ボストン コンサルティング グループとThe Networkが実施した調査によると、COVID-19の大流行とリモートワークの広がりにより、人々は仕事のための転居に以前ほど前向きではなくなっています。
しかし、それは同時に「バーチャル・モビリティ」の新たな時代をもたらした可能性もあり、人材プールを広げ、企業のダイバーシティ向上に役立つ可能性があります。
物理的に転居したい労働者にとって、最も人気のある国はカナダです。
転居を希望する労働者にとって、最も人気のある都市としてロンドンが引き続き首位を維持しています。
約1億1,400万人が、国際労働機関の最新のモニターによると、パンデミック期間中に職を失いました。
世界中で職を維持できた多くの人々は、もはやオフィスへの通勤をしていません。英国では、就業者のほぼ半数が2020年4月の最初のロックダウン期間中に、在宅で一部の業務を行いました。
リモートワークの広がりにより、人々は仕事のための転居に以前ほど前向きではなくなり、一方で「バーチャル・モビリティ」の新たな時代をもたらした可能性もあり、企業のダイバーシティ向上に役立つ可能性がある、と、ボストン コンサルティング グループとThe Networkによる新たな報告書は述べています。
転居に前向きでない労働者
190か国、20万9,000人を対象とした最新の調査結果では、過去6年間にわたる下降傾向が続いていることが示されており、海外で働くことに前向きな回答者の割合は、2014年の63.8%から、2020年には50.4%に低下しています。
「パンデミック中に実施と解除が繰り返された渡航制限が、人々の意識に明らかな影響を与えてきた」と、『Decoding Global Talent, Onsite and Virtual』報告書は述べています。
しかし、リモートワークの広がりも、転居への意欲に影響を与えています。
「例えば、一部のケースでは、海外の雇用主が、勤務先オフィスでの勤務を求めることなく、応募者に仕事を提供する意思を示しています。転居せずに海外での仕事の恩恵を受けられることは、一部の人々にとって、最善の選択肢となり得るのです。」
転居先として最も人気の高い上位10か国
転居先として最も望ましいとみなされる国にも変化が見られ、カナダが初めてアメリカ合衆国に代わって首位になりました。
報告書は、各国のCOVID-19への対応、感染者数、認識されている雇用機会、移民政策がいずれも、転居を検討する労働者にとっての魅力に影響を与えていることを示唆しています。
「カナダが築いてきた評判は、その幅広い魅力に表れています」と報告書は述べています。「同国は、修士号や博士号を持つ人、デジタル分野の研修や専門知識を持つ人、30歳未満の人など、各国が重視する多くの層にとって、最も人気のある勤務先です。」
オーストラリアは2018年の4位から順位を上げ、3位となりました。
英国は引き続き5位を維持しています。一方、2018年に10位だった日本は、最も大きく順位を上げ、6位となりました。スイスは8位から7位に上昇しています。
シンガポールとニュージーランドは、それぞれ8位と10位で、初めて上位10か国に入りました。シンガポールは、2018年以降10ランク上昇しています。
「ニュージーランドは、パンデミックの始まり以来ほぼ一貫して、コロナウイルスへの効果的な対策のモデルとなっており、ほかにも魅力的な特徴を備えている」と報告書は述べています。
ドイツとフランスは、それぞれ2位から4位、7位から9位へと、いずれも2ランク順位を下げました。
依然として人気の高いトップ都市ロンドン
英国の首都ロンドンは、人々が喜んで転居したいと考える都市のランキングで、3年連続で首位を維持しています。アムステルダムとドバイが2位と3位で、いずれも2018年以降3ランク上昇しています。
アブダビは上位10都市の中で最も大きく順位を上げ、9ランク上昇して5位となり、初めて上位10都市に入りました。
「アラブ首長国連邦が主要都市を魅力的な勤務先にするために取り組んできた努力は、成功しつつあるようだ」と報告書は指摘しています。
東京とシンガポールも、勤務先としての魅力を高めており、報告書はその要因を両都市の「効果的なパンデミック対応」にあるとしています。
国際的なリモートワーク
興味深いことに、回答者の過半数(57%)は、自国に物理的な拠点を持たない雇用主のために、リモートで働くことに前向きでした。デジタルや分析分野の経歴を持つ人では71%、ITおよびテクノロジー分野の人では67%に上昇しています。
「バーチャルな勤務形態に対する全般的な受容度は、特にITやデジタル分野の人材確保に苦戦している多くの雇用主にとって、大きな関心の対象となる可能性がある」と報告書は述べています。
一方、従業員にとって、国際的なリモートワークという働き方は、人々が「生活や家族を根こそぎ移動させることなく、最高額を提示する相手にサービスを提供する」ことを可能にします。
回答者に、リモートで働きたい国を尋ねたところ、米国が首位に返り咲きました。
各国は、直面しているスキル不足への対策として、この新たな「バーチャル・モビリティ」戦略を取り入れ、企業のダイバーシティ向上を図ることができる、と報告書は述べています。
「そのダイバーシティは、企業にとっての魅力となり、世界各地から高度な訓練を受けた人材を惹きつける助けとなり得る」。

