企業が新型コロナウイルスに備えるべき3つの方法

A man wears protective mask following the outbreak of a new coronavirus, during their morning commute in a station, in Hong Kong, China February 10, 2020. REUTERS/Tyrone Siu - RC2EXE9JPEXU
A man wears a protective mask during the morning commute in Hong Kong following the outbreak of a new coronavirusImage: REUTERS/Tyrone Siu
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  • 企業は在宅勤務用の技術をテストし、リモートワークや病気休暇に関する方針を見直して準備しておく必要がある。

  • 雇用主が従業員に伝える内容と伝え方は、新型コロナウイルスに関して極めて重要である。

  • 世界的な感染症への備えと対応は資金不足に陥っており、ビジネス界はこの不足を補う必要がある。

先週、チーム全員で在宅勤務をする日を設けた。新型コロナウイルスの流行による混乱が現実に起こり得るなか、事業継続計画の担当者は、各部門にリモートで業務を行う能力を試すよう強く促していた。

テストの前夜、子どもの学校から「緊急休校:詳細はメールをご確認ください」というメッセージが届いた。イタリアの学期中休暇から戻った生徒たちが体調を崩しており、予防措置として休校することになった。

私にとって、これは単なる訓練では済まなくなった。

この経験を通じて、感染症が社会に及ぼす影響がいかに広範囲に及ぶかを、身をもって実感した。新型コロナウイルスへの感染が一例も確認されていない段階で、数百世帯が子どもの世話をするため急きょ対応を迫られた。会議や出張はキャンセルされ、プロジェクトは遅れ、収入も失われただろう。結局、私たちの学校が休校したのはわずか2日間だったが、これが国全体で数週間続けばどうなるか――日本では4月まで休校が続く――社会への影響は構造的なものになる。

したがって、新型コロナウイルスへの対応において雇用主が果たす役割は極めて重要だ。私の場合、勤務先である慈善財団ウェルカムが、休校や自主隔離、検疫措置の期間中に従業員をどう支援するか、すでに検討していたのは幸いだった。

新型コロナウイルスは遅かれ早かれあらゆる国に到達する可能性が高く、その際には何らかの混乱が避けられない。企業やその他の雇用主には、自社の事業運営と社会全体への悪影響を助長するのではなく抑えるために、準備し対応する重要な方法が3つある。

第一に、自社の従業員に関する判断がある。学校が休校になったり、列車が運休したりすれば、人々は自宅にとどまらざるを得ない。必要になる前に、在宅勤務の技術を今テストしておくとよい。試行では、適切なビデオ会議ソフトが入っていないノートパソコンや、性能の悪いマイクが見つかった。今週なら修正できるが、全員が自宅から出られなくなってからでは対応できない。

いざというときに備え、今のうちに答えを出しておくべき問いはほかにも多い。学校が休校になったり、家族が自主隔離したりする場合、子どもの世話をしながら在宅勤務する親を妨げる規則を免除するだろうか。自主隔離を求められた従業員に賃金を支払うだろうか。厳密には病気休暇の対象にならず、当然ながら収益にも影響するが、感染者が出勤することで事業(まして社会)に生じるコストは、はるかに大きくなる可能性がある。子どもの学校が休校になった場合、どのような状況で親に自主隔離を求めるのか。在宅では遂行できない職務にはどう対応するのか。従業員はウイルスが目前に迫る前に、自分がどうなるのかを知っておく必要がある。

国別に見た新型コロナウイルスの影響Image: Statista

第二に、雇用主が従業員に伝える情報は、この感染症について従業員が受け取る情報のなかで最も重要なものの一つとなる。エデルマン・トラスト・バロメーターは、人々が社会に関する情報の発信者のうち、自分の雇用主を最も信頼していると繰り返し示している。一般の企業、政府、メディア、NGOを20ポイント差で上回る。上司が話せば人々は耳を傾ける。雇用主の助言の口調、正確さ、関連性が、冷静さとパニックの分かれ目になり得る。

雇用主は今、世界保健機関(WHO)、米国疾病対策センター、英国公衆衛生庁が検証した情報をどのように従業員に伝えるかを考えておくべきだ。独自に推測したり、これらの機関の見解を超える情報を伝えたりしてはならない。この取り組みを容易にするため、ウェルカム、エデルマン、世界経済フォーラムなどはWHOと連携し、正確でタイムリーな新型コロナウイルス情報を雇用主に提供し、社内イントラネットで周知できるプラットフォームを構築している。参加に関心のある企業からのご連絡をお待ちしている。

新型コロナウイルスが株式市場に与えた影響Image: Statisa

最後に、大企業にはより大きな役割がある。世界的な感染症への備えと対応は資金不足に陥っている。豊かな国々には新型コロナウイルス対策を講じる余裕がある一方、3か月足らずでウイルスが世界に広がったことで、国際保健の強さは最も脆弱で貧しい医療体制の強さに左右されることが明らかになった。新型コロナウイルスに対する薬やワクチンはなく、それらを開発する研究にも資金が必要だ。高所得国の政府、慈善団体、世界銀行のような国際金融機関から多額の資金拠出が求められており、企業にも貢献が求められる。

先見性のある企業は、これを賢明な投資と捉えるべきだ。新型コロナウイルスへの対応に世界が必要とする数百億ドルは、先週の株式市場で消失した数兆ドルに比べれば取るに足らない。顧客や従業員は、企業が地球規模の公共財の支援により大きな役割を果たし、株主の利益だけにとどまらない視野を持つことをますます期待している。ここで社会的目的やステークホルダー資本主義の概念を持ち出す必要はない。この危機は社会全体と同様、株主にとっても脅威なのだ。

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