普段は自分の研究機関の同僚と話しますが、今はどこにいようと関係ありません。いずれにせよ、オンラインで皆と話す必要があります」とシッダールタン氏は語る。「この先、ここから新たな研究の方向性が生まれるかもしれません。」

この科学者たちは、IIT、IISER、TIFR、NCBS、アショカ大学など、インドでよく知られた研究機関に所属しているが、ISRCは特定の機関主導の組織ではない。「通常の研究や教育の仕事もありますが、それと並行して有志で取り組んでいます」とラマヌジャム氏は語る。

優れた政策には優れた科学が不可欠であり、今回のような公衆衛生上の危機ではなおさらだ。「多くの知恵を持ち寄り、このテーマについて意見を練り上げることで、政府にとって実際に役立つ何かができればと思います」とシッダールタン氏は語る。

取り組みを強化

このグループは政府と正式な関係にはないものの、取り組みの内容や議論の成果を政府関係者に伝えてきた。ラマヌジャム氏によると、「前向きな反応」が寄せられているという。

オンラインのグループ自体が、アイデア、リンク、ニュース、研究論文、議論、データが絶えず行き交う活気あふれる場となっている。議論は、試験中の特定の薬の有効性から、妊娠中に感染が起こり得るかどうか、手頃な価格の人工呼吸器やアプリの製作まで多岐にわたる。その成果は、新しいウェブサイトの各項目に、順次掲載されている。

科学研究は一つの柱であり、他の科学者や医療従事者を対象としている。もう一つの重要な柱は、情報発信、解説、一般市民への働きかけだ。

「このような状況では、二つのことが重要です。一つは、人々に警戒は必要だが、パニックになる必要はないと伝えることです」と語るのは、科学技術省傘下の機関ヴィギャン・プラサールの上級科学者で、二つの分科グループに参加するT・V・ヴェンカテシュワラン氏だ。「不安に駆られることは本人にとっても社会にとってもよくありません。例えば、北東部出身の人を侮辱的な呼び名で呼んだり、隔離中の人に偏見を向けたりするなど、反社会的な行動につながることもあります。もう一つは、誤って広まった治療法や噂を信じ込まないことです。人々が安心できるよう、広まっている誤情報すべてに対抗する必要があります。」

デマの検証に加え、このグループはインドの諸言語によるリンク、動画、記事を集め、他の資料の翻訳にも取り組んでいる。

「私はウイルス学や疫学、モデリングの専門家ではありませんが、科学コミュニケーションに関心があるので、翻訳とあわせてその面でも手伝おうと思いました」と語るのは、動物行動学者で、コルカタのIISER准教授を務めるアニンディタ・バドラ氏だ。自分の強みは情報の普及にあると考えている。「ソーシャルメディアで発信していて、それも私にできる支援の一つです」と彼女は言う。「こうした情報を一般の人々に伝えられる人が必要です。」

このグループは主に科学、技術、数学分野の男女で構成されているが、今後はより多くの社会科学者にも参加してほしいと考えている。

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