新型コロナウイルスのパンデミックにより、ビールやソーダなどの飲料に炭酸を加えるために使われるCO2の供給が減少している。
この不足は、米国でガソリンの需要と生産が落ち込み、その結果、CO2の副産物であるエタノールが不足したことによる連鎖的な影響だ。
エタノールの生産量は現在、最大50%減少すると推定されている。
CO2は食肉の加工、包装、保存、輸送に使われるため、食肉業界も影響を受けている。
エタノール工場からの二酸化炭素供給が減少し、ビール、ソーダ、炭酸水が不足する懸念が高まっている。これらは、隔離生活を送る多くの米国人にとって欠かせないものだ。
醸造会社や清涼飲料メーカーは、ビールやソーダに泡立ちをもたらす炭酸を加えるため、二酸化炭素(CO2)を使う。エタノール生産者は、エタノール製造の副産物として発生するガスを回収し、大量に販売しているため、食品業界にとって重要なCO2供給元となっている。
国内のガソリン供給に混合されるエタノールは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによるガソリン需要の減少を受け、生産が急減している。米国のガソリン需要は30%を超える減少となっている。
再生可能燃料協会の最高経営責任者ジェフ・クーパー氏によると、エタノール生産の減少は、食品業界のなかでも高度に専門化されたこの分野に混乱をもたらしている。CO2を販売する米国のエタノール工場45カ所のうち34カ所が、操業を停止するか生産を削減したという。
醸造会社へのCO2供給業者は、供給減少を受け、価格を約25%引き上げたと、醸造協会の最高経営責任者ボブ・ピース氏は述べた。同業界団体は、CO2の約45%をエタノール生産者から調達する、米国の小規模な独立系クラフトビール醸造会社を代表している。
「問題は加速しています。毎日、より多くの会員からこの件について連絡が来ています」とピース氏は述べ、一部の醸造会社は2~3週間以内に生産削減を始めると予想している。
圧縮ガス協会(CGA)は4月7日付のマイク・ペンス副大統領宛て書簡で、CO2の生産量は約20%減少しており、支援策がなければ4月半ばまでに50%減少する可能性があると述べた。CGAのCEO、リッチ・ゴットワルド氏が書簡のなかで明らかにした。食肉生産者も、加工、包装、保存、輸送にCO2を使用するため、打撃を受けている。
カリフォルニア州サンタクルーズを拠点とする飲料専門会社ライフエイドのCEO、オリオン・メレハン氏によると、同社の生産委託先のうち2社が代替のCO2供給源を探している。
「選択肢を考えると、夜も眠れなくなります」とメレハン氏は語った。「意図しない結果を招く法則が浮き彫りになります。」
製品にラクロワを含むナショナル・ビバレッジ社の広報担当者は、同社は複数の国内CO2供給業者から調達しており、供給上の問題は予想していないと述べた。
コカ・コーラ社、ソーダストリームを傘下に持つペプシコ社、ワインとビールを販売するコンステレーション・ブランズ社、および複数のボトリング会社は、コメントの要請に応じなかった
ベルズ・ブルワリーの環境・社会サステナビリティ担当マネージャー、ウォーカー・モディック氏によると、ミシガン州コムストックを拠点とする同醸造会社は「CO2の使用制限も供給源の変更も経験していない」という。
デンマークを拠点とするカールスバーグ・グループは、同社は「ほぼ自給自足」だと述べた。
「当社のサステナビリティ・プログラムに沿って、醸造工程で自社のCO2を生成し、回収しています」と広報担当者のカスパー・エルビョルン氏は述べた。
