アフリカで広まる新型コロナウイルスをめぐる9つの俗説を検証

A member of medical staff wearing protective equipment takes a swab from a woman during screening tests, at the first reception center built to hold coronavirus disease screening tests, amid the spread of the coronavirus isease (COVID-19), in Abidjan, Ivory Coast April 15, 2020. REUTERS/Luc Gnago - RC295G9N7CEC
False rumours across the continent suggest that Africans can not be infected by the coronavirus.Image: REUTERS/Luc Gnago
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  • 誤情報の拡散は、COVID-19のパンデミックにおいて非常に大きな害をもたらす可能性があります。

  • アフリカでは多くの俗説が広まっています。紅茶を飲めばウイルスに感染しないという説もその一つです。

3月第2週、世界保健機関(WHO)はCOVID-19をパンデミックと宣言しました。3月中旬までに、この病気は世界各地の多くの国で急速に広がっていました。

各国政府は、都市の全面封鎖をはじめとする抜本的な措置や、新型コロナウイルスSARS-CoV-2が引き起こす感染症の拡大を食い止めるための大規模な保健対策を講じています。

SARS-CoV-2については、まだ多くのことが分かっていません。科学的情報が限られていることが、数々の俗説や誤解を生む一因となっています。広まっている主張の中には無害なものもありますが、危険につながりかねないものもあります。

アフリカのソーシャルメディアで広まっている9つの誤解を特定し、それらに反論することにしました。俗説を検証する目的は、人々に信頼できる情報を届けることです。また、誤情報や偽情報に対抗するため、ソーシャルメディアで共有できる、科学的根拠に基づく確かな答えを提供することです。

俗説1:SARS-CoV-2はアフリカ人には影響しない

大陸全域で、ウイルスは黒人には感染しないといううわさが広く流れていました。感染者の初期の一人であるカメルーン人留学生が中国で治療によく反応したことも、こうしたうわさの一因でした。

しかし、証拠はありません。メラニンが黒人を新型コロナウイルスから守るという証拠はありません。また、アフリカ人の血液組成が新型コロナウイルスへの感染を防ぐという科学的根拠もありません。

この誤情報は、伝説的なカメルーン人ミュージシャンのマヌ・ディバンゴや、ジンバブエのメディア関係者であるゾロロ・マカンバなど、著名な黒人アフリカ人が亡くなった後も広まり続けました。

この俗説はアフリカに限ったものではありません。最近、Twitterでは、アフリカ系米国人は新型コロナウイルスに免疫があるという主張が話題になっています。

俗説2:SARS-CoV-2はアフリカの温暖な気候では生存できない

査読前の研究が、ウイルスの生存に気温が関係する可能性を示したことを受け、この俗説が広まりました。よく引用された情報源の一つに、香港大学の病理学教授ジョン・ニコルズ氏がいます。同氏は、こう述べました。「寒冷な環境では、温暖な環境よりウイルスが長く生存する」。

高温多湿の国を含め、あらゆる地域でウイルスは感染する可能性があります。Image: WHO

しかし、この主張は検証済みの研究に基づくものではありませんでした。それにもかかわらず、アフリカの温暖な気候ではウイルスが繁殖できない証拠として取り上げられました。

WHOによると、ウイルスはあらゆる地域で感染する可能性があり、高温多湿の国も例外ではありません。

COVID-19の感染例がない唯一の大陸は南極大陸です。この状況は変わる可能性があります。

俗説3:アルコールや塩素を全身に吹きかける

アルコールを60%以上含む手指消毒剤には、新型コロナウイルスを死滅させる効果があることが分かっています。しかし、アルコールを吹きかけ、塩素とともに使えばウイルスを死滅させられるという俗説も広まっています。

アルコールや塩素は、ウイルスがすでに体内に入っている場合、死滅させることはできません。

アルコールを全身に吹きかけると、特に目や口に害を及ぼすおそれがあります。重要なのは、消毒剤に含まれるアルコールは飲用のアルコールとは異なるということです。飲用のアルコール濃度は最大40%ですが、手指消毒剤には60%以上が必要です。

俗説4:朝一番に紅茶を飲む

ケニアのメディアは、朝一番に紅茶を飲むとCOVID-19に効果があるという誤った主張を報じています。

これは事実ではありません。紅茶がウイルスから人を守ることを示す証拠はありません。こうした主張は、根拠のない安心感を生み、危険につながる可能性があります。

安全な対人距離を保ち、石けんと水で20秒間手を洗うことで、新型コロナウイルスの感染を予防できます。

俗説5:ライムやレモン入りのペッパースープでウイルスを排出できる

ペッパースープをめぐる俗説は、主にナイジェリアで広まっています。

コショウには抗酸化作用、解毒作用、抗菌作用があります。しかし、SARS-CoV-2の感染を防いだり、ウイルスを死滅させたりする証拠はありません。また、コショウはビタミンCを豊富に含み、免疫機能の維持に役立ちます。

同様に、レモンやライムにもビタミンCが多く含まれます。しかし、感染者の体内からウイルスを排出するという主張を裏付ける証拠はありません。

俗説6:ニームの葉で顔を蒸し、その蒸気を吸い込む

ニームを使った蒸気療法でCOVID-19を予防できるという主張が、主にガーナで広まっています。アーユルヴェーダの専門家によると、分かっているのは、ニームは役立つ可能性があるということです。免疫機能を強化し、ウイルス感染を防ぐ助けになるとされています。

ニームには、免疫調節作用、抗炎症作用、血糖降下作用、抗酸化作用、抗発がん作用があるとされています。しかし、米国疾病対策センター(CDC)は、ニームを使った蒸気を吸入することで新型コロナウイルスを予防できることを示す臨床的証拠はないと強調しています。

俗説7:ビタミンCの錠剤でCOVID-19を予防できる

ビタミンCには、よく知られた抗酸化作用があります。細胞や組織を傷つけ、炎症を引き起こす荷電粒子であるフリーラジカルを中和し、体内の組織が損傷するのを防ぎます。また、ビタミンCは病原体から体を守ることでも知られています。

しかし、ビタミンCがCOVID-19への感染を防げるという証拠はありません。COVID-19患者へのビタミンC使用に関する試験は行われていますが、いずれも決定的な証拠を示していません。

俗説8:マラリアにかかったことがあれば免疫がある

マラリア流行国では、新型コロナウイルスの新規感染リスクが低いと示唆する投稿が、ソーシャルメディア上でいくつも見られます。

これを裏付ける証拠はありません。

マラリアは寄生虫が原因で、感染したハマダラカに刺されることで人に感染します。以前はクロロキンとヒドロキシクロロキンで治療されていました。これらはそれぞれ、抗マラリア薬と、炎症を抑えるための自己免疫疾患治療薬として使用されてきました。

クロロキンへの過剰な期待は、世界的な品不足を招き、人々が自己判断で服用する事態につながりました。専門家は、高用量では薬に毒性があると警告しています。

俗説9:インフルエンザの予防接種で身を守れる

医療従事者が人々に、インフルエンザの予防接種を受けるよう勧めていることから、インフルエンザワクチンが新型コロナウイルスにも効くという誤解が生まれたのかもしれません。

いいえ、効きません。インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスにのみ有効です。しかも、インフルエンザウイルスの一部にしか効果はありません。

これまでに、人に感染するコロナウイルスは6種類知られており、そのうち4種類は一般的な風邪を引き起こします。残る2種類は、2002年と2012年にそれぞれ確認された重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)と中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)です。

現在、7番目のコロナウイルス、SARS-CoV-2があります。

インフルエンザの予防接種がコロナウイルスから人々を守るという科学的証拠はありません。

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