肥満への対策不足は持続可能な開発に悪影響を及ぼす

The number of people with obesity could skyrocket to 850 million globally by 2025. We need to act now.Image: World Obesity Foundation
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世界を変革し、2030年アジェンダで掲げられた目標を達成するまでに残された期間は4,000日余りです。その中で、他のすべてに影響を及ぼす重要な目標、すなわち 持続可能な開発目標3:「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」。この目標は、他のすべての経済的、環境的、社会的目標の達成にとって極めて重要です。健康で活力のある人口があってこそ、これらの目標は実現可能になるからです。

SDG3の多くのターゲットでは大きな進展が見られますが、ターゲット3.4「予防と治療を通じて非感染性疾患(NCD)による早死を3分の1削減し、メンタルヘルスと福祉を促進する」は、著しく遅れています。世界保健機関によれば、NCDによる死亡は 2010年の3,600万人から2016年には4,050万人へと12.5%増加しました。

肥満の増加は、SDG3の達成を損なうことになります

防ぎ得る死亡や苦痛の増加を防ぐには、肥満に対する断固たる行動が必要です。肥満はNCDの危険因子であるとともに、それ自体が疾患でもあります。肥満と 心血管疾患との間には有意な関連があることが、一般的に認められています。心血管疾患は、 世界的な主要死因です。同様に、2型糖尿病をはじめとする多くの疾患も、肥満と関連することが多いとされています。

肥満の有病率は1975年以降ほぼ3倍となり、 世界で6億5,000万人以上が現在肥満を抱えて生活しています。世界肥満連盟の予測では、現状を放置すれば、肥満の人の数は 2025年までに8億5,000万人へと急増する可能性があり、NCD関連の死亡者数を増加させ、2030年の期限の5年前にSDG3.4の達成を困難にすると見られています。

肥満は個人の責任ではありません

肥満の子どもと成人は、いずれも偏見とスティグマの対象となっており、それが当事者の健康状態の悪化を助長しています。例えばオーストラリアでは、 肥満の人の3人に2人が、日常生活において、スティグマを直接的または明白に経験したことが少なくとも1回あると報告しています。体重による偏見とスティグマは、肥満は意志の弱さ、怠惰、あるいは暴食の結果であり、個人のみの責任であるという誤解に根差しています。個人の習慣ばかりに注目すると、社会が疾患の増加に対抗する行動を取れなくなります。

こうした誤解は、肥満の人々の日常生活の多くの側面に影響を及ぼし、受診を妨げたり、医療専門家からの支援不足を招いたりする可能性があります。米国では医師の2人に1人(50%)が、肥満の患者を「扱いにくく、魅力がなく、醜く、指示に従わない」と見なしています。肥満を他のあらゆる疾患と同様に扱わないことは、対応しないという悪循環につながり、肥満関連の合併症のリスクを高めます。

Image: 肥満におけるスティグマと偏見の悪循環。Rebecca M Puhl, PhDの資料を基に作成

複数の研究で、体重減少は肥満の人の合併症リスクの低下や全般的な健康の改善と関連することが示されています。しかし、体重を減らし、低い体重を維持することは困難な場合があります。一度体重が増えると、体はその体重を維持するように積極的に働きます。体重減少は ホルモン反応を引き起こし、食欲の増加とエネルギー消費の減少をもたらします。この反応は、最初の体重減少から数年経つまで治まりません。

小児肥満の増大は、偏見とスティグマが、肥満につながる要因への対応を社会が妨げていることを示しています。現在、19歳未満の 3億8,000万人を超える子どもと若者が、すでに過体重または肥満の状態にあります。

個人を非難し続けることは、公正でも正確でもありません。社会として、肥満を個人と社会の双方による行動を必要とする疾患として認識しない限り、NCDとともに生き、またNCDで命を落とす人々が増え続け、SDGの達成からますます遠ざかることを直視しなければなりません。

肥満は 複雑で進行性の疾患であり、生理学的、心理学的、遺伝的、環境的、社会経済的な問題など、複数の要因によって引き起こされます。

人の代謝バランスは、生涯を通じて多くの要因の影響を受けます

肥満への対応には、社会全体での責任の分担が必要です

私たちはすでに肥満の大流行の代償を支払っています。この疾患による健康への影響は、2018年だけで 8,500億ドルを超えるコストになると推計されています。何もしなければ、この額は 2025年までに1.2兆ドルに増加し、SDGの達成を決定的に困難にする恐れがあります。

状況を変えるには、肥満の人々に対する姿勢を改め、疾患の真の要因を理解することが必要であり、そのためには社会全体の広範な対応が求められます。肥満への対策を効果的に進めるには、次のことが必要です。

1. 影響を受けている人々を尊厳と敬意をもって扱い、他の重篤な慢性疾患を抱える人々と同等の水準で、患者本位のケアを平等に受ける権利を保障すること。

2. 政策立案者、肥満の当事者、医療専門家、民間セクターを含む、幅広い関係者の連携を強化すること。

3. 食品、運動、交通において、容易な選択が健康的な選択となる環境を整備すること。

無駄にしている時間はありません。問題が手に負えなくなる前に、今こそ肥満の負担を軽減するための大胆かつ協調的な行動が必要です。

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