世界銀行によると、COVID-19により1億人が極度の貧困に陥る可能性がある

Iraqi people collect recyclable garbage at a dump, amidst concerns about the spread of the coronavirus disease (COVID-19), in Basra, Iraq May 6, 2020. Picture taken May 6, 2020. REUTERS/Mohammed Aty - RC29MG9DERFZ
As the pandemic continues, the predictions get worse.Image: REUTERS/Mohammed Aty
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  • 世界銀行は、COVID-19のパンデミックが世界の貧困にどのような影響を与えるかについての予測を改定した。

  • 新型コロナウイルスが南半球の発展途上地域に広がったことで、ロックダウンが拡大し、経済的な損失も大きくなっている。

  • 最悪のシナリオでは、1億人が極度の貧困に陥ることになる。

4月に、COVID-19により4,000万人から6,000万人が極度の貧困に陥っていると試算した。その後、パンデミックの震源地は欧州と北米から南半球の発展途上地域へと移った。これにより低所得国および中所得国における死者数が増加し、都市封鎖(ロックダウン)が長期化し、パンデミックによる経済的損失も拡大した。その結果、ウイルスが世界の貧困に与える影響に関する我々の試算も変化している。

6月に新たに公表された成長率予測(世界経済見通し(Global Economic Prospects))を用いることで、パンデミックが世界の貧困に与える影響の試算を更新することができる。新たな成長率予測には、基準シナリオと下振れシナリオという2つのシナリオが含まれており、パンデミックが貧困にどのような影響を及ぼし得るかについて、2通りの想定を検討することができる。基準シナリオは、感染拡大が現時点で想定される水準にとどまり、経済活動が今年後半に回復することを前提とする。一方、下振れシナリオは、感染拡大が想定以上に長引き、ロックダウン措置の維持または再導入を余儀なくされることを前提とする。下振れシナリオが現実となった場合、脆弱な企業は市場から撤退し、脆弱な世帯は消費を大幅に削減し、複数の低所得国および中所得国では金融面の圧力が高まると考えられる。基準シナリオでは2020年の世界の成長率は約5%のマイナスとなり、下振れシナリオでは2020年の世界の成長率は8%のマイナスとなる。

Image: 世界銀行

前回の投稿と同じ手法を用いて、前回の投稿では、COVID-19が貧困に与える影響を、新たなGDP予測を用いた貧困予測と、COVID-19の発生前のGDP予測を用いた貧困予測とを比較することで試算している。今回は、1月時点の世界経済見通し(GEP)の予測を用いている。基準シナリオでは、COVID-19により国際貧困ライン(1日1.90ドル)で測定した極度の貧困に陥る人が7,100万人に達すると試算している。下振れシナリオでは、この数は1億人に増加する。

2021年以降の予測には、さらに大きな不確実性が伴う。世界経済見通し(GEP)は、2021年の世界の経済生産が約4%増加すると予測している。一方、我々の貧困予測では、極度の貧困にある人の数は2020年から2021年にかけてほぼ横ばいになると示唆されている。なぜこのような違いが生じるのか。その大きな要因は、貧困人口が最も多い国々の成長率にある。ナイジェリア、インド、コンゴ民主共和国の3か国は、世界の貧困人口の3分の1以上を抱えると我々が見込む国々であるが、実質GDPの一人当たり成長率はそれぞれ–0.8%、2.1%、0.3%と予測されている。人口増加率はそれぞれ2.6%、1.0%、3.1%であり、貧困率を持続的に引き下げるには到底十分とは言えない。

前回のブログでは、サハラ以南アフリカが最も深刻な打撃を受ける可能性があると指摘した。新たな世界経済見通し(GEP)の予測は、世界の貧困層の多くを抱えるインドについて、特に厳しい見通しを示している。その結果、前回の更新時と比べてサハラ以南アフリカの状況はおおむね変わらないものの、南アジアではCOVID-19により貧困層が大きく増加する可能性がある。この結論には大きな留保が必要である。我々が入手しているインドの最新の貧困推計は2011〜12年のものであるため、パンデミック発生前の貧困の実態はもとより、現在の貧困の状況を正確に把握することは極めて困難である。

より高い貧困ラインで見ると、新たに貧困に陥る人の地域別分布は大きく変わる。基準シナリオにおいて、1日3.20ドルの貧困ラインで新たに貧困に陥ると予想される1億7,600万人のうち、3分の2は南アジアに集中している。1日5.50ドルの貧困ラインでは、新たに貧困に陥ると予想される1億7,700万人のうち、多くは東アジア・太平洋地域に、少数はサハラ以南アフリカにいる。これは、サハラ以南アフリカでは、この水準の生活水準にある人がもともと少ないためである。

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1日1.90ドルで新たに貧困に陥る人の数は、より高い貧困ラインで新たに貧困に陥る人の数の一部ではないことに留意されたい。サハラ以南アフリカのある人の1日の所得が、COVID-19の影響で2.00ドルから1.50ドルに減少した場合、その人は1.90ドルのラインでは新たに貧困に陥った人となるが、3.20ドルのラインでは、パンデミックの前後のいずれにおいても貧困層として数えられていたため、新たに貧困に陥った人とはならない。

前回述べたとおり、今回の改定推計からも明らかなように、貧困予測には多くの不確実性が伴い、今後さらに多くの情報が得られ、パンデミックの推移が明らかになるにつれ、予測は修正される可能性が高い。成長率、不平等、および経済成長が貧困削減にどのように結びつくかに関する想定の変化によって数値がどう変わるかについての詳細な分析は、ワーキングペーパーで公表されている。このワーキングペーパーでは、これらすべてが、持続可能な開発目標(SDGs)の最初の目標である「2030年までに極度の貧困を撲滅する」という目標の達成能力にとって何を意味するのかについても検討している。

1 COVID-19が貧困に与える影響は、2つの成長率予測版における2020年の貧困人口(百万人)の差として算出している。そこから、2つの成長率予測版における2019年の貧困人口(百万人)の差を差し引いている。後者の差し引きにより、COVID-19に起因するとは考えられない2019年の成長率の改定による貧困の変化が結果を左右しないようにしている。ここでは、(684-595)-(632-614)=7,100万人となる。

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