新型コロナウイルスについて不満を言ってもいい?時には愚痴をこぼしてもよい理由

People are seen exercising in Greenwich Park, as the spread of the coronavirus disease (COVID-19) continues, London, Britain, March 29, 2020. REUTERS/Henry Nicholls - RC2LTF9B76QP
Venting can help - but physcial exercise is another way of coping.Image: REUTERS/Henry Nicholls
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  • 新型コロナウイルスの感染拡大によるストレスは、私たちの心の健康に影響を及ぼすことがあります。

  • 愚痴をこぼすことには利点もありますが、習慣にしてはいけません。

  • ストレスへの対処に役立つ方法はほかにもあります。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは、政治、経済、宗教、年齢、国籍にかかわらず、私たち全員に影響を及ぼしている点で、多くの危機とは異なります。このウイルスは、人類が自然の猛威に対して無力であること、そして私たち全員がこの事態を共に乗り越えなければならないことを改めて思い起こさせます。

私は、学術研究に従事する精神科医です不安やストレスの研究と治療を専門にしています。信じてください。不満を言いたくなるのは、あなただけではありません。

感染していなくても、COVID-19は私たちに影響を及ぼしている

このパンデミックは、私たちの暮らし方を根本から変えました。何百万人もの米国人にとって、外食やジムでの運動、友人と直接会うことが、一夜にしてできなくなりました。リモートワーク、労働時間や収入の減少、先行きの不透明さは、確かにストレスになります。私たちの多くは、重要な変化に対応し、オンライン会議の方法や在宅勤務の意欲を保つ方法など、新しいスキルを急いで身につけなければなりません。人間は習慣に慣れた生き物ですから、こうした変化への対応は難しいことがあります。

3月29日10:00 GMT時点の世界の確定症例数Image: ジョンズ・ホプキンズ大学

悲しいニュースに絶えず触れることや、情報源によって予測や勧告がしばしば食い違うことも、私たちのストレスになります。状況が絶えず変化し、進展していくことには、大きなもどかしさを感じます。

私たち人間は、先が見えないことや、人生を思いどおりにできる感覚が限られていることを嫌います。さらに厄介なことに、私たちの恐怖反応の仕組みは、危険から身を守るようにできています。戦ったり、捕食者から逃げたりする必要のない現代の危機に対処するためのものではありません。だからこそ、危機に対応する創造的な方法を見つける必要があります。適応につながる方法もあれば、そうでない方法もあります。

不満を口にする、愚痴をこぼす

人間は社会的な生き物です。つまり、考えや感情、経験を分かち合います。人とのつながりをうまく築くには、前向きな感情も否定的な感情も共有する力が必要です。危機のさなかには、不安を打ち明け、相手から落ち着いた客観的な反応を得ることで、心が慰められることがあります。

問題は、誰からも避けられる人にならずに、どれくらい不満を言ってよいのかということです。誰もイーヨーのようにはなりたくありません。

この問いに答えるには、こうしたやり取りから自分と相手が何を得るのか考えてみましょう。結果として自分の心配や悲しみが和らぎ、相手は支えになれたと感じるでしょうか。それとも、双方が感情的に疲れ、以前よりつらくなるでしょうか。

愚痴をこぼすことの利点

不安や懸念を口にすることには、利点があります。気持ちを誰かと分かち合い、言葉にするだけでも、その感情の強さを和らげることができます。

相手は支えとなり、気遣いを示して、否定的な感情を和らげてくれるかもしれません。私たちも相手に同じことができます。また、ほかの人も同じ気持ちを抱いていると知れば、自分だけではないと分かります。

さらに、ほかの人がいら立ちや恐怖にどう対処しているかを知り、その方法を自分の暮らしに取り入れることもできます。

どこで限度を見極めるか

ただし、愚痴をこぼすことを習慣にしてはいけません。結局のところ、それで問題が解決するわけではありません。否定的な感情を人に話すのをやめる目安を、いくつか挙げます。

  • 愚痴をこぼすことが主な対処法になり、特に、必要な適応的行動を先延ばしにしてしまうとき。子どもの家庭学習について不満を言っても、子どもの教育にはなりません。

  • 人に話すことで相手にストレスを与えてしまうとき。ほかの人の心の平穏を犠牲にして自分が楽になるのは不公平です。愚痴を聞かされるうちに相手があなたを避け始めたら、相手にストレスを与えているということです。

  • 愚痴をこぼしても気持ちが楽にならず、自分か相手、または双方が以前よりつらくなるとき。不満を言うことだけを目的に愚痴をこぼしてはいけません。心は胃袋のようなものです。良いものを食べさせれば、健康で幸せになれます。ごみのようなものを食べさせ続ければ、具合が悪くなります。

  • 幼い子どもは、親の悩みを聞くためにいるのではなく、親を慰める役目もありません。親のセラピスト役を担わせると、子どもに長期的な悪影響を及ぼすことがあります。少なくとも、不満を言うことを主な対処法として身につけてしまう可能性があります。

  • 次のような臨床的うつ病の兆候(気分の落ち込み、活力の低下、食欲不振または増加、不眠、集中力の低下など)があるときは、話を聞いてもらうだけでなく専門的なケアが必要かどうか、医師に相談してください。

ほかの対処法

この時期のストレスに対処するためのヒントをいくつか紹介します。

  • 医療の専門家や、次のようなウェブサイトから情報を得ましょう。米国疾病予防管理センター(CDC)や地域の保健当局を参考にし、うわさや出所の定かでないソーシャルメディアの投稿は避けてください。事実を知れば、リスクを客観的に見積もれます。自分や大切な人を守るための信頼できる方法を知ることは、状況を自分で管理できる感覚につながり、不安を軽減します。自分と家族を守るために必要なことを知っておきましょう。

  • ニュースに夢中になったり、何時間も確認し続けたりしないでください。ニュースから何時間か離れる時間を必ず設けましょう。心配はいりません。ニュースキャスターは、また見たくなったときにも、いつでも画面にいます。

  • 悪いニュースから気をそらす時間を作りましょう。何か見たいときは、映画やテレビシリーズ、ドキュメンタリー(動物ものは最高です)、コメディを見ましょう。

  • 時間がなくてできなかった、ずっとやりたかったことを思い出してみましょう。用事や家事ばかりでなくてもかまいません。楽しい活動や趣味も含めてよいですし、むしろ含めるべきです。

  • 日課を保ちましょう。以前と同じ時間に寝起きし、いつもどおり食事をしましょう。今なら、料理や健康的な食事にもっと時間をかけられます。

  • 人と交流するのが好きなら、電話やビデオ通話などの技術を使ってつながりを保ちましょう。身体的に隔離されても、社会的に孤立する必要はありません。自由な時間がある今こそ、つながりを持ちましょう。

  • 体を動かしましょう。特に中程度の強度の有酸素運動を定期的に行うことは、身体の健康や免疫機能を高めるだけでなく、うつや不安の軽減にも役立ちます。最近は、トレーナーがオンラインで自宅向けの運動指導を無料で提供しています。運動を、大切な人との絆を深める機会にすることもできます。

  • 瞑想やマインドフルネスの手法を取り入れましょう。

  • 庭仕事やガーデニングに取り組みましょう。安全に過ごし、体を動かし、生産的な時間を過ごせます。

最後に、この状況もいつか過ぎ去ると知っておいてください。いずれ医療の進歩がパンデミックを収束させるでしょう。私たちは非常に回復力の強い種であり、何百万年もの間生き続けてきました。知恵を持って、この危機を乗り越えることができます。

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