先住民コミュニティが長老をコロナウイルスから守ることが重要な理由

Estela Astorga Porma, a Mapuche Indian woman, wears a face mask while posing for a picture outside her 'Ruka' (House) while they self-isolate their indigenous community from the outside world, amid the spread of the coronavirus disease (COVID-19) in Huentelolen area close Tirua town, Chile May 7, 2020. Picture taken May 7, 2020. REUTERS/Jose Luis Saavedra - RC2AMG9PO71P
Indigenous villages are taking steps to protect their elders from COVID-19.Image: REUTERS/Jose Luis Saavedra
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  • 先住民コミュニティは、コロナウイルスから自らを守るため、村を外部世界から遮断している。

  • コミュニティが、コロナウイルスに特に弱い長老を守り、長老が保持する知識を継承していくことは極めて重要である。

  • 先住民コミュニティにおける長老は、知識を口頭で伝承し、神聖な儀式を執り行ううえで特に重要な存在である。

ラテンアメリカ全域の先住民は、コロナウイルスが部族の長老、つまり伝統の守り手を危険にさらし、自分たちの文化に重大な脅威をもたらしかねないことを懸念し、共同体を外部世界から遮断している。

アルゼンチン南部パタゴニアの岩がちな地域から、ブラジルの緑豊かなアマゾン、コロンビアのアンデス地域の村々に至るまで、先住民の集団は村を外部の人々から封鎖し、検疫規則に違反した成員には厳しい処罰を科している。

世界銀行のデータによれば、ラテンアメリカには4,200万人の先住民が暮らし、人口の約8%を占めている。しかし、その生活様式は、鉱業、石油採掘、森林伐採といった急速な開発によって、すでに脅かされている。

このウイルスは、新たで、潜在的に壊滅的なリスクをもたらしている。COVID-19による合併症に最も脆弱な層である高齢者は、絶滅の危機にさらされている多くの伝統や言語の守り手である。

「長老の根本的な重要性は、特に私たちのアイデンティティに関して、集団の記憶を保持していることにある」と、アルゼンチン北西部のアマイチャ・デ・バイェ先住民集団のコミュニティリーダーであるエドゥアルド・ニエバは述べた。

ラテンアメリカの先住民の人々は文字を持たないことが多いため、その歴史は文字に記録されていないことがある。歴史は、長老たちによって語り継がれ、世代から世代へと伝えられている。

「先住民の知恵はすべて口承によるもので、世代から世代へと受け継がれている。そのため、長老は蓄積されたすべての経験を担っている」とニエバは述べた。「その経験、つまり長老が保持しているものこそ、私たちが守ろうとしているものなのだ。」

ブラジル最古の先住民保留地であるアマゾンのシング川流域では、毎年、共同体の16の部族が集まり、生と死、そして再生を祝うクアルップ舞踊の儀式を執り行うが、その実施には長老の指導が欠かせない。

「私たちは大いに懸念している。長老を失えば、文化的伝統や宗教儀式だけでなく、伝統医療に関する知識も失うことになる」と、アマゾンの先住民の暮らしを記録する映画制作者、32歳のジャイル・クイクロは述べた。

彼の祖母は、「ヤムリクマ」と呼ばれる女性のみが参加する豊穣の儀式で用いられる神聖な歌の伝承者である。

「もし祖母がウイルスに感染し、亡くなってしまえば、その歌は跡形もなく失われてしまう」とクイクロは述べた。

ラテンアメリカの農村部は、コロナウイルスの影響を受けた地球上で最後の地域の一つであり、こうした遠隔地での検査は限られているが、公式統計はウイルスがそこでも広がり始めていることを示している。

複数の先住民のリーダーによれば、コミュニティは、高齢の成員が自らの居住地の外に出なくても食料や物資を確保できるよう、特別な予防措置を講じている。

新たな感染症に脆弱

大陸の先住民集団の中には、数百人しかいないものもあり、新たな感染症に特に脆弱であると、世界中の先住民コミュニティと協働してきたユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのグローバルヘルス教授、キャロリン・スティーブンスは述べた。

スティーブンスは、ラテンアメリカにおける最初のヨーロッパ植民地化の波が天然痘などの病気をもたらし、先住民の人口に数百万人の死者を出したことを挙げ、新たなウイルスによって起こりうる事態の例として示した。

公式に認定された先住民コミュニティが少なくとも35あるアルゼンチンでは、高齢者への懸念から、一部の集団が外部から身を守るため極端な措置を講じている。

アルゼンチン北部のトゥクマン州とサルタ州では、一部のコミュニティが村へ通じる道路を封鎖しているとマプーチェ族のリーダーであるレルム・ニャムクは述べた。

別のケースでは、以前は麻薬取引などの犯罪を取り締まっていたコミュニティの警備隊が、外部の人々を遠ざけるために配置されている。

ブラジルのシング川流域では、カラパロ族の村の住民の約半数が、1950年代に麻疹によって全滅したことを、現地の人々は記憶している。

公園に通じる道路は封鎖され、医療従事者以外の外部の人は立ち入りを認められていない。

エクアドルと国境を接するコロンビアのナリーニョ県では、パスト先住民コミュニティの成員が検疫規則を厳格に施行しており、規則違反者に対しては体罰を科している。

4月に地元メディアで公開された携帯電話の動画には、コミュニティのリーダーによれば検疫規則に違反した若い男性が、牛革の鞭で3回打たれた後、苦痛にのたうち回る様子が映っていた。パストのリーダーであるパブロ・タイマルは、その動画が真実であることを確認した。

「先住民の警備隊は、私たちのコミュニティの健康と安全を守るために必要なことを行うよう命じられている」とタイマルは述べた。彼によれば、コロナウイルスによって医療制度が圧倒されているエクアドルから越境してくる人々を恐れているという。

先住民の人々によれば、抗酸化作用で知られる根菜ヤコンのような、何世紀も前から伝わる伝統医療の知識は、しばしばコミュニティの長老が保持している。

「マプーチェとして、私たちが慣れ親しんだ薬を用いれば、癒やされる」と、チリ南部のビオビオ地域に暮らす、77歳のマプーチェの女性、エステラ・アストルガ・ポルマは述べた。

COVID-19のような病気の治療における先住民の薬の有効性は、証明されていない。

コミュニティの成員によれば、若い世代が意思決定の助言を求めて長老の家を訪ねることも一般的な伝統であるが、慎重を期して現在は見合わせられているという。

「祖母たちはコミュニティの相談役である。年長者は祖先の知恵を伝え、私たちをまとめ、秩序を与え、精神的な助言を与える」と、アルゼンチン南部チュブット州出身の、61歳のマプーチェの女性、ロサ・ニャンクチェオは述べた。

「今、私たちが会う機会は以前より少ない。」

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