刻々と迫る危機:気候変動の影響に対応する備えは医療システムにあるのか?

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  • 最新のIPCC報告書は、気候変動が健康に及ぼす影響について警告しています。

  • COVID-19のパンデミックは、世界的な保健危機に直面した際、国際社会が動員し、迅速に行動できることを示しました。

  • 世界銀行は「気候スマートな医療」を推進しています。これは、各国が保健インフラを強化し、気候変動の影響に対するレジリエンスを高める取り組みです。

世界保健デーにあたり、私たちが直面する気候変動の課題の大きさを振り返り、COVID-19のパンデミックから得られる教訓が、気候危機による健康課題に各国が対処するうえでどのように役立つかを考えます。

2022年4月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は6回目となる報告書を発表し、現在および今後数十年に予想される健康への影響について警告しました。状況は深刻であり、行動を起こさなければなりません。最近のIPCC報告書はすでに、致命的な暑熱ストレスにさらされる人々の割合が、世界全体で現在の30%から今世紀末までに最大76%に増えると予測しています。運がよくても、世界人口の半数弱が致命的な暑熱ストレスにさらされることになります。

これは人々の健康に影響を与える気候の脅威の一つにすぎません。洪水、干ばつ、暴風、海面上昇、極端な降水など、ほかにも数多くあります。脅威はさらに多岐にわたり、貧困と不平等がこうしたショックの影響を一層深刻化させます。

パンデミックへの対応から、気候変動の課題への取り組みについて何を学べるでしょうか?

世界銀行は、こうした重要な地球規模の課題に真剣に取り組んでいます。気候変動は、世界が克服すべき最大の課題です。COVID-19のような世界的なパンデミックも非常に複雑な問題です。これらへの対応経験から、気候危機によって予想される健康リスクへの対処に役立つ、どのような教訓を得られるでしょうか?

すでにどのような教訓を引き出せるでしょうか。世界的なCOVID-19対応は、各国政府と国際社会が迅速かつ大規模に行動できることを示しました。重要な教訓は、必要なときに資源を動員できるということです。世界銀行は、COVID-19の健康への影響に対応し、ワクチン接種を拡大するため、100を超える国々に120億ドルを提供しました。もう一つの心強い教訓は、国際機関は世界的な緊急事態に直面した際、より迅速に行動し、非常に具体的な健康課題に集中できるよう適応できるということです。

気候スマートな医療が必要

「COVID-19と気候スマートな医療:COVID-19危機と気候危機への相乗的対応に向けた保健セクターの機会」は、世界銀行と気候投資基金(CIF)が共同で作成した報告書で、気候スマートな解決策をいくつか示しています。

この報告書は、COVID-19への対応において低炭素で気候レジリエンスの高いアプローチを採用すれば、各国はパンデミックという課題を、気候変動の影響に対する保健インフラのレジリエンスを高めるとともに、感染症という絶え間ない脅威にも対処する機会に変えられることを示しました。持続可能性の促進と脱炭素化を目指す緊急介入は、今後、気候スマートなユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)制度を設計する際の基盤となり得ます。効果的な介入の例をいくつか挙げます。

  • ガンビアは、医療廃棄物処理に伴うカーボンフットプリントを削減できました。

  • ガーナは、COVID-19の予防接種を支える持続可能なワクチン・コールドチェーンを構築し、気候変動に関する公約の履行も可能にしました。

  • インドは、COVID-19の検査、隔離、治療のため、気候変動に強い太陽光発電施設を建設し、医療提供の継続性の向上と確保を図っています。

  • フィリピンの「People’s Survival Fund」は、パンデミックへの備えと気候変動への適応を組み合わせた取り組みなどを通じ、地方自治体による気候変動への適応を支援しています。

  • COVID以外にも多くの課題に直面するイエメンでは、COVID-19対応の一環として、電子統合疾病早期警戒システム(eIDEWS)を導入できました。

これらは優れた事例ですが、必要な取り組みのほんの一端にすぎないことは明らかです。もっと多くのことを、もっと迅速に進める必要があります。

分かっていることと分かっていないことを見極める

第一歩は知識です。行動を起こすのに十分なことは、すでに分かっています。一方、どこで行動すべきか、どれほどの費用がかかるかについては、まだ十分に分かっていません。CIFなどのパートナーの支援を受け、世界銀行はこれらの問いに答えるため、二つの主要な分析に取り組んでいます。

第一に、気候・健康脆弱性評価(CHVA)のプログラムを拡大しています。これは、気候変動による人々の健康リスクを国レベルおよび国内の地域レベルで評価し、リスク軽減のために実施できる公衆衛生政策やプログラムを示すものです。

第二に、気候・健康経済評価ツール(CHEVT)の開発を通じて、費用の問題に取り組んでいます。このツールは、選定した健康リスクについて気候変動に起因する疾病負担とその経済的影響をモデル化します。国レベルおよび国内の地域レベルで、現在と将来の気候関連の健康負担と経済的費用を推計するのに役立ちます。これにより、政府が扱える形で問題を示すことができます。

気候スマートな医療に注力することは、将来の気候ショックに耐えられる強靱な保健システムを構築し、個人と地域社会の健康を守るための最善の機会を各国にもたらします。世界銀行はこの課題への取り組みを拡大することを目指し、各国を対象に実務面・分析面のプロジェクトやツールを支援することを約束しています。

気候変動に対して、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか?

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