欧州連合(EU)の財務相らは、新型コロナ対策として5,000億ユーロ規模の財政支援策で合意した。
この支援策には、欧州投資銀行が企業に融資する2,000億ユーロと、欧州安定メカニズム(ESM)の救済基金が各国政府に提供する2,400億ユーロの低利融資が含まれる。
この支援策により、感染拡大へのEUの財政対応総額は3兆2,000億ユーロ(3兆5,000億ドル)となり、世界最大規模になる。
この支援策は、EU加盟27カ国の首脳による承認をまだ得ていない。
欧州連合(EU)の財務相らは4月9日、新型コロナウイルスの打撃を受けた経済を支えるため、5,000億ユーロ規模の支援で合意した。一方、深刻な景気後退が見込まれるEUの復興資金をどう賄うかという問題は先送りされた。
EUの有力国ドイツとフランスが強硬な姿勢を示し、パンデミックの影響に耐える各国政府への緊急融資に経済条件を付けることに反対していたオランダを退かせ、EUが連帯を示すとの保証をイタリアに提示したことで、合意に至った。
しかし、この合意には復興資金として共同債務を活用する案への言及はない。イタリア、フランス、スペインが強く求めた一方で、ドイツ、オランダ、フィンランド、オーストリアにとっては譲れない一線となっている。
「革新的な金融手段」を適用するかどうかの判断はEU加盟27カ国の首脳に委ねられたにすぎず、この問題をめぐる難航が予想される協議は、まだ数多く残されていた。
フランスのブルーノ・ルメール財務相は、「欧州はこの危機に対応できることを示した」と述べ、EU史上最も重要な経済計画だとする今回の計画を称賛した。
4月9日早く、イタリアのジュゼッペ・コンテ首相は、新型コロナウイルスによるCOVID-19パンデミックにEUが結束して立ち向かえなければ、EUそのものの存続が脅かされると警告した。

数週間にわたり、EU加盟国はパンデミックに直面して結束した対応を示すのに苦慮してきた。資金、医療機器や医薬品、国境規制、貿易制限をめぐって対立し、難航する協議の中で根深い分断が露呈した。
ルメール氏が合意によって債務の共同化への道が開かれたと述べた一方、オランダのウォプケ・フックストラ財務相は、正反対の見解を強調した。
「私たちはユーロ債に反対しており、今後も反対し続ける。この構想は長期的に欧州やオランダの助けにはならないと考えている」と、協議終了後にフックストラ氏は述べた。
揺らぐ連帯
今週初め、16時間に及ぶ徹夜の協議でも合意に至らず、その後の協議を議長として取りまとめたマリオ・センテノ氏は、企業が雇用を減らさずに労働時間を短縮できるよう、賃金補助制度に1,000億ユーロを充てると述べた。
同氏によると、欧州投資銀行は企業向け融資を2,000億ユーロ増やし、ユーロ圏の欧州安定メカニズム(ESM)救済基金は各国政府に2,400億ユーロの低利融資を提供する。
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は同日早く、コンテ氏とオランダのマーク・ルッテ首相と電話で会談し、最終合意への道を開いた。この合意は今後数日中にEU加盟27カ国の首脳の承認を待つ。
メルケル氏は、コンテ氏と「欧州が最も困難な時期の一つ、あるいは最も困難な時期を迎えている今、連帯が緊急に必要である」との認識で一致したと述べた。

メルケル氏はまた、ベルリンが共同発行債務に同意することはないと明言したが、ほかの資金調達手段はあると述べた。
この問題をめぐる協議は、これまで財政規律を重視する北部と、パンデミックの打撃を最も強く受けた債務の多い南部との間で難航してきた。
この支援策により、感染拡大へのEUの財政対応総額は3兆2,000億ユーロ(3兆5,000億ドル)となり、世界最大規模になる。
しかし、経済成長をどう再始動させるかをめぐる論争は続いた。欧州委員会のパオロ・ジェンティローニ経済担当委員は、そのための資金を2021~27年の次期EU共同予算を担保に調達できると述べた。
(1ドル=0.9205ユーロ)


