COVID-19:ヒドロキシクロロキンへの疑問から子どもの回復力まで、今週の科学ニュース

A computer image created by Nexu Science Communication together with Trinity College in Dublin, shows a model structurally representative of a betacoronavirus which is the type of virus linked to COVID-19, better known as the coronavirus linked to the Wuhan outbreak, shared with Reuters on February 18, 2020. NEXU Science Communication/via REUTERS THIS IMAGE HAS BEEN SUPPLIED BY A THIRD PARTY. MANDATORY CREDIT. TPX IMAGES OF THE DAY - RC243F9ECYR0
A computer image showing a model of the coronavirus that causes COVID-19.Image: via REUTERS
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  • 世界規模の研究で、ヒドロキシクロロキンはCOVID-19に効果がなく、死亡率の上昇や心臓合併症との関連が示された。

  • 子どもは成人より感染する可能性が56%低い。

  • COVID-19患者のうち症状が現れていない人は、若年で女性である可能性が高い。

安全性への懸念からヒドロキシクロロキンの試験が中断

6月5日(金)更新:この研究は6月4日(木)に『ランセット』誌から撤回されました。最新情報はこちら。

ある研究が『ランセット』誌に掲載され、抗マラリア薬ヒドロキシクロロキンは入院中のCOVID-19患者の治療に効果がなく、死亡リスクの上昇や不整脈との関連があることが示された。

ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の心臓・血管センター医療部長、マンディープ・メーラ医師が主導したこの研究では、世界各地のCOVID-19患者約10万人のデータを分析した。約1万5,000人はヒドロキシクロロキンまたは関連薬のクロロキンを単独、あるいは抗生物質と併用して投与されていた。これらの患者の健康状態を、いずれの薬も投与されなかった8万1,000人と比較した。その結果、抗生物質の併用の有無にかかわらず、ヒドロキシクロロキンまたはクロロキンを投与された患者は、入院中に死亡したり、異常な心拍リズムを発症したりする可能性が高かった。

これを受け、世界保健機関(WHO)は、データ安全性監視委員会による審査の間、ヒドロキシクロロキンを用いるすべての試験を一時中断した。

木曜日、ガーディアン紙は、オーストラリアの研究者らが『ランセット』誌の研究で使われたデータの一部について、その出所に疑問を呈したと報じた。研究者らは、データセットのオーストラレーシア地域分にアジアの病院の患者が誤って含まれていたことを発見した。この不一致によって研究全体の結論が変わることはないと研究者らは主張しているが、『ランセット』誌は著者らに説明を求めており、詳細が判明すれば更新するとしている。

本日現在、世界各地の研究者や医療従事者120人以上が、この研究への深刻な懸念を表明する公開書簡を『ランセット』誌の編集者に送っている。

子どもと若年成人は、成人に比べてコロナウイルスに感染する可能性が半分

あるまだ査読を受けていない研究では、感染者と接触した場合、子どもや青少年は20歳以上の人に比べて、COVID-19の原因ウイルスに感染する可能性が56%低いことが示された。

中国の初期データに基づく内訳Image: Statista

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート小児保健研究所のラッセル・ヴァイナー教授が主導したメタ分析では、COVID-19に関する論文6,000本以上を調べ、子どもの感染しやすさに関する有用な情報を含む18本を特定した。そのうち7本は査読を受けていた。研究者らは分析対象となった研究の質にばらつきがあったことを認め、次のように述べている。「政策上の重要性が非常に高い知見であるため、質を問わずすべての[18本の]研究を含めることにした。しかし、このため、より確かな結論を導く能力には限界がある。」

この研究結果は、子どもは感染する可能性が低いため、ウイルスの拡大において成人より果たす役割が小さかった可能性を示唆している。一度感染した子どもはウイルスを他者にうつしにくいのかどうかを判断するには、まだ研究が十分ではない。

症状のあるCOVID-19症例と無症状症例の臨床的特徴を詳述

症状のあるCOVID-19感染と無症状感染で、身体への影響がどう異なるかについては、ほとんど分かっていない。水曜日、武漢大学中南医院にCOVID-19で入院した患者を対象とする小規模な査読済み研究が、この点について新たな知見をもたらした。

計78人の患者を調査し、33人は無症状、45人は症状があった。無症状患者には次の特徴が見られた。

  • 若年(無症状患者の年齢中央値は37歳、症状のある患者は56歳)

  • 女性の割合が高い(無症状患者では女性が22人、症状のある患者では14人)

  • 肝障害の割合が低い(無症状患者は1人、症状のある患者は9人)

  • 回復期のCD4+ Tリンパ球数が多い(免疫応答で重要な役割を果たす細胞で、無症状患者は1マイクロリットル当たり719個、症状のある患者は474個)

  • 肺の回復が早い(無症状患者の期間中央値は9日、症状のある患者は15日)

  • 鼻咽頭ぬぐい液からのウイルス排出期間が短い(無症状患者の期間中央値は8日、症状のある患者は19日)

これらの知見を確認し、さらに発展させるには追加研究が必要だが、研究者らは、症状のない患者でリンパ球数が多かったことから、症状のある患者に比べて免疫系への損傷が少なかった可能性を指摘した。また、無症状患者のウイルス排出期間から、さらなる感染を防ぐため、症状のない人を特定して隔離することの重要性が浮き彫りになったとも述べている。

2020年1月28日、中国湖北省武漢市の武漢大学中南医院で、新型コロナウイルスが原因の肺炎患者を防護服姿の医療スタッフが治療している。Image: ロイター
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