ブロックチェーン:水産業の将来の混乱に備えるワクチン

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• COVID-19により漁船団は操業停止に追い込まれ、加工施設は稼働を停止し、水産物市場へのアクセスも閉ざされた。

• 地元で仕入れ、オンラインで事業を展開する水産関連企業は、最も高い回復力を備えているようだ。

• サプライチェーンの透明性と効率性を高めるブロックチェーンの能力は、こうした混乱に対する備えとなり得る。

COVID-19危機は、世界の水産物サプライチェーンが抱える課題や不備を浮き彫りにした。広範囲に拡大したパンデミックにより業界全体で前例のない混乱が生じ、漁船団が丸ごと係留され、水産関連企業が相次いで休業し、製品が世界各地で行き場を失っている。

オーストラリア・ニュージーランド産のイセエビのように、一夜にして市場が消失した例もある。輸送インフラが不足し、生きた製品の輸出はほぼ不可能になった。サプライチェーンの下流では、パンデミック封じ込めの指針に従うため、あるいは単に原材料不足のために、加工施設が操業を停止したり、大幅に縮小したりしている。

既存の冷凍・加工品を扱う多くの事業者にとっても、市場へのアクセスは依然として困難だ。ソーシャルディスタンスの要請により、レストランや飲食サービス施設が休業を続けるか、営業を制限されているためだ。胸が痛む例の一つとして、インドの漁師たちは市場も保管場所もないため、製品を文字どおり海に投棄している。水産物の販売と価格の見通しは暗く、市場に製品が過剰に供給されたことで価格が急落している。これは米国北東部のホタテガイ産業や、メキシコ湾の天然エビ漁業で起きている。

長年確立されてきた水産関連企業の多くが休業していることに加え、業界の回復にどれほど時間がかかるかも同じくらい懸念される。世界の水産物サプライチェーンの特性とウイルスの感染拡大の仕方を踏まえると、サプライチェーンが一気に再開するとは考えにくい。そのため、パンデミックの余波は数週間、数か月、場合によっては1年続くと予想され、一部の企業はCOVID-19以前の水準まで回復できない可能性もある。

漁業のどの分野も影響を免れていない。短期的にほとんど救済の見込みがない中、供給業者や流通業者から卸売業者、レストランに至るまで、世界の水産物サプライチェーン全体に苦境が広がっている。人々の移動がますます活発になり、社会のグローバル化が進む中で、既存のサプライチェーンが分散していることは、こうした困難の一因となったことは間違いなく、回復も非常に難しくしている。

明るい兆しは見えないものの、近い将来にはかすかな希望もある。最も健闘しているように見える水産関連企業は、サプライチェーンが短く、複雑さが少なく、より直接的で透明性の高い企業だ。典型例として、すでにオンラインでの事業基盤を確立していた地域産業や、オンライン購入と直接配送をすばやく提供できるように転換した地域産業が挙げられる。アラスカのSitka Salmon Sharesや、米国北東部のDock to Dishなどだ。

水産物のサプライチェーンImage: Fish 2.0向け Manta Consulting Inc

世界の水産業全体がそのモデルに従える、あるいは従うべきだと考えるのは浅はかだろう。しかし、そうした企業が持つデジタル重視の特性を、より大規模なサプライチェーンに応用できないだろうか。パンデミックであれ、それ以外であれ、こうした混乱が将来もたらす影響から水産業を守るワクチンを開発できるとしたらどうだろう。供給が需要をより効果的に満たすだけでなく、水産関連企業が顧客の期待に応えやすくなり、同時に混乱の最悪の影響を和らげ、より迅速な回復を可能にする技術があったと想像してみてほしい。その技術はすでに存在し、急速に進化し、発展している。

メロ、マグロ、エビ、サケ、ホタテガイは、水産分野で最近ブロックチェーン技術の実験や導入が行われた製品のほんの一例だ。この透明性を高める技術により、サプライチェーンの参加者は、製品が現在どの段階にあり、どこへ向かっているのか、またどのような条件で生産・保管されたのかといった追加情報を、即座にひと目で確認できる。例えば、次の技術がある。OpenSCプラットフォームで使われているブロックチェーン技術は、IoTや機械学習とともに、こうした利点をもたらす。

市場が利用可能になった際に通知し、売り手と買い手を自動的に結び付ける可能性を持つアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)を構築できる。さらに、この技術は、持続可能性や公正な労働に関する属性を製品に改ざん不能な形で結び付け、COVID-19パンデミックのような危機の際に悪意ある事業者が搾取するのを防ぐこともできる。

さらに、ブロックチェーンは、契約上の義務や支払いを自動的に実行する「スマートコントラクト」を可能にする。サプライチェーン取引の効率が高まり、生産者と買い手の双方により良い情報が提供されることで、事業運営について、より多くの情報に基づく、より良い意思決定ができるようになる。こうした機能は、世界の水産業が現在経験している苦境の期間と深刻さを大幅に抑える可能性がある。

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このパンデミックが世界の水産業にもたらした深刻で壊滅的な影響を踏まえ、サプライチェーンの参加者が以前より強く、革新的で、回復力を高めて危機を乗り越えられるよう、水産物サプライチェーンの変革を検討すべき時が来ている。

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