公的データは研究者によるCOVID-19の理解をどう深めているのか

A mobile phone with HaMagen application on it is seen in this picture illustration taken on April 1, 2020. REUTERS/Nir Elias/Illustration - RC2PVF9RFE4T
Countries around the world harnessing technology to tackle COVID-19.Image: REUTERS/Nir Elias/Illustration
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  • 何百万人もの患者が追跡アプリでCOVID-19の症状を自己申告している。

  • こうしたアプリは、感染拡大の地理的な広がりを記録する。

  • このデータは政府に情報を提供し、政策決定に役立てられている。

科学者たちがコロナウイルスの治療法の発見を急ぐなか、一般市民の協力は危機の克服に役立つだろうか。

COVID-19については、ほとんど200万件の感染が確認され世界で報告され、12万7,000人が死亡した今も、わかっていないことが多い。

新型コロナウイルスがどのように変異するのか、COVID-19がどのような症状として現れるのか、既存の医薬品が症状を和らげる可能性があるのかなど、不確かな点が残っている。

ウイルスの世界的に標準化された検査がないなか、市民が主導するアプリが研究者に貴重な情報を提供している。

自己申告の力

英国と米国では、「COVID Symptom Tracker」というアプリを通じて、何百万人もの人々が毎日、自身の健康状態を自己申告している。これにより研究者は、感染リスクの高い地域や、特定地域でのウイルスの拡大速度、重症化リスクが最も高い人々を把握できる。

このアプリにより、科学者は最も多く報告される症状を記録し、症例が集中している場所を示すヒートマップを作成できる。

COVID Symptom Trackerによると、英国のコロナウイルス感染者に最も多い症状は、依然として疲労である。Image: ロンドン大学キングス・カレッジ

ロンドン大学キングス・カレッジの遺伝疫学教授で、COVID Symptom Trackerの研究責任者を務めるティム・スペクター氏は、The Conversationに語った。「政治家や医療分野のリーダーたちは、急速に変化するこの状況にどう対処するのが最善か、実現不可能な選択肢の中から決断を迫られるという、困難な立場に置かれています。しかし、彼らにとって最も役立つはずのもの、つまりデータが欠けています。集中治療室に搬送される人々、そして時には悲しいことに亡くなる人々のデータを待つのは、レーダーもなしに爆弾が落ちてくるのを待つ戦場にいるようなものです」。

COVID Symptom Trackerのデータは毎日共有され、医療分野の責任者や研究者、政策立案者が資源配分を決定し、ソーシャルディスタンスなどの対策がどれほど機能しているかを判断するために活用されている。

世界に広がる取り組み

オーストラリアとニュージーランドでは、FluTrackingなどのインフルエンザ監視プラットフォームが対象範囲を広げ、両国でコロナウイルスの感染拡大を追跡している。世界各地で利用されている米国拠点のデータプラットフォーム、Patients Like Meは、患者がさまざまなコロナウイルス症状に対して試している治療法を記録しており、人々が病気に対処するための支援に役立てている。

こうしたアプリだけが、人工知能(AI)によって危機への対応を支援する手段ではない。英国では、国民保健サービス(NHS)が、マイクロソフト、アマゾン、パランティアなどの大手テクノロジー企業や、ロンドンを拠点とするAI専門企業Facultyと協力し、公的に入手できるデータを使ってCOVID-19の感染拡大をリアルタイムで地図上に示すプロジェクトに取り組んでいる。このデータは、医療スタッフ、機器、病床が最も必要とされている場所の特定に役立つ。英国政府は、患者のプライバシーを守るため、すべてのデータを匿名化すると約束している。

不安や憶測が広がる時期には、コロナウイルス危機への政府の対応と、ワクチンや治療法の開発を最終的に導くのは、科学的な厳密さである。しかし、この破壊的なウイルスの謎を解き明かすうえで、市民が共有する個人情報も重要な役割を果たす。

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