少なくとも2021年は「十分に有効な」新型コロナワクチンを受け入れざるを得ないかもしれない

COVID-19 coronavirus vaccine vaccination efficency efficacy global public health
There is no guarantee vaccines under development will provide significant protection for those in most need.Image: Unsplash/Daniel Schludi
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  • 新型コロナワクチンの治験で、初期結果は良好だった。

  • しかし、パンデミックを終息させるうえで完璧なワクチンはないと、3人の医療分野の教授が述べている。

  • 個人、政府、規制当局は、安全性、有効性、公平性に関する懸念を慎重に検討する必要がある。

オーストラリアの保健相グレッグ・ハント氏は、最近、政府は2021年3月から新型コロナワクチンを供給する予定どおりに進んでいると述べた。

米国のバイオテクノロジー企業モデルナは、新型コロナワクチンの有効性が95%だと発表した。ファイザーが主張する90%の有効性、ロシアのスプートニクVワクチンの92%の有効性に続く発表だが、データは限られており、まだ査読も受けていない。

今後数週間から数カ月のうちに、他のワクチン治験の予備的な結果もメディアで報じられるだろう。

有効なワクチンがあれば、感染症の制御に最も有利になるが、残念ながら事はそう単純ではない。どのワクチンも完璧ではなく、パンデミックを直ちに終わらせることもできない。最初のワクチンには重大な制約もあるだろう。

問題は、どの程度の有効性があれば「十分」と言えるのかということだ。個人、規制当局、政府として、どのような不完全さなら受け入れられるのかも考える必要がある。

どの程度の安全性があれば十分なのか?

安全性が最大の懸念であることは明らかだ。ワクチンは、非常に多くの健康な人に接種することを想定して開発される。そのため、きわめてまれな重篤な有害事象であっても、何百万人もの集団に接種すれば、大きな被害をもたらしかねない。

接種が想定される人数に比べて少数を対象とする短期の治験では、比較的まれでも重大なリスクを検出できない可能性がある。これを避けるのは難しいかもしれない。リスクを把握するには、大勢にワクチンを接種し、長期的な有害事象が明らかになるまで長い時間を置くしかないからだ。

当然ながら、あらゆる治療薬には副作用の可能性があり、個々のケースで、潜在的な利益がリスクを負うことに見合うかどうかを判断しなければならない。新型コロナに伴う深刻な危険を考えれば、ワクチンについてより高い水準のリスクを受け入れることが正当化される、という見方もできる。しかし、米国とオーストラリアの規制当局は、ワクチンの安全性に関する広範な指針を示しているものの、コロナウイルスワクチンについて正当とみなされるリスク水準の指針は、いずれも出していない。この問題をめぐる公の議論も限られている。

どの程度の有効性があれば十分なのか?

有効性、つまり臨床面や公衆衛生面で利益をもたらすワクチンの能力についても、不確かな点がある。

理想的には、ワクチンを接種した人が誰も感染しないようにするべきだ。しかし、少なくとも最初のワクチンでは、効果はより限定的になる可能性が高い。たとえば、症状の重さをわずかに抑えるだけだったり、人口のごく一部にしか効果がなかったりするかもしれない。現在の治験では、特定のリスク群に属する人々について、新型コロナによる死亡確率をワクチンが下げるかどうかだけを調べているものはない。特定のリスク群。

実際、臨床試験ごとに「有効性の評価項目」は異なり、感染しやすさ、疾病の重症度、回復までの期間、死亡率などへの影響を、異なる年齢層や集団で評価している。

開発中のワクチンが、年齢の高い人や持病のある人など、最も必要とする人々に十分な保護をもたらす保証はない。すべての治験がそうした参加者を対象に募集しているわけではなく、効果が彼らには及ばない可能性も十分にある。つまり、臨床試験では形式上「有効性」が示されても、現実社会で直面している主要な問題を解決できないことがある。

今年初め、米国食品医薬品局(FDA)は、、「接種を受けた人の少なくとも50%で、疾病を予防するか、その重症度を下げる」ワクチンのみを承認の検討対象とすると発表した。オーストラリアでこれに相当する治療製品管理局(TGA)は、同様に明確な指針を出していない。

どの程度の公平性があれば十分なのか?

どのワクチンであっても、アクセスと配分には大きな課題がある。その一部は、製品そのものの性質に由来する。

たとえば、ファイザーが開発したmRNAワクチンのように、約-70℃で輸送・保管する必要のあるワクチンは、医療インフラが限られた低・中所得国や、世界各地の農村部・遠隔地では使いにくい。そのため、こうした人々には別のワクチンを見つける必要があるかもしれない。

米国で治療製品の臨床研究におけるマイノリティの役割は、参加、リスクへの曝露、利益へのアクセスの面で非常に不均衡だ。新型コロナワクチンの開発にあたっては、最終製品を受け取る可能性が最も低い人々が、最も大きなリスクを負う深刻な可能性がある。こうした状況により、新型コロナ危機ですでに明らかになった社会の分断が、さらに深まるおそれがある。

さらに、広く認識されているように、貧しい国々が新型コロナワクチンを入手し、供給を受けられるようにする必要がある。しかし、それを保証する法的枠組みはなく、実際に実現する保証もない。

今後はどうなるのか?

2021年中には、感染を限定的にしか防げない、あるいは重症化リスクを多少下げるにとどまる新型コロナワクチンがいくつか利用可能になるだろう。しかし、そうした効果が最もリスクの高い人々にもたらされるとは限らない。

強固な規制制度と、治験結果に対する独立した精査があるため、新型コロナワクチンは短期的には安全である可能性が高い。しかし、長期的なリスクは誰にも分からず、物流、経済、文化的な理由で、配布が限られることもある。

「十分に有効な」ワクチンを開発できたとしても、保証はない。最初のワクチンを試してみようとする人が多い一方、政府が説得を試みても、接種を拒む人も多いだろう。

したがって、ワクチン接種による集団免疫の獲得は遠い先のことになる。コロナウイルスの場合、集団免疫には人口の少なくとも3分の2に有効な免疫をつける必要がある。

そのため、身体的距離の確保、マスクの着用、手指衛生、必要に応じた厳格な隔離措置など、感染拡大を抑える対策は、今後もしばらく続くことになる。

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