IMF:新型コロナが労働者間で生じさせる不平等な影響を抑えるには

Craig McCall of Tacoma, Washington, who was furloughed from his job at the Emerald Queen Casino, fills out paperwork to donate blood during a Pop-Up Blood Drive experience at T-Mobile Park, the stadium of Major League Baseball's Seattle Mariners, as efforts continue to help slow the spread of the coronavirus disease (COVID-19) in Seattle, Washington, U.S. April 13, 2020.
Research finds that job retention support can more quickly reduce the rise in income inequality in the first few months after a crisis hits.Image: REUTERS/Jason Redmond
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  • 新型コロナが短期的および持続的な失業に及ぼす影響は、世界各地で異なっている。

  • IMFによると、適切な政策パッケージは、パンデミックがもたらす雇用への負の影響と不平等な影響を緩和しうる。

  • 以下の図は、そのためには雇用維持と労働者の再配置の両方を支援する組み合わせが必要になることを示している。

低技能労働者と若年労働者は、パンデミックによって最も深刻な打撃を受けた層の一つであり、昨年は記録的な規模で職を失った。経済がポストパンデミックの世界に適応し直す中で、これらの職の一部は二度と戻らない可能性がある。経済における職種構成については、長期的な変化が生じる可能性が高い。一部の産業や職業は恒久的に縮小する一方、他の分野は拡大するとみられる。多くの失業者がパンデミック以前の給与水準の回復に依然として苦労しており、ほかにも基本的な構造変化が進行中であるため、労働者間の所得格差は今後さらに拡大する可能性が高い。

当機関の最新の週間チャートで示すとおり、2021年4月の『世界経済見通し』による調査では、雇用維持支援(青い線で示す)は、危機の発生後最初の数か月において所得格差の拡大をより速やかに抑制しうることが明らかになった。その後に労働者の職種転換や新たな職への再配置を支援する措置を組み合わせた場合、当機関の分析によれば、適切な順序で組み合わせた政策パッケージ(赤い線で示す)は、どちらか一方の政策だけを用いた場合と比べて、中期的な所得格差の拡大をより効果的に抑制しうる。これは、所得格差の一般的な指標であるジニ係数(Gini index)の低下に表れている。

洪水のリスクが高い地域において、浮き家は住民を守ることができるだろうか?Image: IMF

雇用維持支援は、部分的な失業給付や、労働者と雇用主のつながりを維持するためのその他の補助金を含むものであり、パンデミックが深刻で、ロックダウンなどの封じ込め措置が実施されている時期に講じるべきである。これらの政策により、より脆弱な労働者が失業に陥るのを防ぎ、パンデミックによる所得格差の拡大を緩和する。例えば、英国とスペインは、これらの政策を用いて雇用の減少を小さく抑えることに成功している。また、これらの政策は貴重な雇用のマッチングを維持するため、いずれ職に復帰できると見込まれる労働者の将来の所得の見通しも保たれる。多くの人々が非公式な職に就いている新興市場では、これらの労働者に支援が届くよう、支援政策の調整が必要となる場合がある。例えばブラジルとドミニカ共和国は、非公式労働者を対象とした現金給付プログラムの導入に成功している。

ただし、すべての職が戻ってくるわけではない。したがって、パンデミックが収束し経済活動が再開するにつれて、(再)訓練プログラム、求職支援、採用および起業のインセンティブを含む労働者の再配置支援を拡充し、スキルのミスマッチを縮小させるとともに、雇用創出を促す必要がある。これにより、失業者が新たな職をより速やかに見つけられるようになる。アイルランドやオランダなどの国々は、労働者の訓練プログラムへの投資や、失業者の新たな職探しの支援においてすでに大きな前進を遂げている。これは労働者の所得を押し上げ、長期的には不平等を縮小させる。

適切な政策パッケージ——雇用維持と労働者の再配置支援を組み合わせたもの——は、パンデミックがもたらす雇用への負の影響と不平等な影響を緩和しうる。ただし、雇用維持から再配置へと軸足を移す適切な時期は、パンデミックの推移やワクチン接種の進捗を含め、各国の状況に応じて判断すべきである。

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