COVID-19が経済をどう変えているのか、そしてそれに対して私たちに何ができるのか――クリスティーヌ・ラガルド氏の見解

European Central Bank (ECB) President Christine Lagarde gestures as she addresses a news conference on the outcome of the meeting of the Governing Council, in Frankfurt, Germany, March 12, 2020. REUTERS/Kai Pfaffenbach - RC2EIF93851P
Close cooperation between the public and private sectors is vital in the COVID-19 recovery.Image: REUTERS/Kai Pfaffenbach
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  • 欧州中央銀行総裁のクリスティーヌ・ラガルド氏は、世界経済フォーラムの「Pioneers of Change(変革の先駆者)サミット」で、世界経済が直面する課題を示した。

  • サービスの提供が最も深刻な打撃を受け、地域性が薄れる可能性がある。

  • 企業は競争の激化に直面しており、生産性を高める必要がある。

  • 政策の組み合わせを誤れば、若者は「失われた世代」になるおそれがある。

パンデミックによって生じた経済的な打撃からの回復には、官民の緊密な協力が必要だと、欧州中央銀行総裁のクリスティーヌ・ラガルド氏は述べている。

世界経済フォーラムのボリス・ブレンデ会長との対談の中で、フォーラムの「Pioneers of Change(変革の先駆者)サミット」において、ラガルド氏は世界経済が直面する課題を示した。また、どのような対応が望ましいかを述べるとともに、慎重ながらも楽観視できる理由があり得ることを説明した。

乗り越えるべき多くの課題

「私たちは身動きが取れませんでした」と、ラガルド氏はCOVID-19による混乱について語る。「健康面と経済面の両方において、不確実性と苦難の大きな川の片側に立っていたのです。そして、川の向こう岸を見ることさえできませんでした。

「ドイツや米国、そして世界各地のいくつかの企業による素晴らしい尽力のおかげで、ワクチンが視野に入っていることがわかっているので、今では川の向こう岸が見えてきています。」

その向こう岸にたどり着くために、官民の協力が重要になる。それは、構造的な経済変化が前向きなものとなるよう確実にする決意と、すべての関係者が将来への投資を続けることを意味する。

未来への希望?

仕事や学業のリモート化に伴い、職業面でも私生活面でも、デジタル化は多くの側面で加速している。電子商取引は活況を呈しており、人々は娯楽活動をインターネットで行う機会を増やしている。パンデミックの初期に行われた調査では、米国では32%の人々が友人や家族とオンラインパーティーを企画していた。

サービス:地域から世界へ

「デジタル化は、サービスの提供方法に影響を与えるでしょう」と、ラガルド氏は述べている。「サービスはおそらく地域性が薄れ、世界中のどこからでも提供されるようになるでしょう。同様に、それらのサービスを提供する企業は競争の観点からより大きな課題に直面することになり、その結果、生産性の向上につながる可能性があります。」

民間セクターは、新しい製品やサービスを市場に送り出す継続的なイノベーションを通じて、雇用と人々の所得を創出する重要な役割を担っている。しかし、経済の不確実性が高まる中、これは多くの企業にとって課題となっている。一部の企業は慎重な見通しを持ち、絶対に必要ではない投資を控えるようになる可能性がある。

ラガルド氏は、民間セクターがこの課題に応じるよう求めるとともに、それを可能にするうえで公共セクターが重要な支援の役割を担っていると述べている。

「イノベーションが盛んになるような適切なビジネス環境を整える必要があります。政策立案者は不確実性を取り除くために最善を尽くしていると思います。しかし現時点では、民間セクターが研究開発の取り組みの多くを保留しているのが実情です。

「民間セクターが再び活気を取り戻し、研究開発に投資してくれることを期待しています。特に欧州では、研究開発の約3分の2を民間セクターが担っているのですから。」

過去の経済的な打撃は、革新的な成長を促す力にもなってきたとラガルド氏は述べている。「2003年のSARSの流行をきっかけに、アジア太平洋地域の経済は、より強固なデジタルインフラを整備するようになり、その結果、電子商取引が大きく拡大しました。同様に、2008年の金融危機の後には、世界経済フォーラムが推進してきたもの、すなわち社会起業家精神の増加が見られました。」

打ち砕かれた夢と雇用創出

パンデミックによる経済の混乱は、世界中で感じられている。国際労働機関(ILO)によると、若者は特に深刻な打撃を受けている。

パンデミックが若者に与えた影響は「体系的で、深刻かつ不均衡なもの」であり、とILOは述べている。その結果、ラガルド氏が言う、労働市場に参入しようとしているものの「何も見つからない」若者たちの「打ち砕かれた夢」が生じている。

これに対処するには、公共セクターと民間セクターの双方のリーダーによる連携した対応が必要だと、ラガルド氏は述べている。民間企業は今後必要とされる雇用を創出する一方で、経済の不確実性の中では支援が必要となる。そのような支援は、政策立案者や立法者からもたらされるべきものである。

「若い企業が実際に雇用を行える環境を整えることは、きわめて重要です。なぜなら、雇用の拡大の大部分を担っているのは、まさにそうした若い企業、すなわち設立から5年未満の企業だからです」と、ラガルド氏は述べている。「その観点から、民間セクターに対し、研究開発への投資を続けるよう強く求めます。」

さらに、企業はデジタルリテラシーを備え、労働市場への参加を望む求職者に対して門戸を開くよう、あらゆる努力を尽くすことが重要だと彼女は続けている。「そうした夢が打ち砕かれないように」と。

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