50歳未満のがんが世界的に増加しているのはなぜか?

Two people taking to each while holding hot drinks
Early-onset cancers have different genetic signatures compared with late-onset cancers and are more likely to have spread than cancers diagnosed in later life.Image: Pexels/ Ivan Samkov
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  • 幼少期にさらされるものは、その後の人生でがんを発症するリスクに影響する可能性があります。

  • 1990年以降に生まれた人は、50歳になる前にがんを発症する可能性が高いことが、新たな研究で明らかになりました。

  • 母親の食生活、肥満、大気汚染や農薬などの環境要因への曝露は、慢性疾患やがんのリスクを高めることが知られています。

  • 若年発症がんの仕組みを理解することは、次世代に向けた予防策を開発するための第一歩となる可能性があります。

がんのリスクを減らすために何をすべきか、私たちは知っていますよね?日焼け止めを使い、喫煙をやめ、加工食品を避け、体を動かし、減量し、十分な睡眠をとることです。しかし、がんの原因の多くが、すでに幼少期、あるいはさらに悪いことに、生まれる前に生じていたとしたらどうでしょう。最近の研究は、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院とハーバード大学によるもので、とりわけ50歳未満で発症するがん(若年発症がん)では、その可能性があるとしています。

『Nature Reviews Clinical Oncology』に掲載されたこの研究の最も重要な発見は、たとえば1970年生まれの人に比べ、1990年以降に生まれた人のほうが50歳未満でがんを発症する可能性が高いということです。つまり、若い世代は過去の世代よりもがんによる負担が大きくなり、医療、経済、家族にも波及的な影響が及ぶでしょう。

幼少期にさらされるものは、その後の人生でがんを発症するリスクに影響する可能性があります。このがんの動向に関するレビューでは、こうした要因が若年発症がんにどのような影響を与えているのかを検討しています。幼少期にどのような曝露が重要なのかは、まだ十分に明らかになっていませんが、有力な候補には食事、生活習慣、環境、そして腸内に生息する微生物(マイクロバイオーム)が含まれます。

大勢の人々を調べると、食習慣や生活習慣は幼少期に形成されることが研究者には分かります。肥満の場合、肥満の子どもは肥満の成人になる可能性が高いことに、これが表れています。肥満はがんの既知のリスク要因であるため、そうした成人はより若い年齢でがんを発症しやすいと考えられます。リスク要因にさらされる期間が長かった可能性もあります。

もちろん、こうした若年発症がんの一部は、検診プログラムの改善や早期診断によって発見されており、それが世界全体で年間に診断される新たながんの増加につながっています。しかし、それがすべてではありません。

若年発症がんは、発症年齢が高いがんとは遺伝的特徴が異なり、転移している可能性も高くなっています。つまり、こうしたがんには異なる種類の治療が必要となる可能性があり、がん発症時の患者の年齢に合わせた、より個別化された対応も求められます。

腸内細菌

ブリガムの研究では14種類のがんを調べ、50歳未満で発症した患者と、同じがんを50歳以降に発症した患者とでは、がんの遺伝的構成や悪性度、増殖の仕方が異なることが分かりました。

この違いは、いくつかの消化器がん(大腸がん、膵臓がん、胃がん)でより顕著にみられました。その理由の一つとして、食事とマイクロバイオームが関係している可能性があります。

腸内細菌は、糖分の多い食事、抗生物質、母乳育児によって変化します。社会におけるこうした習慣が時とともに変われば、腸内細菌も変化します。これは、砂糖税の導入を支持する根拠となる可能性があります。世界保健機関が推奨するように。

健康な細胞が子宮内でプログラムされるのなら、やがてがんを引き起こす細胞もそうである可能性があります。Image: The Conversation。

健康な細胞が子宮内でプログラムされるのなら、やがてがんを引き起こす細胞もそうである可能性があります。母親の食生活、肥満、大気汚染や農薬などの環境要因への曝露は、慢性疾患やがんのリスクを高めることが知られています。

反対に、飢饉の際にみられるような妊娠中の極端な食事制限は、子どもの乳がんリスクを高めます。この二つの知見は、社会全体でがんのリスクを減らす取り組みに、それぞれ異なる示唆をもたらすでしょう。

血液内科医として、私は多発性骨髄腫の患者を診ています。多発性骨髄腫は治癒不能の血液がんで、通常は70歳を超える患者に発症します。近年、世界的にこのがんと診断される若年層が増えていますが、その増加は検診の改善だけでは十分に説明できません。この研究は肥満を若年発症の重要なリスク要因として挙げていますが、まだ明らかになっていないリスク要因もほかにあることは明らかです。

若年発症がんの仕組みや、本当に重要な曝露要因、そして予防のためにできることを理解することは、次世代に向けた予防策を開発するための第一歩となります。

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