COVID-19:オープンデータはパンデミック克服にどう役立つか

Students from the Technical University evaluate data from an ear sensor, designed to measure the biological values of COVID-19 patients in domestic isolation around the clock, as the spread of the coronavirus disease continues in Munich, Germany, May 6, 2020. Picture taken May 6, 2020. REUTERS/Andreas Gebert - UP1EG570O2E05
'The more information and evidence citizens have, the more freedom and responsibility they have to act.'Image: REUTERS/Andreas Gebert - UP1EG570O2E05
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  • 新型コロナウイルスに関する情報を公開し共有することで、科学界と学術界はウイルスを止めるための新たな戦略を検証できる。

  • オープン・ガバメント・アライアンスは、感染者数の集計と予測に用いられるモデルの共有を推奨している。

  • パンデミックへの対応で最も成功した国の一つであるニュージーランドは、コロナウイルスが貿易に与える影響に関するデータを公開している。

COVID-19パンデミックは、世界がこれまでに経験した中で最大規模の集団学習の機会となった。世界規模で前例のない協力が、この動きを支えている。最もわかりやすい例は科学的協力である。各国政府や大学は研究を公開し、共有している。世界各地の都市も、国際的な都市間協力ネットワークを通じて戦略を交換してきた。また、接触追跡アプリを改良するためのApple社とGoogle社の提携は、民間部門における協働の中でおそらく最も意外な例である。

新型コロナウイルスに関する情報の公開と共有は、ウイルスの進展に合わせて、科学界と学術界、そしてあらゆる分野の専門家が、新たな仮説を分析、比較、検証することを可能にする。この情報はまた、不確実性を減らし、より多くの人々が必要な予防策を講じるうえでも重要である。ジョンズ・ホプキンス大学の世界地図は、各国が毎日報告するデータをもとに作成されており、データを分かりやすく可視化する好例である。データの公開は、ウイルスの拡大を抑え込もうと時間との戦いを続ける科学者、研究者、ビッグデータの専門家にとって重要な資源である。

COVID-19のリアルタイム追跡Image: ジョンズ・ホプキンス大学およびESRI

政府に関しては、オープン・ガバメント・アライアンスは、アルゼンチンとブエノスアイレス市が加盟しており、感染者数の集計と予測に用いられるモデルの共有を推奨している。これにより、意思決定の基礎が可視化され、科学者や専門家がそれらを分析し、改善に役立てることが可能になる。同時に、同アライアンスは、政府と企業が協力してパンデミックへの対応策を策定している国々においては、国民のデータとプライバシーを保護するための追加の措置を講じるよう提案している。

トロント市政府は、例えば、市内の保健指標の概要、地理参照データ、および感染拡大地域に関する情報を公開している。ボゴタの「SaluData」は、地域別に細分化された指標を非常に詳細に提供している。第3段階の経済再開に入った後、シカゴ市は、郵便番号、年齢、性別、人種・民族的出自によってデータを絞り込める新たな指標ダッシュボードを公開した。

台湾政府は、国民健康保険署のデータを活用し、民間部門と協力して、マスクの在庫状況を示すウェブサイトを開発した。このサイトは、薬局で現在利用可能な在庫量を示している。また、公開されているのは健康データだけではない。パンデミックへの対応で最も成功した国の一つであるニュージーランドは、コロナウイルスが国際貿易に与える影響に関するデータも公開している。

ブエノスアイレス市は、長年にわたりオープン・ガバメントに取り組んできた。私たちは、情報を積極的に公開することでコミュニケーションが改善され、信頼が高まり、他者がその情報を活用して他の分野で価値を生み出すことが可能になると強く考えている。ブエノスアイレス市が最近発表した総合再開計画の枠組みの中で、市政府がコロナウイルスに関する意思決定に用いているすべての情報は、コロナウイルス・データで入手できる。

ブエノスアイレス市保健省が疫学的状況に関して毎日発表する報告書の情報は、このサイトで公開されている。感染確認者数、累積感染者数、死亡者数、検査数などである。さらに、このサイトには、市のWhatsAppチャットボット「BOTI」や市の電話相談窓口147への問い合わせ、ホテルで隔離されている非重症患者数の統計、20か所ある緊急発熱ユニット(UFU)への移送件数など、保健および地域管理に関連するデータが毎日更新されて掲載されている。

また、地下鉄やバス、自家用車で毎日移動する乗客数など、移動と公共空間に関するデータも表示している。主な利用者であるジャーナリスト、科学者、研究者、データ専門家の方々が、今後の段階で追加できる改善点を特定する手助けをしてくれることを期待している。

こここ数か月で、データとエビデンスが持つ公共的価値は明確に示された。今後も、気候変動やジェンダー平等など、他の地球規模の開発課題に取り組むためにこれを活用できる。データと情報の公開は、意思決定を導き、その基礎となり、私たちが直面する課題の大きさへの認識を高めるのに役立つ。

正確な情報は、認識を高め、不確実性を減らすうえで欠かせず、政府、科学界、データ利用者の間の協力を強化する助けとなる。市民が持つ情報とエビデンスが多いほど、行動する自由と責任も大きくなる。ウイルスを止めるには、すべての人の協力が必要であり、情報の公開はその方向への重要な一歩である。

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