COVID-19が示したように、高性能で柔軟性と安定性を備えたネットワークは、緊急対応、教育、事業の生産性、政府の業務の中核を担っています。ソーシャルディスタンスによって私たちが物理的に離れているなか、何億人もの人々が突然、オンラインで集まり、学び、働くようになりました。無線通信は、私たち全員のつながりを保つうえで不可欠な役割を果たしており、業界で働く私たちは、その責任を真摯に受け止めています。
医療はその代表例です。私たちが自宅待機を続けるなか、世界の医療業界は急速に変革しています。医師や最前線で働く医療従事者のビデオ会議需要の高まりに対応するため、米連邦通信委員会(FCC)は遠隔医療向けの助成プログラムを2つ進めました。現在の緊急事態に必要な遠隔医療用の機器と接続性を提供する2億ドルのプログラムと、コネクテッドケア向けの1億ドルの長期プログラムです。これらのプログラムが必要とされているのは明らかであり、支援はすでに実施されています。
5Gの超低遅延と高い信頼性によって、医療の革新と効率化の可能性はさらに広がります。病院では、プライベート5Gネットワークにより、幅広い重要なデータソースや技術を柔軟に無線で連携させ、クラウド上でシームレスに活用できます。これにより、ミッションクリティカルな機器の監視、疫学データの追跡、患者の診断と治療、在庫の補充が可能になります。家庭でも、5Gは健康状態のモニタリングに役立ちます。命を救う多くの応用例が、今後さらに速いペースで登場すると期待しています。
新しい技術は教育の変革にも貢献し、生徒たちが学び続けることを可能にしました。米国だけでも5,500万人の子どもが学校に通えなくなり、オンライン学習への急な移行が進んでいます。そのため、デジタル格差の解消はこれまで以上に重要です。5G技術は、さらに多くの生徒や教師に質の高い接続環境を提供し、遠隔学習をする人たちが動画やアプリケーションの読み込みを待たずに済むようにします。今後、5Gネットワークによって、仮想現実や拡張現実を活用した多様な学習ツールが可能になると見込んでいます。生徒たちを銀河の遠い場所へ連れて行ったり、人体の細胞を巡るガイド付きツアーに案内したりできるツールです。
技術のおかげで、多くの人がリモートワークを続けられています。クアルコムから見ると、5Gエコシステム全体での進展は、当面は仮想的な形ながらも続いています。世界各地のオフィスを閉鎖した初期の数日間に、クアルコムのチームメンバーの96%がオンラインで協業していました。わずか24時間の間に、社員は4万件を超えるオンライン会議を開催し、250万件のチャットメッセージを送信しました。多くの企業と同様に、私たちもクラウドに保存した文書を活用し、ビデオ会議を行い、幅広いプラットフォームや業務ツールを通じて協業しながら、集中力と生産性を保っています。5Gの普及が進み、より多くの業務プロセスがクラウドに移行すれば、対面会議のようなAR仮想会議など、さらに多くのことができるようになります。
「5Gは、世界中の重要産業やインフラを支えるデジタル基盤となり、脅威への対応力を高めるとともに、幅広い新たな用途と機能を生み出します。」
クリスティアーノ・アモン、クアルコム・インコーポレイテッド社長
ワシントンD.C.で最近あった3つの動きは、こうした用途を支え、できるだけ多くの人々により良質で高速なモバイルブロードバンドを提供する取り組みを前進させるものです。第一に、あらゆるものが5Gネットワークに接続されるなか、セキュリティが最優先です。米国の5Gセキュリティ計画の策定と導入につながる「Secure 5G and Beyond Act(安全な5Gとその先へ法)」の成立を歓迎したのはこのためです。第二に、ブロードバンド環境が十分でない農村地域も含め、5Gを可能な限り広く展開することが重要です。そのため、5Gの必要性が特に高い地域でのアクセス確保に役立つ「Broadband Deployment Accuracy and Technological Availability Act(ブロードバンド展開の精度および技術的利用可能性法)」の署名は重要でした。第三に、そして最も重要なのは、特に学校が休校している間、子どもたちが自宅で学べるよう、接続環境と端末を利用できることです。最近成立したCARES法により、幼稚園から高校までの学校を対象とする135億ドルのプログラムが設けられたことを大変うれしく思います。このプログラムは、ハードウェア、ソフトウェア、接続性を含む教育技術への助成金を提供し、特に障害のある子どもや低所得世帯の子どもを対象としています。
5Gは当初から、携帯電話だけでなく、工場、病院、学校、都市インフラ、企業、農場、店舗にあるあらゆる種類の機器向けの技術として設計されました。従来世代のモバイルブロードバンドとは異なり、5Gは世界中の重要産業やインフラを支えるデジタル基盤となり、脅威への対応力を高めるとともに、幅広い新たな用途と機能を生み出します。次に何が起きてもより良く備えられるようにし、私たちにとって最も大切な人々や物事とのつながりを保つ助けとなります。
