この機械なら食品や臓器を3Dプリントできる

Professor Tal Dvir (R) and a researcher stand next to a 3-D printer during their interview with Reuters about their development of a 3D printed patch comprised of lab-grown heart tissue and nano-electronics that could potentially revolutionize the treatment of heart disease, at a laboratory in Tel Aviv University March 16, 2016. Picture taken March 16, 2016. REUTERS/ Nir Elias - GF10000365485
There are currently two major hurdles standing in the way of organ printing.Image: REUTERS/ Nir Elias
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現在、全米の臓器移植待機リストには11万3,000人以上が登録されています。米国保健福祉省によると、ドナーが不足しているため、臓器を待つ間に毎日約20人が亡くなっています。

現在、臓器の印刷には大きな課題が2つあります。生きた細胞や機能する臓器が生存するには、温度や化学的条件を特別に整える必要があります。そのため、大きな臓器を実際に3Dプリントする工程が遅すぎると、細胞が劣化してしまいます。また、臓器を3Dプリントできたとしても、輸送には保管が必要であり、これは移植における長年のボトルネックとなっています。

課題の克服

臓器の3Dプリント中に細胞が死滅するのを最小限に抑えるため、研究者たちは並列化を活用した技術を開発しました。複数のプリンターで組織の2D層を同時に作り、それらを層ごとに積み重ねて3D構造を形成します。

製造した臓器の保管問題を解決するため、チームは単一細胞の保存に関する70年にわたる知見と技術を活用しました。この技術では、各2D層を3D構造に組み込んだ直後に凍結します。細胞の単一層を凍結するこの方法により、凍結、保管、輸送の過程を生き延びるための最適な条件が得られます。

「現在、バイオプリンティングは主に少量の組織を作るために使われています。3Dバイオプリンティングの問題は、工程が非常に遅いことです。印刷が終わる頃には生体材料が劣化してしまうため、大きなものは印刷できません。私たちの革新の一つは、印刷しながら材料を凍結し、生体材料を保つとともに、凍結速度を制御できることです」と、共著者でカリフォルニア大学バークレー校の機械工学教授、ボリス・ルビンスキー氏は述べています。

ルビンスキー氏によると、まず組織を2Dで印刷し、別のステーションで3D物体に組み立てることで、印刷時間を実質的になくし、生産を大幅に加速できました。バイオプリンターの組立ラインで複数の組織の2D層を並行して作ると、ロボットアームが層を持ち上げて別のステーションへ運びます。そこで組織を積み重ねて3D物体を作り、研究者たちは凍結によって各層を融合させます。

「各層を積み重ねて3D構造を作る際、私たちが導入した革新の一つは、浴槽の液面を各層まで上げるのではなく、3D構造を極低温浴に浸して凍結する方法です」と、共著者のジョセフ・サヒョン氏は述べています。「この方法により、凍結速度をより正確に制御できました。」

食品のプリント?

臓器に加え、この技術のもう一つの応用先として食品が考えられます。層ごとに印刷して組み立てることで、製造業者は食品のさまざまな食感を探ることができます。また、病気の人のニーズに応じた食品の開発も可能になります。

「嚥下障害は高齢者に非常によく見られます。飲み込むのが難しい患者には、ほとんどペースト状の食べ物が与えられるため、食欲が湧かず、症状も悪化します」とルビンスキー氏は述べています。「しかし、食感のある食品を作れれば、もっと食べたくなるかもしれません。噛むうちに口の中で溶ければ、飲み込んで栄養を摂取できます。私たちの技術なら、どんな食品でもそれが可能です。」

同氏によると、この技術は冷凍食品の大規模な工業生産にも応用できます。製品全体にわたり、食品中の氷結晶の構造を細胞の単一層ごとに綿密に制御できます。

「氷結晶の大きさと均一性は、冷凍食品の品質を左右する中心的な要素なので、これは重要です」とルビンスキー氏は述べています。

薄い層を積み重ねて3D物体を作るという考え方は製造業では新しくありませんが、生体材料でそれを行うのは画期的です。

「紙、プラスチック、セラミックス、金属など、従来の積層に使われる材料は薄い層でも硬い一方、主に液体からなる生体物質ははるかに柔らかく、その点に大きな違いがあります」と、ルビンスキー氏の研究室に所属する大学院生で、論文の筆頭著者であるギデオン・ウクパイ氏は述べています。

そこでチームは、2D層を印刷するために、親水性と疎水性を考慮して設計した硬い表面を用いました。特別に設計されたこれらの層によって、重力の方向にかかわらず、2D層を離れた場所まで運び、3D物体に配置できます。

今後の研究では、ウクパイ氏と新たに加わる工学修士課程の学生たちが、この工程の最適化をさらに進め、製品の特性を明らかにし、最大の利点が得られる適切な利用場面を特定する予定です。

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